【インタビュー】3Dでダークな世界を：3Dキャラクターアーティスト Michael Robson氏
現在、Blizzard Entertainment に所属する 3Dキャラクターアーティスト Michael Robson氏 が、制作のワークフローやヒントを紹介します
Michael Robson は、フリーランス キャラクターアーティストとして、広告からシネマティックまでさまざまなプロジェクトに携わり、現在は Blizzard Entertainment に所属しています。彼のワークフローとヒントをチェックして、インスピレーションを得ましょう。
Q. 自己紹介をお願いします
ブラジルのクリチバを拠点に活動する 3Dキャラクターアーティストで、主にファンタジー（ダーク系）のキャラクターを制作しています。広告スタジオで 3年間働いたあと、フリーランス キャラクターアーティストとして、広告からシネマティックまでさまざまなプロジェクトに携わり、現在は Blizzard Entertainment に所属しています。
Q. 制作ワークフローを教えてください。アイデアはどこから得ましたか?
ワークフローは何年にもわたってそれほど変わっていません（もちろん、多くを学び、もっと手早く作業する方法はあります）。基本的には、ZBrush で大まかにスカルプトし、3ds Max や Maya に移動してポリゴンモデリングとクリーンメッシュ制作を行います。ヘアは Maya の XGen で作成し、レンダリングは Arnold で行います(3ds Max で V-Ray を使うケースもあります）。インスピレーションはほとんどの場合、好きな映画・ゲーム・書籍（トールキン、『ダークソウル』『ディアブロ』シリーズなど）の影響を受けています。
Blindside Goblin (ゴブリン)（※日本語メイキング記事)
Q. 制作で苦労したことはありますか? 新しい学びはありましたか?
常に、アナトミー（解剖学）、ヘア、異なるシェーダなど、何らかの形で挑戦できる題材を選んでいます。「Blindside Goblin (ゴブリン)」では、これまでのプロジェクトよりもアナトミーのスキルを高めようとしました（少しストレスが溜まりました）。また、肌の露出が多いため、計画とテクスチャリングにも時間がかかりました。一方、「Magni, King of the Ironforge (ドワーフ)」は毛が多いので、顔と毛をいかに見栄えよく仕上げるかが課題でした（それまで、これほど複雑なヘアに取り組んだことはありませんでした）。
ゴブリン（左）、ドワーフ（右）
Q. 仕事や個人プロジェクトで他に使用しているソフトウェアはありますか
仕事でも個人でも、作業に応じてさまざまなソフトを組み合わせて使っています。たとえば、服は Marvelous Designer、ヘアは XGen と Ornatrix、テクスチャは Substance 3D Painter と Mari、レンダーは Arnold と V-Ray、そして もちろん、長年愛用している ZBrush です。
Q. ポートフォリオをアップデートする秘訣・ヒントがあればおしえてください
私は 毎月新作でポートフォリオを更新するような性格ではないため、個人制作に時間をかけています。ときには途中で新しいことを学ぶため、少し立ち止まって特定のテーマを勉強することもあります。しかし、私がお勧めするのは、「品質を重視し、プロジェクトの期限を設定すること」です。「個人プロジェクトなら、時間をかけていい」という人もいますが（特に新しいことを学ぶ場合は、そのとおりです）、完成までにいつも時間をかけていると、仕事で締め切りやスケジュールを守るのが難しくなるかもしれません。
Q. SNS を使っていますか? お気に入りのハッシュタグをチェックしていますか?
Instagram と Facebook をよく使っていて、ZBrush、Creatures、Fantasy Art、Character Art、Creature Design、Anatomy などのハッシュタグをフォローしています。
Magni, King of the Ironforge (ドワーフ)
Q. 芸術的な目標はありますか?
正直なところ、よくわかりません..。自分の好きなゲームや映画のために、最高のクリーチャーを作れたらいいなと思います。そしてもちろん、自分のスキルを日々向上させることですね。
Garuda (ガルーダ)
Q. お気に入りのアーティストは誰ですか? 手描き/デジタルどちらでもかまわないので、理由も一緒におしえてください
最近は、何人かの素晴らしいスカルプターをフォローしています。フォームの表現方法、きれいにスカルプトに落とし込む方法を観察するのが好きです。
名前を挙げると、偉大な友人である Cesar Zambelli と José Pericles。Samuel Poirier、Leon Enriquez、Pascal Clemente、Kris Costa、Gio Nakpil。2Dでは、Dave Rapoza、Kekai Kotaki、Chase Stone、Karla Ortiz、Chris Rahn など。そして、「マジック・ザ・ギャザリング」のアーティストたち、もちろん ベルニーニ や ミケランジェロ といった巨匠たちの作品も追いかけています。
Plague Doctor (ベスト医師)
Q. 今後の作品についてお聞かせください
最近は長期のプロジェクトから離れ、もっと上手くなりたいテーマ「スカルプト」「アナトミー」に集中しています。そのため、それらに関連したコンテンツを投稿していくでしょう。
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