【インタビュー】制作活動の軌跡:ライティングアーティスト Lee Seong Hong氏

韓国のライティングアーティスト Lee Seong Hong(イ・ソンホン)氏 が、これまでのアーティスト活動の軌跡、ポートフォリオ作品について語ります


Lee Seong Hong
ライティング/レンダーアーティスト|韓国


Q. いつ頃から アートの道をめざしましたか? きっかけ、初期に影響を受けたものについておしえてください

学生時代を除くと、この道に入って約5年が経過しました。学生の頃から映像編集が好きで(最初は単なる趣味でしたが)、より面白いことを探していたときに VFX業界に出会いました。この仕事が面白いのはもちろんですが、「常に新しいものが現れ、勉強し続ける」というこの業界の性質も気に入っています。だから、今もここで人生を楽しんでいるのです。

「Love Letter」

最初の頃、どのようなトレーニングや学習をしましたか? 自分の成長を実感できましたか?

ツールの機能を引き出すために、さまざまなチュートリアルを見ることもありますが、この業界ではツールより大事なものがあります。ツールはあくまでもツールでしかなく、大事なのは自分の「目」「手」です。私はライティング アーティストとしてのトレーニングで「シネマトグラフィ(映画撮影術)」の重要性を学び、それを仕事に応用しています。

コンピュータ内のプロセスよりも、実際のライティング理論とプロセスを重視し、多くの撮影監督(DP)を研究しました。コンピュータの描画と人間の目で直接見るものは異なるので、外で写真を撮ったり、物理現象を調べたり、さまざまな構図を試したりして、成長していきました。

ツールの発展に伴い、多くのマンパワーを必要としないこの業界の状況を理解し、ツールではなく、自分の目と手(感覚)が何よりも大切だということを常に意識するとよいでしょう。

「Train」

自信作と、その理由をおしえてください

多くの制作をこなしてきました。「急ぎの会社の仕事」「計画通りに一歩ずつ進めていった仕事」もありますが、ほぼすべての作品で新しいチャレンジをしています。

「SnowGirl」は計画と課題をこなし、ある程度満足して終えることのできたプロジェクトです。この作品では Spine を使わずに、同等の動きの 2Dアニメーションを作りたいと思いました。また、ディテールのあるキャラクターを作るのも初めての挑戦で、エフェクトにも最初から最後まで携わりました。こうしたことから、自分で計画し、課題をすべて解決できた「SnowGirl」は、最も誇れるプロジェクトだと言えます。

「SnowGirl」

Q. これから「この仕事」を始めようとしている読者にアドバイスをお願いします

ここまで紹介したことを念頭に置き、勉強していただければと思います。

ツールはあくまでもツールです。新しい技術が登場し、これまでの反復的な作業はどんどん簡単になり、その結果、アーティストにはより高いセンスと慎重さが求められるようになりました。とにかく、ツールに頼りすぎないでください。「ああ、このツールがないとできない」とならないように、業界の流れを意識して、スキルを身につけましょう。

そして、この仕事を目指した理由を常に考えましょう。ほとんどの人は、お金を稼ぐこと以上に「何かを作りたい」と思ってこの業界に入ってきたはずです。どんなに苦労しても、その気持ちを切らさずに、作りたいという願望を大切にしてください。

「In Blue」

Q. 新しいプロジェクトへの意気込みを聞かせてください

私はいつも新しいことに挑戦しています。それは、型破りな新しいスタイルの作品や、新しい人と一緒に進める作品かもしれません。そして、制作を心から楽しみ、自分の作りたいものを作り続けていくつもりです。私の作品を気に入っていただけたら嬉しいです。将来、もっと大きな面白いプロジェクトを作って戻って来ます。

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編集:3dtotal.jp