凄腕キャラクターアーティストによる美女キャラ制作:『Dawnbringer – 黎明をもたらす者』のメイキング
イラン出身の 凄腕 3Dキャラクターアーティスト&デジタルスカルプター Vahid Ahmadi氏 が『Dawnbringer - 黎明をもたらす者』のメイキングを紹介します(ZBrush、Photoshop 使用)

私はフリーランス デジタルスカルプター/3Dキャラクターモデラーです。PS向けのゲームを開発している Bluepoint Games 社ほか、さまざまなゲームスタジオのキャラクターを制作しています。この作品は Chengwei Pan 氏 のコンセプトからインスピレーションを受けました。
ステップ01:事前に考える
最初に行うのは、作業を扱いやすいように分解することです。コンセプトを Photoshop や ZBrush に読み込み、起こりうる課題や問題について事前に考えてみましょう。ZBrush のマネキンでポーズを作れば、モデルの方向性を見極めることができます。
ステップ02:ZBrush ワークフロー
いつもどおり、ZBrush だけで基本形状をすべて大まかに作成しました。[Topology]ブラシ、[ZModeler]ツール、ZSphere のトポロジーで、アーマーを造形。[DE HairTube]ブラシ でヘアを作成しました。この女性のヘアチューブは[ZAppLink]でポリペイントされています。
ステップ03:ZBrush のツールを使用する
アーマーの有機的な部分には[ZRemesher]を何度か適用、[ライトボックス]にある[Slash2]と[DamStandard]ブラシで深い線を引いています。肘のウロコのような部分には[Topology]ブラシを使い、顔とボディはヘアチューブと同じく[ZAappLink]と Photoshop でペイントしました。また、いくつかのウロコでは、ZBrush の透明度をオンにして光を透過させます。これは、ガラスのようなマテリアルのレンダリングにも適しています
ステップ04:ZBrush BPR でレンダリング
レンダリングでは、肌に[Skin Shade4]を使い、[BPR影設定]の[ブラー]:10、[角度]:20に設定しました。次にBPRレンダーパスをいくつか作り、Photoshop で組み合わせるためにさまざまな向きのライトを配置して、影とハイライトを作成しました。彩度や色味を過度に加えたくないので、[マテリアル]>[環境設定]>[繊細な影とAO]を常時オフにしています。
ステップ05:Photoshop
Photoshop では細かく調整するため、個別レイヤーをひとつにまとめています。すべてのリムライト、HDRIパス、スペキュラ、影、バウンスライトを追加し、[レベル補正]と[トーンカーブ]で各パスの明度を調整します。そして[ソフトライト][オーバーレイ][覆い焼き(リニア)-加算]モードなどで、すべてのパスを組み合わせました。
また、ヘアラインに深みを与えるため、Photoshop の[油彩]フィルターを適用しています。最後に背景をペイントして、いくつかのパーティクルとシンプルな雲を作成し、キャラクターと組み合わせ、空気感を演出しました
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▼ Vahid Ahmadi氏 のインタビュー
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編集部からのヒント
ZBrush の基本について知りたい方には、チュートリアル「ZBrush の基本を知る」シリーズをおすすめします。