フォトリアルなCG「女性のポートレート」のメイキング
ドイツの3Dアーティスト Daniel Bloecher氏が、フォトリアルで美しい 3Dポートレートを作成する方法を紹介します(ZBrush、3ds Max、MARI、Marvelous Designer、Substance Painter、V-Ray等使用)
このキャラクターは、数か月前に人体解剖学(アナトミー)の勉強として始めたものです。私はテクスチャや髪の毛といったディテールのあるポートレートを作る前に、全身の制作を進めました。その制作中にメモした内容を大まかなステップにまとめたので、見ていきましょう。
ステップ1:リファレンスとリソース
初期段階で特定の人物を描く予定はなく、似せるというプレッシャーはありませんでした。しかし、修正を重ね過ぎて、方向を見失わないように気をつけました。写真はさまざまなレンズ(歪み)で撮影されており、調整されている(目を大きく、プロポーションを..)可能性があることを念頭に置きましょう。他のアーティストのデジタル作品を見て、問題点とそれに対する解決策を見つけてください。キャラクターを生き生きとさせる要素を探るなら、性格や社会的な背景などを考えると良いでしょう。スキャンデータ、人体解剖学の書籍、関連ウェブサイトのチェックをお勧めします。お気に入りのツールは、リファレンス画像の全体を管理・維持するのに便利な( Pureref です。画像の不透明度を変更すれば、ZBrush でオーバーレイとしても使用できます。
リファレンス
ステップ2:ベースのモデリング
まず、「人体解剖学を研究」「リファレンスを見る」「ノートをとる」といった学習プロセスになります(※このトピックをカバーしたチュートリアルはたくさんあるので、ここでは触れません)。初期の全身スカルプトを用意したら、3ds Max に読み込み、投影メッシュ(※ポリゴン数を間引いた高解像度モデル)として下に配置、[グラファイト モデリング ツール]でクリーンメッシュを構築します。次に、トポロジをさらに磨き上げていきます(※たとえば、最終レンダリングですべてのディテールがよく見えるように、目の部分にもっとループを作る)。今回は、サブディビジョンレベル:2でレンダリングしています。
クリーンメッシュ
ステップ3:ディテールのモデリング
頭部のディテールを作るために、まず、モデルを複製、サブディビジョンレベル:1で体の他の部分を削除します。これで1500万ポイントまでサブディバイドしてディテールを作成できます。次に領域(口・額・首など)やタイプ(肌のベース・ノイズ)によってレイヤを分けます。毛穴/しわを手作業で加えるのは良い練習になりますが、事前に観察と理解が必要です(※ここでは Rick Baker 氏、Kris Kosta 氏、 Adam Skutt 氏による無料のアルファを使用)。
唇は Texturing.xyz のマップを使用(※同サイトには素晴らしいチュートリアルもあります)。全体のディテールには、包括的なスキンアルファを使用しました。プロセスを通じて、メッシュが膨らみ過ぎる場合に備え、低いサブディビジョンでモーフターゲットを保存しておき、関連レイヤの同じサブディビジョンで調整を加えます。複数のレイヤでさまざま表情を試し、3ds Max でモーフターゲットを介して適用します。
ディテール