【インタビュー】彫刻から ZBrush へ：3Dアーティスト Ricardo Manso氏
ポルトガルの アーティスト Ricardo Manso氏 がポートフォリオを紹介、うまくいった作品のワークフローについて語ります（*2016年のインタビュー）
Q. 自己紹介をお願いします
ポルトガル出身で、現在はリスボンに住んでいます。専門はファインアート（彫刻）ですが、修士課程の最終年に 3Dモデリングの授業があり、そこで複数の彫刻をシミュレートして空間で統合することを学びました。その作業で使った ZBrush に惚れ込み、もっと知りたくなったので、Odd School に入学し、Maya、ZBrush、Photoshop を学びました。
そのときから、自分で実験し、学び始めたのです。いろいろな種類の仕事を楽しんでいますが、特にカートゥーン調のキャラクターに、リアルな感覚を取り入れるのが大好きです。
『Martha (風変わりなマーサ)』のクレイレンダー（左）/ ワイヤフレーム（右）
Q. 「マーサ」のインスピレーションはどこから得ましたか? 制作の経緯をおしえてください
「マーサ」は martee社（個人および不動産のプロ向けに物件情報を発信する新興企業）に依頼された女性キャラクターで、同社の公式ブロガーという設定です。彼女の性格、歴史、経歴、人となりを教えてもらい、これらの情報を基に、形として反映させていきました。クライアントとの共同作業によって、納得のいく作品になったと感じています。
Q. この制作のために使ったソフトウェアとプラグインをおしえてください
この制作には、Maya、ZBrush、Photoshop、GMH2 Maya Hair、 Marvellous Designer、Arnold を使いました。
『Martha (風変わりなマーサ)』
Q. 普段、ワークフローでこれらのソフトを使っていますか？ 他に気に入っているソフトやプラグインはありますか？
常に、自分に合ったワークフローを見つけようとしています。すべては、やりたいイメージによりますが、たいていの場合、Maya、ZBrush、Arnold、Photoshop、Shave and a Haircut、GMH2 Maya Hair を使います。また、Marvellous Designer と Substance Painter もよく使いますね。ポージングでリグが必要なときは、プラグイン Rapid Rig を使います。
『Red Twins (赤毛の双子)』
Q. よく使うテクニックはありますか?
特に目新しいものはありません。まだ、3D について多くのことを学ばなければならないと思っています。普段は普通のことをするだけで、派手なことはしません。
Q. 芸術的な目標はありますか?
まず、自分の技術を向上させたいですね。才能のあるチームの一員になって、リードアーティストとして働き、アニメーション映画に携わりたいのですね!
『Jullie (ジュリー)』のクレイレンダー（左）/ ワイヤフレーム（右）
Q. ポートフォリオやスキルセットを広げるために、今後どのようなソフトを学びたいですか?
使っているソフトはまだ勉強中ですが、After Effects や NUKE、Fusion も学びたいですね。パーティクル、ダイナミクス、アニメーションなど、Maya についてももっと知りたいです。自分のキャラクターが動き回るのを見るのは、最高です!
『Jullie (ジュリー)』
Q. お気に入りのアーティストは誰ですか? 手描き/デジタルどちらでもかまわないので、理由も一緒におしえてください
Victor Hugo、Pedro Conti、José Alves da Silva、Tiago Hoisel、Dan Roarty、Andrew Hickinbottom、Alessandro Baldasseroni、Max Kostenko、Michael Kutsche などです。彼らの作品はとても素晴らしく、感動的で、見るたびに勉強になります。
伝統的なアーティストでは、オーギュスト・ロダン、コンスタンティン・ブランクーシ、アルベルト・ジャコメッティ、エドゥアルド・チリーダ、アンリ・モレ、ルイ・チャフェス、マシャード・デ・カストロなどです。
『Fisherman (釣り人)』のクレイレンダー（左）/ ワイヤフレーム（右）
Q. 近年の作品についてお聞かせください
新作イメージに取り組んでいます。それは新しい挑戦でもあり、自分を厳しく追い込むことで、さらなる上達を目指します！
※次回は Ricardo Manso氏 の「制作活動の軌跡」に関する 新しいインタビュー を紹介します。
『Fisherman (釣り人)』
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