3Dキャラクター制作ワークフロー 「Pugare」のメイキング

フリーランス キャラクターアーティスト David Rodriguez氏が キャラクター制作ワークフローを紹介します


David Rodriguez de la Orden
フリーランス キャラクターアーティスト


こんにちは! David de la Orden です。現在、フリーランスのキャラクターアーティストとして働いています。これから、Marko Djurdjevic 氏によるコンセプトをベースにしたプロジェクトのワークフローを紹介します(ZBrush、Maya、Photoshop、Substance Painter、Mudbox、V-Ray等使用)。皆さんにとって、助けになる、役に立つヒントが見つかることを願っています。

ステップ01:コンセプトとリファレンス収集

あらゆるプロジェクトの第1歩は、コンセプトを分析して「3Dではどうなるか」「アクセサリはどんな素材でできているか」「キャラクターはそれらをどう使うのか」などを理解することです。コンセプトのアプローチについての良い考えが浮かんだら、関連リファレンスの収集をはじめます。今回は、武器、皮革服、女性モデル、そして、ボディビルダーの画像を探しました。

コンセプト(制作:Marko Djurdjevic 氏)

リファレンス用に作成したイメージボード

ステップ02:ブロッキング - 大まかに作成

ZBrush のダイナメッシュ(DynaMesh)を使用して、ZSphere から身体を大まかに作成。適切なプロポーションとシルエットが見つかるまで、身体と顔の再構築と洗練を続けます。次に、ヘア、衣装、アクセサリを Maya でモデリングします。シャベルやナイフのようなハードサーフェスのアイテムは、Maya でモデリングするのが最適です。

キャラクターの構築プロセス

ステップ03:リトポロジとUV

身体とアクセサリをモデリングしたら、リトポロジに進みます。エッジフローやシャープな形状を必要としないアイテムには、ZBrush の ZRemesher を使用しましょう。主要な形状を失うことなく、最も低いサブディビジョンで適当なポリカウントに設定できます。これは ZRemesher コントロールを調整して実現します(※ポリゴン数を減らすための[Target Polygons Count]、見栄えの良いトポロジにするための[Adaptive Size]などを調整)。身体のように洗練されたトポロジとエッジフローを必要とする部分には、私は、Maya の[四角ポリゴン描画](Quad Draw)ツールを使用しています。

ZRemesher の設定

適切なトポロジを設定したら、UV をアンラップ(展開)できます。私はこれを Maya で実行しています。また、楽に作業できるように、表示されないフェースは削除することをお勧めします。すべてのアイテムを展開したら、UVセットを整理しましょう。ここでは、全部で4つ作成しました。

UVセット

ステップ04:ディテールの作成とマップのベイク

UV はディテールプロセスを簡単にしてくれます。ZBrush の[Noisemaker]とブラシ、アルファを使用して、毛穴やしわ、皮革の生地と折り目などのディテールを強調します。他のクールなテクニックは、ディテールを加える特徴ごとにレイヤーを使用することです。作業を終えたら、[Multi Map Exporter]でノーマル(法線)マップとディスプレイスメントマップをベイクしましょう。図はベイク設定です。

ベイク設定

ステップ05:ポージングとテクスチャリング

ポージングでは、ZBrush のトランスポーズマスター(Transpose Master)を使用します。非常に直感的なツールですが、移動・回転したときにモデルが歪まないように注意が必要です。回転する場合は、骨の関節部分を配置します。こうしておけば、ポーズとモデルが自然なルックになります。

ポーズモデル

テクスチャの追加は、スカルプティング後の最も重要なステップです。私は すべてのテクスチャ処理に PhotoshopMudboxSubstance Painter を使用します。肌には Mudbox のレイヤーシステムを使って、より簡単にトーンをコントロールしています。

Mudbox で肌のテクスチャリング

ステップ06:ヘアとレンダリング

ヘアは Maya の nHair で作成します。まず、ZBrush の FiberMesh で髪の全体的な形状を作成、カーブをエクスポートして nHair に変換しました。ヘアシェーダには V-Ray のヘア用マテリアル[V-Ray Mtl_Hair]を使用します。

ヘアの作成

レンダリングには V-Ray を使用します。1つのフロントライト、1つのバックライト、そして、グローバル イルミネーション用の HDRi を使用。背景には曲げた平面を配置、少し光を反射させます。レンダリングが完了したら、コンセプトは完成です。最後まで読んでくれてありがとうございます!

レンダー設定

最終イメージ

編集部からのヒント

CGキャラクターの制作テクニックを学習するリファレンスには、書籍『3Dアーティストのための人体解剖学』『MAYA キャラクタークリエーション』をお勧めします。

 


翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp