「フュリオサ」のメイキング(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』より)
独学の3Dアーティスト Fellipe Beckman 氏が、恐るべき「フュリオサ(Furiosa)」の制作ワークフローを共有します(ZBrush、3ds Max、Mudbox、Ornatrix、V-Ray等使用)
このチュートリアルでは、モデリングプロセスと満足いく結果を出すための手法をお見せしましょう。キャラクターを仕上げるまでにさまざまなスタイルを試しました。作成決定の際、手元に 3Dのリファレンスはなく、最も重宝したのは 2D のイラストでした。
ZBrush でのブロッキング
ZBrush で行うブロッキング(大まかなモデリング)はプロセスの重要なパートです。私は、基本的に素早くアイデアを頭の中からスクリーンに移行させます。そうすれば、時間の節約にもなり、後でやり直す必要もありません。また、ZBrush でもローポリモデルで作業を進めるので、いつも最大サブディビジョンは 3、ダイナメッシュ(DynaMesh)、[Clay Buildup]、[Dam_Standard]、[Move]ブラシを使用します。
フュリオサのスカルプト
トポロジとUV
ZBrush でモデルにデシメーション(Decimate)を施し、3ds Max に移行して、トポロジ制作を始めます。トポロジの調整を終えたら UV に取り掛かりましょう。ここでも ZBrush で手早く UV を作成しました。
トポロジ
UV
テクスチャリング
オブジェクトを OBJ 形式で書き出し、Mudbox に送ります。私は 3ds Max との移動を簡単に行える Mudbox を主なテクスチャリングソフトとして使用して、手動でテクスチャをペイントします。
革、金属、衣服のテクスチャ
ワイヤと髪の毛
毛は、頭部や衣服に分け、個別にシェイプを作成しました。このプロセスでは 3ds Max 用プラグインOrnatrix 4 がとても役立ちました(※当時はベータテスト中)。衣服と短い髪の毛のワイヤシミュレーションで良好な結果が得ることができました。
髪の毛を追加(Ornatrix 4 使用)
衣服のワイヤー
ライト
このシーンのライティングはとてもシンプルです。そして、ライティングはイメージの最終的な結果につながる重要な要素です。私は、映画や絵画、他のアーティストの作品のシーンをリサーチして、欲しい色を含む完成イメージの最適な見せ方を試行錯誤しました。このプロジェクトで使用したライトは3つだけです。
最終的なライティング設定
レンダリング
シーンのレンダリングにはV-Ray を使用しました。そして、配置した 3つのライトの 2つが主な光源になります。1つは黄色のメインライト、もう1つは青色のリムライトです。サイズ:3000 px のレンダリングに25分かかりました。今回、複数パスのレンダリングはしませんでした。
レンダリング設定(V-Ray)
完成イメージ