世界のモンスターを描く:西洋のドラゴン

デザインプロセス

サムネイル

サムネイルスケッチでは、ドラゴンのデザインに取り入れたいトカゲの雰囲気を意識しました。そのほとんどでトカゲの構造を考慮しつつ、厚い筋肉質の脚を描いて、力強さを表現しています。また、首にも厚みを与え、その強靭さと安定感を示しました。ドラゴンは通常、邪悪なクリーチャーとして描かれるので、捕食者のポーズがうってつけです。

尻尾の効果的な配置も試しています。前景に持ってくると奥行きが加わり、その大きさと威圧感が強調されるでしょう。また、翼の構造にも取り組み、さまざまな位置で描きました。広げた翼はアクションと動きを示すので、必ず取り入れてください。口も開いて、その攻撃性を表すと良いでしょう。

もっと掘り下げる

ここでは、トカゲのような雰囲気と、ドラゴンの持つ攻撃性を維持したいと思います。正面図では、エリマキの大きさが分かり、それは恐ろしく興味深いシルエットになっています。エリマキはトカゲを参考に描きました。実在の動物をコピーするのではなく、その特徴からインスピレーションを得ることが狙いなので、ユニークなものに改良しましょう。また、首の大きさやたくましさも見て取れます。ここでも実在するトカゲを参考にしました。首はドラゴンの吐く火の息に不可欠な要素です。鋭いかぎ爪と屈強な前脚にも注目してください。

側面図では、全体形状と主な特徴を観察できます。エリマキと翼のシェイプランゲージ(形態言語)が似ているため、デザインに一貫性が生まれています。翼を十分に調べたら、その上部にかぎ爪のような指を加え、恐ろしい雰囲気を強化。二またの舌で、おぞましい悪魔の要素も加わっています。尻尾はとげ状のうろこで覆われ、先端はスペードに似た形状です。これはウェールズの国旗をはじめ、西洋のドラゴンに関する記述、紋章に共通する特徴です。

ポーズ

上から見ると、印象的な翼幅がはっきり見て取れます。実際に、コウモリの翼(サイズやボリューム)を観察すると、四肢に筋肉が付いていないと分かります。いくつかのドラゴンも歴史を通じて、そのように描かれてきました。しかし、このドラゴンは首や四肢に筋肉を付けることにしたので、コウモリの翼との間で絶妙なバランスを見つける必要があるでしょう。ドラゴンは巨大なので、コウモリよりも少し大きめの筋肉が必要です。

尻尾を見ると、とげ状のうろこが背中まで続き、頭部にかけて2つに分かれています。これはドラゴンのルックに面白味を加えると同時に、ワニのようなどう猛さも演出しています。もっと立体的なポーズで、大きく広げた翼をさらに探求しました。このポーズだとドラゴンが大きく見えるので、威圧感が助長されます。尻尾は上向きにカーブして、他のクリーチャーと戦っている最中のようにも見えます。開かれた口は、ドラゴンの危険性と攻撃性の象徴です。しかし、このポーズの角度は、あまり効果的でない気がします。