世界のモンスターを描く:西洋のドラゴン

フィールドノート(調査・資料収集)

トカゲの姿勢

トカゲは、楽しみながら研究できる魅力的な生物です。そのポーズの雰囲気をつかみ、ドラゴンのデザインに適用したいと思います。一部のトカゲは堂々として見えます。研究しながらその理由について考えてください。そして、分かったことをドラゴンに取り入れて、印象的で堂々としたルックにしてみましょう。

トカゲののど袋

リサーチしていると、トカゲの首には大きなのど袋やふくらみがあることに気づきました。これは私の想像するドラゴンの特殊能力「火の息」に使えそうです。つまり、のど袋に詰まっている化学物質が肺から出た空気と混ざり、すべてを焼き尽くす火炎になります。

エリマキトカゲ

探求したもう1つの要素に、エリマキトカゲの膜があります。非常に面白い形状なので、ドラゴンの翼に適用できそうです。体の部位を参考にするときは、必ずしも同じ部位を選ぶ必要はありません。デザイン対象とは直接関連がなくとも、自然にはインスピレーションの源泉が豊富にあるので、そこから十分な情報を引き出せます。コウモリの翼ではなくエリマキトカゲの膜を研究すれば、「爬虫類の翼」のはたらきが簡単に見て取れるでしょう。

とげ状のうろこ

うろこのテクスチャは、ドラゴンのデザインで重要な要素です。右のトガケのスケッチで、うろこからとげに変わっていく様子が気に入りました。とげ状のうろこは、どう猛で幻想的な要素を強め、恐竜など先史時代のクリーチャーを彷彿とさせます。これを使えば、「古代神話に登場するドラゴン」として違和感なく、その年齢を表現できそうです。

うろこ

近くで見ると、うろこにはさまざまな模様(パターン)と形状があり、動物によって、丸かったり、尖っていたりします。まず、うろこの方向を示す点をいくつかマークしましょう。次に、この点を曲線で結んで、交差するうろこの模様を作成。最後に、ディテールを入れます。一部はより粗く、一部はより光沢を与えます。また、うろこ間の領域を暗くして、オクルージョンシャドウを作成すると良いでしょう。作成したいのは遠くから見たうろこなので、すべてを細かくスケッチする必要はありません。見苦しくならないよう、ほのめかす程度に留めましょう。

皮膚の起伏にうろこを描けば、ディテールをあまり入れることなく、最大限に表現できます。下の図のような丸みのある表面では、うろこを使って立体感とテクスチャを表します。

爬虫類の頭部のうろこは大きく、形状もばらばらなので、ある程度自由に描くことができます。頭部形状を作成し、線の流れを想像してください。最後にこの線に沿ってうろこを追加、人工的に見えないようにバリエーションを加えます。顔の造作周辺は、実在するリファレンスを参考にすると良いでしょう。

爬虫類の頭部

西洋のドラゴンは、爬虫類として描かれるので、トカゲのモチーフを強調していきましょう。爬虫類の頭部は複雑でバリエーション豊かです。では、どうやってユニークな頭部を作成しますか? それには、まず大きな形状を考え、次に小さなパーツに分けると良いでしょう。私はいつもこのように、大きなジェスチャーから始めて、小さいものに分割することを心がけています。

あらかじめ加えておいたマークに沿って、小さなジェスチャーで作業すれば、細かい線と全体のリズムに集中できるでしょう。私のお気に入りは、頭の周りにエリマキの付いたドラゴンです。これは恐怖をかき立て、威圧的に見えます。他にも、大きく危険な牙を持つヘビの口も考慮します。目は少し下に傾け、邪悪な雰囲気にしてみました。

線がドラゴン全体に与える影響を考えながら、ディテールをさらに加えましょう。私は、エリマキのエッジに破れを入れ、戦いで傷ついたことを表しました。目の周辺には大きい尖ったうろこを追加、その邪悪な性質を目立たせています。スケッチは何度描き直してもかまいません。実際に作ってテストしてください。効果的なルックが分かるまで、試行錯誤を重ねましょう。