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【インタビュー】3Dビデオゲームのアーティストになりたい情熱” と “絵を描く情熱” を組み合わせ.. キャラクターアーティスト Viviane Herzog氏

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カナダ・モントリオールのゲーム開発会社 Behaviour Interactive のキャラクターアーティスト Viviane Herzog氏が、そのインスピレーションや志向について語ります


Viviane Herzog
キャラクターアーティスト|カナダ・モントリオール


Viviane はフランス北東部の美しい街ストラスブールで生まれました。子供の頃は いつもビデオゲームに熱中、長時間プレイしていました(両親は不満でしたが 止めることはできませんでした!)。日常的に絵を描いていた彼女は、ある日、"3Dビデオゲームのアーティストになりたい情熱" と "絵を描く情熱" を組み合わせれば、最高に幸せになれると気づきました。彼女は述べています。「結果的に 私の判断は間違っていませんでした。それは、これまでの人生で最高の選択になりました」と。

Q.ずっと 3Dアーティストになりたかったのですか? また、どうやって 3D業界に入りましたか?

そんなことはありません。大学で 5年ほど化学を勉強しました。科学理論は大好きですが、ラボ(実験室)で働くのは苦手でした。最終的に「ラボで働くのか」あるいは「学校で化学を教えるのか」を悩んだ末、「すべてをやめ、進路を再考する」ことにしました。そして「情熱に生きたい」と決心した私は、3Dスクールのあるフランス南部に引っ越したのです。その後、勉強を終え、モントリオールの小さな素晴らしい会社で 3Dキャラクターアーティストの仕事を得て、フランスを離れました。

このピンナップでレンダリングを練習しました(3ds Max、V-Ray を使用)

Q.最大のインスピレーションは何 / 誰ですか?

幼い頃に描き始めたきっかけは、イラストレーターで 9歳年上の姉 Lise の影響によるものです。多くの美術館を訪れ、古典芸術について多くを学ぶ機会があったことも関係しているでしょう。

また、たくさんのコミックを読んでいました。その頃の最大のインスピレーションは、フランスのアーティスト Jean "Moebius" Girandジャン "メビウス" ジロー)と Olivier Ledroitオリヴィエ・ルドロワ)からで、今でも 彼らの作品に感銘を受けています。また、インターネットからインスピレーションを受けることもあります。3D関連のウェブサイトでも素晴らしいアーティストの作品を目にすることができます。

手塗りのテクスチャ例(ディフューズ(拡散)のみ)

Q.今の仕事とその役割について教えてください

モバイルゲームの制作で キャラクター / リードアーティストとして働いています。すべてのキャラクターデザインと3D化、アートディレクターの助力の下、ゲームの視覚的な一貫性を保つ作業を担当しています。また、他のアーティストの手描きテクスチャ作成をサポートしています。

c Regis Geoffrion / 担当したゲームキャラクター(ディフューズ(拡散)のみ)

Q.ツール / ソフトウェアは何を使用していますか? また、なぜ それを使っていますか?

3Dソフトウェアでは、主に 3ds Max、時に Maya を使用します。3ds Max のモデリングは直感的で手早く作業できます。リグとアニメーションには Maya をお勧めします。

高解像度のスカルプトには ZBrush を使用します。最初は操作に苦労するかもしれませんが、慣れてしまえば、スカルプトを純粋に楽しめるでしょう。私は ZBrush をテクスチャリングにも利用しています。ポリペイント(PolyPaint)は、テクスチャや継ぎ目のファーストパスを行える素晴らしいツールです。

テクスチャリングには Photoshop も使用します。レイヤーシステムとブラシがお気に入りです。時には xNormal でノーマル(法線)マップやキャビティマップをベイクすることもあります。リアルタイムレンダリングには Marmoset Toolbag を使用。簡単に素晴らしい結果を得られるツールです。静止画のレンダリングエンジンとして V-Ray も使用します。

c Regis Geoffrion / その他のキャラクター(ディフューズ(拡散)のみ)

Q.通常の3Dワークフローを教えてください。また、どのようにプロジェクトにアプローチしますか?

キャラクターデザインの場合、私は、クライアントの要求に応じてスケッチを行い、サンプルを作ります。しかし、多くの場合、リファレンスをオンラインで集めて即興で作ります。

ノーマル(法線)マッピングを施すキャラクターの場合、利用目的を正確に把握しているかどうかに左右されますが、通常はベースメッシュを 3ds Max で作成、ZBrush に切り替えてスカルプトします。後で修正の必要ない適切なベースメッシュにするため、トポロジを調整するか、低解像度モデルで手早くリトポロジを行います。それから 3ds Max でノーマルマップを作成、xNormal で AO(アンビエント オクルージョン)/ cavity(キャビティ)マップをベイクします。

最後はキャビティマップに基づいて、Photoshop でテクスチャのペイントを開始します。写真を使ってもいいのですが、手塗りのテクスチャが私の好みです。

低解像度のディフューズ(拡散)のみのキャラクターの場合は、UVスナップショット上にテクスチャをペイントするか、ZBrush でファーストパスを作成し、Photoshop で完成させます。

よく習作を作り、解剖学の知識を向上させています

Q.好きな題材は何ですか? また、プロジェクトを楽しく 興味深いものものは何ですか?

ファンタジーやSFが最も好きですが、現代のフォトリアルなものやスポーツ関連を除いて、どんな題材にも取り組んでいます。私にとって 3Dアートは、自分の望むものを作り、現実から逃避する手段です(外で目にするものを再現したくはありません)。そういうわけで、通常は、様式化したモデルや手塗りのモデルに取り組みます。この種のプロジェクトに心惹かれるのです。

解剖学のための習作

Q.あなたのような仕事を目指す3Dアーティストに、どんなアドバイスを贈りますか? アーティストに必要とされる最も重要な資質は何だと思いますか?

情熱と忍耐が鍵だと思います。実際、それはどんな種類の仕事にも言えるでしょう。自分のやっていることが本当に好きなら、ぜひ 成功させてください。それが 3Dアートなら、夜間に及ぶ作業だとしても気にせず、愛情を自分のモデルに注いでください。期待した見映えにならなくても問題ありません。次は きっと良くなります。とにかく やり続けるのみです。ポートフォリオに十分な量の作品が含まれていることを確認し、オンラインで作品をシェアしましょう。比較されるのを恐れてはいけません。また、さまざまな 3Dフォーラムで催されるコンテストは、うってつけのトレーニングです。締切や制約は、あなたを奮い立たせることでしょう。そして、あなたのスキルアップにつながる素晴らしいアーティストにも出会えることでしょう。

個人制作を止めないでください。プロとして雇用され、他人のプロジェクトで働き始めると、退屈になることもあります。チャンスを得るためには、情熱を持ち続け、個人制作に取り組むことが大切です。

学生時代に GameArtisansフォーラムのミニチャレンジのために制作。テクスチャのペイントを楽しみました

Q.鍛錬はあらゆる人々にとって重要です。上達したいツールやスキルはありますか?

常に「新しいことを学びたい」と思っているので、上達したいもの、スタイル、方法がたくさんあります。だから、私のポートフォリオはバラエティに富んでいます。常に変わった新しいものを試してみたいのです。

最近は、過去に試みた3Dの静止画について研究しています。さらに時間を費やし、低解像度のリアルタイムモデルから少し離れたものを作りたいと思っています。2Dスキルも向上させたいのですが、今のところ、3D制作にこだわっています。そんなわけで、まだまだ時間がかかりそうです。

近年取り組んでいる 2Dモバイルゲームのイメージ

Q.あなたの次の作品はどこで見ることができますか? お勧めのプロジェクトがあれば教えてください

定期的にポートフォリオを更新しています。新作を見つけるのに最適な場所はウェブサイトでしょう。PolycountCGSociety などの 3Dオンラインフォーラムにも投稿しています。取り組んだ 3Dモバイルゲームもいくつかあるので、チェックしてみてください。

Marmoset Toolbag 2 を学ぶために作成したヴィクトリア風の肖像。ほぼリアルタイムで手塗りしたテクスチャです

3dtotal:忙しいスケジュールの中、インタビューのための時間を取ってくれてありがとうございました! 心から感謝します。


▶ オリジナルURL(英語):https://www.3dtotal.com/interview/798
翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp

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