【インタビュー】制作活動の軌跡:グラフィックアーティスト Zoltan Miklosi氏

ハンガリーの グラフィックアーティスト Zoltan Miklosi氏 が自身のポートフォリオ作品を紹介。ボディビルから CGI までの道のりを語ります


Zoltan Miklosi
グラフィックアーティスト / マルチメディア デザイナー|ハンガリー


Q. 自己紹介をお願いします。またアートの道を目指したきっかけ、初期に影響を受けたものをおしえてください

こんにちは、ハンガリーのブダペスト出身の Zoltan Miklosi です。グラフィックアーティスト/ウェブデザイナー/DTPオペレーターとして活動しています。20代の頃はプロのボディビルダーを目指していたのですが、トレーニング中に大怪我をして、そのキャリアにピリオドを打ちました。当時、グラフィックは趣味に過ぎませんでしたが、怪我が治ってからは、グラフィックデザインに力を入れるようになりました。

子供の頃から絵を描くのが大好きだったので、遺伝子の中にアートの資質があったのかもしれません。ハンガリーには『Alfa』という雑誌があり、その表紙にはいつも傑作が掲載されていました(ファンタジーやSF作品に影響を受けました)。グラフィックアーティストの道にもう1つ大きく影響したのは、『バットマン』『スーパーマン』『ハルク』などの80年代のコミックや、Nemere Istvan『A KUPOLAVAROS TITKA(ドームシティの秘密)』のようなハンガリーのコミックです。これらの影響を受けて、グラフィック アーティストの道を目指しました。

雑誌『Alfa』

コミック『A KUPOLAVAROS TITKA(ドームシティの秘密)』

Q. 初期作品はまだ所持していますか? それらの作品を見て、今どのように感じていますか?

よくぞ聞いてくれました。とても誇りに思っているイメージが2つあります。そのどちらも 3dtotal に掲載されており、2008年頃には『3D Artist』という雑誌にも掲載されました。このような出版物に載るのは大きな名誉であり、想定外の出来事でした。

 

初期作品「Princess Of Madness」

初期作品「Neo-Renaissance Girl」

Q. 最初の頃、どのようなトレーニングや学習をしましたか? 自分の成長を実感できましたか?

3Dグラフィックスを始めたのは1999年頃です。使っていた3Dソフトは Lightwave3D Studio Max(現 3ds Max)、Blender の3つでした。それ以来、3Dグラフィック アプリケーションは大きく進歩しました。当時、ハンガリーでは3Dグラフィックスを学ぶ機会があまりなく、数少ない3Dコースも高価でした。そのため、Photoshop や他の Adobe製品を独学で楽しみながら学ぶしかありませんでした。その後、学位を取得するために3ヶ月のコースに参加、2016年には別のグラフィックの学位も取得しました(2年かかりました)。こうしたことから、私は独学の制作者と言えるでしょう。毎日練習すれば、腕はどんどん上がります。

毎日練習すれば、腕はどんどん上がります

Q. 作業中のアートワークを見せていただけますか。 苦手な部分、改善すべき部分はありますか?

私は基本的に、人間のキャラクターを作るのが好きです。苦手なのは、肌のシェーディングですね。適切なスキンマテリアルを設定するのは大変ですが、この分野で上達を感じています。もう1つ苦手にしているのは、映画『トランスフォーマー』のような細かいハードサーフェスモデルです(私の好みではありません)。個人的にそれらはディテールが多過ぎて、私のスタイルから外れているのですが、この分野でも改善したように思います。

エディタビューのアセット

Q. 常に自分の作品に満足していましたか? それとも「これだ!」と思うターニングポイントがありましたか?

実を言うと、自分の作品と思いたくないようなイメージもありました(隠すか、描いたことを否定したいくらいです)。一般的に、最終イメージに満足することはほとんどありません。心の中ではいつも、「この部分はもっと良くならないか」「色の設定は大丈夫だろうか」などと自問自答しています。たまに「これ以上はない」と言えることもあり、そのようなときは満足感があります。

心の中ではいつも、「この部分はもっと良くならないか」「色の設定は大丈夫だろうか」などと自問自答しています