【インタビュー】プロジェクトのほとんどはファンタジー:3Dキャラクターアーティスト Helena Shin氏

韓国の 3Dキャラクターアーティスト Helena Shin氏 は、ゲームやアニメのキャラクターを制作しており、ファンタジーのジャンルがお気に入りです


Helena Shin
3Dキャラクターアーティスト|韓国


Q.自己紹介をお願いします

こんにちは。Jonghyun Helena Shin です。Helena Shin と呼んでください。韓国で 3Dキャラクターアーティストとして活動し、これまでアニメーションやゲームのプロジェクトでモデラーとして働いてきました。現在、外国で働く機会を探しています。

セーラーネプチューンのファンアート(モデリング:Maya、スカルプト&テクスチャリング:ZBrush、レンダリング:ZBrushBPR)

★ターンテーブル:Sailor Neptune: Zbrush Turn table movie by Helena Shin(49秒)

Q. あなたのアートについておしえてください。スタイル・テーマ・ジャンル、そしてこれまでに手がけたお気に入りのプロジェクトなど

まず始めに、ファンタジーというジャンルがとても好きです。架空の世界に存在する美しい生き物に惹かれるため、個人プロジェクトでも、ファンタジーキャラクターばかり作っています。プロジェクトのほとんどは ファンタジーのジャンルです。

特定のスタイルの作品にこだわることはありません。なぜなら、さまざまなスタイルで仕事をすれば、飽きることなく、本当に楽しめるからです。カートゥーン、リアル、その他のスタイルなど、その時々で変わりますが、ただ楽しんで仕事をしています。そして、スタイルよりもキャラクターの魅力・特徴・感性にこだわっています。

お気に入りのプロジェクトは、アニメーション会社 ROI VISUAL(世界的に有名な韓国のアニメ番組『ロボカーポリー』を制作)で、モデラーとしてメインキャラクターを作ったことです。この仕事では、未発表の新規プロジェクトに取り組み、コンセプトアートのような 3Dキャラクターをどうやって作るかを考え、さまざまなことを研究・検証しました。とても面白い仕事で、楽しみながら取り組むことができました。

リヴァイのファンアート(モデリング:3ds Max、スカルプト:ZBrush、テクスチャリング:Photoshop、レンダリング:Marmoset Toolbag)

Q. 通常のワークフローと、制作に普段使用しているソフト/ハードウェアについておしえてください

長い間、3ds Max ユーザです。最近は、VFX やアニメーションのプロジェクトに興味があるので、Maya の使い方を勉強しました。直感的なアイデアのスケッチでは、いつも ZBrush を使います。会社で仕事をするときは、ZBrush でスカルプトし、PBRレンダリングでさまざまなアートやアイデアを提案しています。テクスチャリングは主に MARIPhotoshop を使い、レンダラーは Arnold を選択しています。

スランドゥイルのアーマー(モデリング:3ds Max、スカルプト:ZBrush、マントのシミュレーション:Marvelous Designer)

Q. どこからインスピレーションを得ていますか

普段、映画から多くのインスピレーションを得ています。映画の中で魅力的なキャラクターを見ると、「このキャラクターを作ってみよう!」と思えるのです。そして、作品が完成するまで、1日中 そのキャラクターのことを考えます。いつも、できるだけ魅力的なものにするために、多くのことを考え、最新の技術を試すようにしています。時には苦痛に感じることもありますが、キャラクターが好きなのでいつも何とか乗り越えられています。何かを好きになることは、我慢して目標を達成するのにとても役立っています。

スランドゥイルのファンアート(モデリング:3ds Max、スカルプト:ZBrush、テクスチャリング:ZBrush/Photoshop/Bodypaint/Crazybump、レンダリング:V-Ray、レンダリング出力:OpenEXR(32bit))

Q. ポートフォリオをアップデートする秘訣・ヒントがあればおしえてください

特別なヒントはありません。最初は誰もが、何かを作ることを恐れて重荷に感じています。しかし「数分だけ作業をしてから、友達と遊びに行こう!」と軽く考えることから始めるとよいでしょう。つまり、恐れずに挑戦してみるのです。

朝起きて最初にチェックするのは、最新のCGニュースや他の人の作品です。特に他の人の作品はモチベーションになりますが、自分と比較しません。なぜなら、自分にしかできないことがあると信じているからです。これは本当に大切な心構えだと思います。

エルロンドのファンアート(モデリング:3ds Max、スカルプト:ZBrush、レンダリング:ZBrushBPR)

Q. お気に入りのアーティストは誰ですか? 手描き/デジタルどちらでもかまわないので、理由も一緒におしえてください

好きなアーティストは Soa Lee です。彼女は現在、アメリカの ノーティードッグでメインの 3Dキャラクターアーティストとして活躍しています。その作品を初めて見たのはずいぶん前で、CGTalks CG Awards でした。それはとても美しく、感動的だったのを覚えています。そのとき、私は彼女のようなキャラクターアーティストになろうと決めました。そう、それは 私にとって人生の転機の1つでした。実はまだお会いしたことがないのですが、いつかお会いしたいと思っています。

カイロ・レンのファンアート(モデリング:Maya、スカルプト:ZBrush、テクスチャリング:Mari/Photoshop、ヘア:ファイバーメッシュ(ZBrush)/ Xgen(Maya)、レンダリング:Arnold(Maya))

Q. 近年の作品、今後の展望についてお聞かせください

今年の終わりから来年にかけて、2つの新しい個人プロジェクトを発表する予定です。1つは映画に関連したリアルなファンアートで、もう1つは、クラシックや R&B のような雰囲気のものになるでしょう。実現するにはかなりの時間と労力を要しますが、自分の限界を超えてでもこれらの作品を完成させ、公開するつもりです。また、もし他の国で働く機会があれば、そこで仕事をしながら素敵なキャラクターを作っていきたいと思います。

カイロ・レンのファンアート


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編集:3dtotal.jp