レンダーファームを活用、自主制作アニメーション『Unseen Garden』のメイキング

02 Night Garden

「Night Garden」は、スズランとホタルの作品です。私は、日本の田舎で育ち、夏になると田んぼにたくさんのホタルを見ることができました。ランプシェードのような花からホタルが光を充電するというアイデアを思いつきました。

▼ スズランの花を作る

スズランはバラに比べてシンプルな形状なので、Cinema 4D でモデリングし、Substance 3D Painter でテクスチャを作成しました。

▼ ホタルのモデルとリグ

ホタルについては、ハチのモデルを再利用し、体の一部を変更しました。 新しい羽根と大きな電球をお尻に追加しました。 リギングに関しては、ミツバチよりも複雑なアニメーションを作成する予定だったため、デフォーマではなくボーンを使用してリギングする必要がありました。

▼ アニメーション

アニメーションのプロセスは「Sunny Garden」よりも少し複雑なため、難易度も上がりました。最初にメインの2匹のホタルをアニメートしてから、コンストレインタグを使用して 電球のアニメーションを花に追加し、次に ホタルの手、最後に 他のホタルのお尻に追加しました。下の図は、初期段階の電球のないアニマティック(左) と最終的なアニマティック(右) です。

初期段階の電球のないアニマティック(左)/ 最終的なアニマティック(右)

▼ ライティング

夜の場面なのでライティングが少し難しい上に、電球や花などの光源がたくさんあります。 シリーズ全体で一貫性を保つために、環境には「Sunny Garden」と同じ HDRI と同様の照明設定を使用し、明るさと色を調整しました。次に、それぞれの電球と光る花に発光マテリアルとエリアライトを追加しました。

下の図は、HDRI とエリアライト (左)、ノイズマテリアルを含む平面を通過するライト (中央) / 花とホタルからのライト (右)です。

HDRI とエリアライト(左)/ ノイズマテリアルを含む平面を通過するライト(中央)/ 花とホタルからのライト(右)

▼ Garagefarm を使用してレンダリング

このアニメーションには、多くのエリアライトと発光するマテリアル、そして、ガラスマテリアルがあるので、レンダリングに非常に時間がかかりました。私のマシンでは、フレーム毎に約40分かかっていたので、レンダリングに Garagefarm を使用できたのは非常に良かったです。「優先度 "低"」に設定すると、265フレームすべてのレンダリングが 約1時間で終わり、費用はわずか 30ドル(USD)でした。 私のマシンでアニメーション全体をレンダリングした場合にかかる時間を考えると とても合理的だと思います。ビューティーパスとエミッションパスをレンダリングしました。

ビューティーパスとエミッションパスをレンダリングしました

After Effects でエミッションパスに発光のエフェクトを追加し、ビューティーパスの上に重ねて、ブレンドモードを変更して追加しました。 そして、露出を調整し、微妙なレンズフレアを追加しました。