カンフー・パンダ&ズートピア + 北欧神話風:『Viking Cat』のメイキング

メキシコのキャラクターアーティスト Carlos Gonzalez Villagomez氏 が、スタイライズ・キャラクター『Viking Cat -バイキングキャット』のメイキングを紹介します


Carlos Gonzalez Villagomez
キャラクターアーティスト|メキシコ


はじめに

このチュートリアルでは、『Viking Cat -バイキングキャット』のイメージ制作について簡単に紹介します。モデリング、テクスチャリング、Yeti を使ったグルーミング、レンダリング、コンポジットが含まれます。このアイデアのきっかけは、私が『カンフー・パンダ』『ズートピア』のファンで、そのスタイルに北欧神話を取り入れてみたくなったからです。

01 モデルの構築

まず、ZBrush で円柱と球を基に 3Dスケッチを作成して、プロポーションを整えます。これにより、ディテールを作る前に、キャラクターを簡単に修正・変更することができます。また、グルーミングでガイドを正確に配置できるように、頬と顎のひげをスカルプトします。プロポーションに満足したら、ダイナメッシュツールですべてのモデルパーツを統合し、全体でディテールのスカルプトを続けます。

02 衣服とアクセサリーの制作

体の形が決まったら、デシメーションツールでモデルのポリゴンを間引き、Maya に読み込みます。ボディモデルを元にパーツをモデリングしていけば、最初からトポロジーを細かく制御できるでしょう。その際に便利なのが[四角ポリゴン描画]ツールです

03 ディテールのスカルプティング&テクスチャリング

キャラクターの衣服や体のパーツがすべて揃ったら、UVを作成し、ZBrush に戻って ディテールを作成します。今回は、テクスチャの一部に Substance 3D Painter も使用しました。特に布や模様のタイルリング テクスチャを作成する場合、「UVを上手く作れば、ZBrush や Substance Painter でモデルにディテールを適用するのが簡単になる」と覚えておきましょう。ディテールに満足したら、すべてのテクスチャとディスプレイスメントマップをエクスポートし、Maya でルックデヴを作成します。

04 Yetiを使ったグルーミング

グルーミング(毛づくろい)には Yeti を使いました。私はこれをレイヤーで処理しています。1層目はキャラクターのベースヘアに、2層目は Scraggleノードでヘアの塊をランダムに配置するのに使い、3層目は跳ねた毛、4層目はひげに使っています。

05 プロップと環境

イメージにちょっとしたストーリーを取り入れたかったので、宝箱を見つけているシーンにしました。箱のモデリングは Maya、テクスチャリングは Substance 3D Painter です。地面は主に ZBrush で作成しています(Maya でベースモデル作成、ZBrush でディテールをスカルプト、岩にはプロシージャルノイズを使用)。

06 レンダリングとコンポジット

最終レンダリングでは、キャットと地面をアルファチャンネル付きでレンダリングし、背景は Photoshop で作成しました。光源は洞窟の上にあるように見せています。仕上げに「レベル補正」と色調補正を行い、少し見栄え良くしています。

 

完成イメージ

 


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編集:3dtotal.jp