【インタビュー】フリーランス デジタルスカルプター / キャラクターアーティスト 篠原 雅佳氏

日本のデジタルスカルプター/キャラクターアーティスト 篠原 雅佳氏が、フォトリアルな3Dポートレートの制作ワークフローや、その使用ツールを紹介します


篠原 雅佳
フリーランス デジタルスカルプター / キャラクターアーティスト

Q.自己紹介をお願いします

はい、東京出身のフリーランス 3Dアーティスト の篠原 雅佳といいます。日本のアニメーションが 3Dを取り入れた頃に、3Dモデリングを学び始めました。リアル3D とアニメスタイル3D の両方に興味があり、特にキャラクターモデリングが好きです。2016年は スクウェア・エニックスで フリーランス キャラクターアーティストとして働いていました。

Q. あなたの作品(3dtotalギャラリーに掲載)についておしえてください。アイデアはどこから得ましたか? 工夫した点は何ですか?

実在の人物を CGでできるだけリアルにつくるチャレンジでした。3Dモデルのルックを可能な限り似せる必要があるので、モデリングスキルを向上させるための良いトレーニングになると思いました。

Q. 使用ソフトやプラグインをおしえてください。また、むずかしかったこと、どうやってクリアしたかをおしえてください

私はいつも、ZBrush で作業を始め、すべてのモデリングとベースディテールを終わらせます。ヘアには Geo to Maya Hair を使っています。お手軽な Maya のヘアプラグインです。テクスチャは MARI で手塗りしていますが、HDRI は HDR Light Studio で作成しています。レンダリングは Maya の Arnold(alShader)を使用しています。

実在の人物を作成するときは、そっくりにしなければならないため、厳しい批判にさらされがちです。本作では完成度を上げるのに苦労しました。たくさんのリファレンスを集め、人体解剖学を研究した結果、好意的に受け止めてもらえました。

Geo to Maya Hair でポリゴン平面をヘアに変換

Q. 他にも、使用しているソフトがあればおしえてください

普段は 3ds MaxV-Ray も使います。この作品『佐々木 希のポートレート』では、Arnoldレンダラーを使った Maya の新しいワークフローが課題でした。他に使用しているツールは、PhotoshopUnreal EngineUnityMarmoset ToolbagMarvelous DesignerSubstance DesignerSubstance Painter などです。

Q. 芸術的な目標はありますか? また、インスピレーションを受けているアーティストがいればおしえてください

もっと勉強して、もっと多くの作品をつくり、多くの人に見てもらいたいですね。大好きなアーティストは、ハリウッドで活躍する特殊効果メイクアップアーティストの 辻 一弘 氏 で、彼の作品から多くのインスピレーションを受けています。彼の作る超リアルな彫刻は最高です!

私は、これからも超リアルで美しい3Dを勉強していきたいと思っています。すでに、新しい個人プロジェクトを始めています。近い将来、お見せできると思います。

篠原さん、ありがとうございました。(3dtotal.jp)

 


翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp