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説得力あるモンスター&クリーチャーの描き方:下水道のモンスター

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ロシアのコンセプトアーティスト&イラストレーター Andrei Pervukhin氏が「下水道のモンスター(Sewer Monster)」のメイキングを紹介します(Photoshop 使用)


Andrei Pervukhin
コンセプトアーティスト&イラストレーター | ロシア

はじめに

チュートリアルをはじめるにあたって、この下水道のモンスターの作成に使用するすべてのブラシを見ていきましょう。ブラシ2 は私のお気に入りで、最も使っているブラシです(図01)。

図01

アイデアを固めていく

まずは全体としての構図、モンスターの「ルック」「どんな環境に生息しているか?」などを考えます。アイデアが固まってきたら、黒と白で作品を作り始めます。こうすることで、最終イメージのルックが簡単に把握できます。そして、モンスターの配置や光源の位置など全体的な構図を考える良い機会になります。ブラシ1 だけで、最初のイメージを作成します(図02)。

図02

引き続き、全体の構図を考えながら、さまざまなルックを試し、ディテールを追加する位置を見つけます。この段階では主にモンスターのシルエットを決め、最終的なデザインをさらに考えていきます。このイメージでは、ブラシ3 と 6 を除くすべてのブラシを使用しています(図03)。

図03

アイデアを発展させていく

このチュートリアルの主なポイントは、環境に合わせたモンスターをデザインすることです。引き続き、モンスターデザインについて考えながら、従来からの紙と鉛筆でアイデアを発展させていきます。ほとんどのディテールは、この段階で決めます。これは作品を発展させていく手助けになります。また、紙に描く鉛筆の質感も役立つことでしょう(図04)。

図04

鉛筆のスケッチをスキャンして、前に作成したデジタルペインティングのシルエットに重ねて配置します。このレイヤーの描画モード設定を[通常]から[乗算]に変更します。その下に[通常]設定の新規レイヤーを作成し、鉛筆のスケッチからはみ出さないよう慎重に塗りつぶしていきます。これで、はっきりとした境界のマスクをモンスターの周りに作成できます。それから、[レベル補正]でコントラストを調整します(図05)。

図05

次の段階では、適切な配色を選択していきます。さまざまな色で 3つのバージョンを作ります。図の一番右の配色が好みです。これらのイメージは、上にレイヤーをいくつか加えて作成しています。1つめのレイヤーは配色、2つめのレイヤーはソフトライトに使用しています(図06)。

図06

モンスターの色、構図、環境を決定したら、新規レイヤーを作成して、ソフトライトを加えます。それから、ブラシ3でモンスターに質感を設定します(図07)。

図07

1番上に新規レイヤーを作成し、さらにディテールをモンスターに追加していきます。モンスターのディテールを最初に取り掛かる理由は、モンスターに最も注目を集めたいからです(図08)。

図08

モンスターの進展にようやく満足できたので、今度は環境に目を向けていきましょう(図09)。

図09

環境で作業を続けながら、雰囲気、印象をデザインしていきます。別レイヤー上で、蒸発やライトをペイントします。そうすれば、後のプロセスで、自由に削除したり変更したりできるからです(図10)。

図10

環境のペイントが上手くできたら、テクスチャを使用してディテールを追加します。テクスチャは以下のサイトで見つけましょう(https://freetextures.3dtotal.com/)。テクスチャはイメージに追加する前に、少し白くします。レイヤーの描画モードを[ソフトライト]に設定、不要な部分を変形、削除します(図11)。

図11

仕上げ

仕上げるため、もう少しペイントする必要があります。本チュートリアルのはじめに紹介したすべてのブラシを使用して、イメージを完成させていきます。光の中に見られる蒸発やほこりの追加から開始しましょう。この作業では、ブラシ6 を使用します。これにより、最終イメージに、さらに空気感が加わります。イメージに満足したら、上からすべてのレイヤーを結合します。そして、そのレイヤーに[シャープ]>[スマートシャープ]フィルタを適用します。これで、完成イメージをより精密にみせることができます。

最後に、新規レイヤーを作成し、グレーに塗りつぶします(カラーピッカーでパラメータBを50%に設定します)。 量を400%に設定した[ノイズを加える]フィルタ、[表現方法]>[拡散]フィルタを追加し、描画モードを[ソフトライト]に切り替えて不透明度を15%に設定します(図12)。

図12

最終イメージ

※このチュートリアルは、書籍『Digital Painting Techniques 3 日本語版』に収録されています (※書籍化のため一部変更あり)。


編集部からのおすすめ:モンスターやクリーチャーを描く/デザインする秘訣を学ぶには、書籍『世界のモンスター・幻獣を描く』をおすすめします。

 


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