【インタビュー】有名人のリアルな CGポートレートを制作。イランの フリーランス アーティスト Hadi Karimi氏
イランの フリーランス アーティスト Hadi Karimi氏 は、有名人のリアルな CGポートレート(肖像画)を得意としています。それは、ミスの余地のない題材です。Karimi氏の これまで経歴と そのワークフローについて紹介しましょう
Q.自己紹介をお願いします
イランのテヘランを拠点とする CGアーティスト Hadi Karimi です。約10年前に 2Dアーティスト(デジタルペインター)としてキャリアを始めましたが、現在は、フリーランスの 3Dキャラクターアーティスト として、ポートレートのスカルプティング(似顔絵彫刻)を中心に仕事をしています。たまに、動物や架空のクリーチャーもスカルプトします。
"多くの人が慣れ親しんでいる顔を作品にするには、さまざまな意見や批判(※友好的とは限りません)に立ち向かう準備が必要です"
Q.制作ワークフローをおしえてください。どのようにしてアイデアは生まれましたか?
プロジェクトのほとんどは ZBrush で始まります。メッシュのスカルプティング、さまざまなマップのテクスチャリングとペインティング(ポリペイントを使用)、そして、UVマッピング(※UV Masterを使用)も そのワークフロー含まれます。構図、ヘアグルーミング、および レンダリングの一部は Cinema 4D で行い(※一部のプロジェクトでは Maya も使用)、レンダリングには Arnold を採用しています。私は常に、ミュージシャンや歴史上の人物を対象とした ポートレートのスカルプティングに興味があります。
Q.最近の制作ではどのような課題がありましたか? 新しい学びはありましたか?
ポートレートのスカルプティングは 常にやりがいがあります。多くの人が慣れ親しんでいる顔を作品にするには、さまざまな意見や批判(※友好的とは限りません)に立ち向かう準備が必要です。作品に説得力がなければ、人々に拒絶されることでしょう。私は、この課題への挑戦が大好きです。それもまた、ポートレートのスカルプティングを楽しいものにしている要素であり、例外ではありません。
使用ソフトウェア:ZBrush、Cinema 4D、Arnold
Q.仕事や個人プロジェクトで他に使用しているソフトウェアはありますか?
キャラクターアーティストとして、さまざまなソフトウェアの使い方を知る必要があります。私は Maya、3ds Max、Substance Painter などで仕事をしていますが、個人プロジェクトでは大抵、ZBrush と Cinema 4D を使っています。そして、レンダーイメージの色補正、カラーグレーディング、仕上げには Photoshop を使っています。
Q.ポートフォリオをアップデートする秘訣・ヒントがあれば おしえてください?
日々のスケジュールの合間を縫って、個人プロジェクトに専念するように心がけています。なぜなら、自己批評の時間を持つことは、アーティストとしてのスキルアップに最適だからです。個人プロジェクトの目的は、単に、コンテンツを作成してポートフォリオに追加するだけでなく、自分の進歩を計測するためでもあります。もし、今回の作品が 前回のものと同じレベルであるならば、それは 憂慮すべきことです。
使用ソフトウェア:ZBrush、Cinema 4D、Arnold
Q.SNS を使用していますか?
私は ZBrush Facebookグループ のメンバーです。そこは 他のスカルプターと交流するのに適した場所だとわかりました。ZBrush Central、ArtStation、3dtotal のようなオンラインコミュニティでも、素晴らしいインスピレーションとなる作品が見つかるでしょう。最新作や制作途中の作品にフィードバックをもらうにも最適な場所です
Q.芸術的な目標はありますか?
「ハリウッド映画のモデルに携わること」と言いたいのですが、それは 常套句ですね! 私の目標は「他のアーティストのインスピレーションになること」です。今から10年後、20年後、次世代のアーティストがインタビューされるとき「影響を与えた人物」として 私の名を挙げてほしい。だから、より一生懸命、仕事をするつもりです
使用ソフトウェア:ZBrush、Cinema 4D、Arnold
使用ソフトウェア:ZBrush、Cinema 4D、Arnold
Q.大好きなアーティストはいますか? そして、その理由もおしえてください
私の最大のインスピレーションの 1人として、まず、レンブラントを挙げなければいけません。その絵の表情とライティング技術は並外れています。彼は文字どおり、人々の魂を捕らえました。デジタルアーティストの名前も挙げるとしたら、それは長いリストになります。私は Kris Costa の解剖学コースを見て、多くのことを学びました。ディテールに注がれた その努力の成果は良い手本になることでしょう
使用ソフトウェア:ZBrush、Cinema 4D、Arnold
Q.次回作への展望をお聞かせください
歴史的な人物、音楽のレジェンド、哲学者など、もっと、ポートレートのスカルプト(似顔絵彫刻)をしたいですね! また最近は、ビデオゲーム業界にも興味があるので、ゲーム用のリアルタイム3Dキャラクターを作成したいと思っています。それらは私に、多くの新たな課題をもたらしてくれると確信しています。
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