プロの3Dアニメーターによるキャラクターアニメーションの作り方

スプライン

体の動きの多くは、腰から連動しているため、腰から始めて四肢の先端に向けて順に取り掛かると良いでしょう。腰に少し回転を加え([移動 Y])、膝の飛び出しを修正、動きがスムーズになるように、カーブを確認してください。

キャラクターの腰で作業するとき、[移動 Z]で加速効果を作成、[移動 Y]でアップダウンを滑らかにします。[移動 Y]の動きのパターンを腰から胸上部にコピーして、1〜2フレームほどオフセットすれば、人体で自然に起こるようなスムーズな動きの連動を作成できます(図06)。

図06

腰と腕にスローイン/スローアウトを追加して、メリハリのついたカーブを作成できます。ステップ(足の運び)で必要な作業は、フットロールとトゥーロール(足とつま先の回転)の調整です。動きの繊細さは、各タイムフレームに加えるキーの数にかかってきます。

足が宙にあるときの勢いにも注意しつつ、フットロールをセットする前に足のウェイトを捉えて、前に進めましょう。動きのカーブはクリーンにしてください。私の場合は、最も高いキーを操作して、動きを滑らかにするため、足に[モーション軌跡]を作成することが多いです。

トゥーロールも同じように動作します。ただし、歩行の最初と最後の動きにフォーカスしてください。キーの量は、靴や足の肉づきによって変化します(図07)。

図07

図08は、パス作成後の接地ポーズを示しています。加えたい効果によって、この動きに2〜3フレーム取りましょう。1フレームだけにするのは、自然な動きとしては速すぎるので、お勧めできません。時間をかけて、自然な形でゆっくり、または、速く歩かせると、動きがさらにリアルになります。

図08

最後に、頭部のアクセント、目の動き、指の重なりなどのディテールを作成します。これにより、キャラクターの動きに個性が加わり、演出したい印象に合ったものとなるでしょう(完成ムービー)。

完成ムービー

■編集部からのヒント

アニメーション用語が難しい、あるいは、より詳しいキャラクターアニメーションを学習したいなら、書籍『CGキャラクターアニメーションの極意』をおすすめします。 また、フォトリアルなキャラクターを制作したいなら『Maya キャラクタークリエーション』をおすすめします。

※このチュートリアルは、eBook『How to animate characters』(※英語ダウンロードPDF)から抜粋、翻訳したものです。


翻訳:STUDIO LIZZ (Nao)
編集:3dtotal.jp