【インタビュー】原動力は 映画制作への憧れ:3Dキャラクターアーティスト Dongyoung Hwang 氏

韓国出身の 3Dキャラクターアーティスト Dongyoung Hwang 氏 が、その制作活動やインスピレーションなどについて語ります


Dongyoung Hwang
3Dキャラクターアーティスト|韓国


Dongyoung Hwang (ファン・ドンヨン) 氏は、自分のワークフローにスキルと知識を加えるために工業デザインを学びました。将来的には、映画を自主制作することを目標としています。

Q. 自己紹介をお願いします

こんにちは、名前は Dongyoung Hwang (ファン・ドンヨン)、韓国出身の3Dキャラクターアーティストです。ドイツでインダストリアル デザイン(工業デザイン)を学びながら、空いた時間に3Dツールを習得しました。インダストリアル デザインを専攻した理由は、さまざまな理念や技術、そして、3Dだけでは学べないことを身につけるためです。今回、インタビューの機会をいただけたことに感謝し、光栄に思っています。期待に応えるため、これからも多くの良い作品を制作していきたいです。

「ジョジョ・ラビット」(トーマシン・マッケンジー)

Q. 「ジョジョ・ラビット」の制作ワークフローをおしえてください。アイデアはどこから得ましたか?

多くの映画やアニメを見て、俳優やキャラクターを注意深く観察することから始めました。スクリーンの中の俳優ほど、インスピレーションを与えてくれるものはありません。私は「すべての物語はキャラクターから始まる」と考えており、魅力的な俳優やキャラクターを収集して、メモを取るのが習慣になっています。そのため、映画『ジョジョ・ラビット』のファンアートを最初に制作しました。劇中のエルサ・コールというキャラクターの力強さに魅了されたのです。

「ジョジョ・ラビット」(トーマシン・マッケンジー)

★『ジョジョ・ラビット』予告編(2分18秒)

Q. どのようなソフトを使用していますか? ポートフォリオを拡張するために どのようなソフトを学びたいですか?

主に ZBrushMayaSubstance 3D PainterMariXGenPhotoshop、たまに Nuke を使用。ライティングは主に V-Ray、たまに Arnold も使っています。

今後はポートフォリオを充実させるために、もっと作品を作りたいですね。これまでの作品は、映画などの既存キャラクターをベースにしたファンアートでしたが、将来的にはオリジナルストーリーの作品を作りたいと考えています。そうした創作に向けて、リアルタイムレンダリングやゲームエンジンといった技術にも興味があるため、いずれ挑戦したいと思います。特に、V-Ray がリアルタイムレンダリング分野でどう発展していくか、ウェビナーを通じて注目しています。学習に終わりはありません。

Q. ポートフォリオをアップデートする秘訣・ヒントがあれば おしえてください

まだ経験が少ないので、どうすればうまく作品を管理できるのかわかりません。常に作品を収集してバックアップを取るようにしています。作品数が増えたら、ポートフォリオをより効率的に管理するため、個人サイトを開設したいと考えています。

キャラクターモデリング(『シークレット・レベル」シーズン1 エピソード14 - 王者栄耀 ~万物の道~)

★『シークレット・レベル』OFFICIAL本予告(2分42秒)

Q. SNS を使っていますか、芸術的な目標はありますか?

3dtotalArtstationFacebookグループ、ZBrush Central に参加しており、普段はコンセプトアートやキャラクターのハッシュタグをチェックしています。目標は「3D技術を使って 1人で映画を作れるようになること」です。映画制作への憧れが、3Dを学ぶ原動力になっています。

衣装、プロップ(『シークレット・レベル」シーズン1 エピソード14 - 王者栄耀 ~万物の道~)

Q. お気に入りのアーティストは誰ですか? 手描き/デジタルどちらでもかまわないので、理由も一緒におしえてください

業界を問わず好きなアーティストはたくさんいますが、子供の頃からずっと変わらず好きなアーティストは、アニメーション映画の 細田守 監督 です。彼の映画はとても美しく、年月を経ても、その登場人物のことを忘れられません。すべてのキャラクターが魅力的で美しいのです。

ショウ・タッカー(ゲイリー・オールドマン):「鋼の錬金術師」のファンアート

Q. 近年の作品についてお聞かせください

あるアニメ(『鋼の錬金術師』)をベースに 7人のキャラクターを、自分なりに再解釈した作品を制作しました。大学のデザイン学期プロジェクトと個人的な 3D作品を両立させるため、時間をうまく管理することが大きな課題でした。今後も多くの良い作品をお見せできるよう頑張ります! 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

キング・ブラッドレイ(マッツ・ミケルセン):「鋼の錬金術師」のファンアート

エドワード・エルリック(レオナルド・ディカプリオ):「鋼の錬金術師」のファンアート

 


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編集:3dtotal.jp