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【インスピレーション】アーティストのアドバイス:自分の欠点を受け入れる

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新しい分野で活動を始めた 米国のデザイナー/シニア アートディレクター David Graham氏 が、自分の欠点を受け入れるための素晴らしいアドバイスを紹介します


David Graham
デザイナー/シニア アートディレクター|米国


はじめに

皆さん、こんにちは。エンターテインメント業界でデザイナーをしている David Graham です。日々の活動では、主に「劇場用スタンディ」「映画ポスター」のキーアートをデザインすることが多いのですが、コンセプトアートや 3Dアートにも情熱を注いでいます。

映画『エイリアン』のキーアート。エイリアンのライフサイクルの生々しさを1枚のイメージで伝えてみました

★映画『エイリアン』のトレーラー:Alien Trailer HD (Original 1979 Ridley Scott Film/ 1分57秒)

私は面白いアイデアを視覚的に表現するのが大好きです。使用ツールは Photoshop、カメラ、MayaZBrush、そしていつ湧いてくるかわからないさまざまなアイデアを書き留めておくためのスケッチブックです。アート制作以外にも、LA の交通機関でオーディオブックを聴いたり、街中を冒険したり、世界を旅したり、アートブックや面白いものを集めたりするのが好きです。そして、それと同じだけ 妻や娘と多くの時間を過ごすようにしています。

リファレンスを検索していたら、解剖学のイラストで「チェストバスター (エイリアンの幼体)」のシルエットと思われる部分が目に留まりました。そこで骨の数箇所に色を付けて、このイメージを完成させました

業界に入ったきっかけ

10年ほど前に友人から電話があり、「仕事が必要か?」と尋ねられたのが、エンターテイメント業界に入るきっかけとなりました。その仕事は主にDVDやブルーレイを販売するためのディスプレイデザインに関係していました。最初から私は「この分野は先細るだろう」と思っていたので(ストリーミングが主流になっていくため)、代替案の策定に時間をかけ、マットペイント・コンセプトアート・3Dデザインなども学んでいきました。こうして、いつか別の仕事に就けることを期待していました。

その後、別の仲間から「キーアート」に取り組むように勧められたので、それまでに学んだことをすべて組み合わせて、本を作り始めました。そして、これは自分にとって大きな情熱を注げる分野であるとわかりました。こうして、私は健全で協力的なつながりを維持しながら、個人制作にも時間を割くようになりました。もし、新しい分野での仕事がうまくいかないと感じたときは、あなたを元気づけ、励ましてくれる前向きな人々に囲まれるとよいでしょう。

映画『ベイビー・ドライバー』のキーアート。映画トレーラーでおもちゃを使って強盗を計画していることに気づいたので、ホットウィール(ミニカー)を使ってカーチェイスを再現し、ドライブウェイで撮影しました

★『ベイビー・ドライバー』のトレーラー:BABY DRIVER - Official International Trailer(2分40秒)

私の最大のファンは妻です。彼女はアートについて詳しくありませんが、私の成功に欠かせない最愛の人です。諦めかけているときは、いつも励まし、背中を押してくれます。また、アーティストコミュニティの励みになるサポートは、少しずつ考え方を変えるのに役立ちました。私はキーアートがフルタイムの仕事になるまで、同時進行で作業を進めるつもりです。

ヒッチコックの名作映画『鳥』を再イメージしたキーアート

★映画『鳥』のクリップ映像:Crows Attack the Students - The Birds (6/11) Movie CLIP(3分20秒)

アーティスト志望者へのアドバイス

とにかく始めましょう! 私はオンラインコミュニティに参加して作品を投稿したり、コンテストに応募したり、ソーシャルメディアを使って共有するようになりました。できるだけ、想像力と創造力を養ってください。何にでも言えることですが、上達には時間がかかるので、いろいろ実験して自分の好きなものを見つけましょう。

ゲーム『サイコブレイク2 (The Evil Within 2)』のキーアート。まず Maya ですべての手を別々のポーズにモデリング。次に 乳白色の物質を描き、それらを組み合わせました。

★『サイコブレイク2』のトレーラー:The Evil Within 2 - PS4 Announce Trailer(2分41秒)

「どの学校に行ったかはあまり重要ではない」と私は考えています。大事なのは、あなたの意欲、経験、そして、ノートに書き留めたものです。これは、教育が不要(または重要ではない)という意味ではありません。学校では、あなたが達成したいことを理解してくれる仲間とのネットワーク/つながり、さまざまな社会的な交流に没頭できるでしょう。それは、自分の心を開く経験であり、かけがえのないものです。

『遊星からの物体X (The Thing)』のキーアート。美しい科学的なイラストを使って、本編のグロテスクな性質をイラストにしたら面白いだろうと思いました

★『遊星からの物体X』のトレーラー:The Thing Official Trailer #1(1分56秒)

チュートリアルを見たり、同じ目標を持つ人々に会ったりするだけでも、多くのことを学べるでしょう。私が最終的に大学の経験から得たのは、「偏見なく、広い心でいること」です。決して「スキルを習得できた」と決めつけないでください。常に あなたの知っていることを次のレベルに引き上げている人はいます(※発明家やイノベーター、次のレベルに取り組む人たち)。

映画『ラ・ラ・ランド』のキーアート。私は LA に住んでいるので、夜空に星を見ることはほとんどありませんが、グリフィス天文台では、眼下に広がる街の灯りが瞬く星のように見えます

★「ラ・ラ・ランド」本予告(1分38秒)

「ツールを手に取ってもすぐには使いこなせない」ということも学びました。つまり、多くの経験や教育は(知覚障害でさえも)、特定のアートやスキルセットを習得するのに必要な 1ストロークと捉えるのです。「レベルが低いのでやめよう」と思わず、自分のレベルを受け入れてください。私たちにはそれぞれ異なるスキルと才能があり、それらを毎日使って磨き上げています。自分の立場を受け入れ、際立つような面白いものを作ってみましょう。たとえば、私は失読症なので 人生の見方が変わっていますが、それでもタスクを達成し続けています(記憶している範囲で)。

映画『MEG ザ・モンスター』のキーアート。メガロドンをヒレの部分で表しました。手を抜いているように見えますが、意図的にそうしています(本当です!)

★映画『MEG ザ・モンスター』本予告(1分5秒)

デザインの課題にアプローチするとき、私は自分のアイデアが一般的ではないことに誇りを持っています。正直言って、そのアイデアの多くは失敗しますが、うまくいったものは、私をユニークなアーティストにしてくれます。

最後になりますが、恐れずに突き進みましょう。そのエネルギーで思考を否定的なものから肯定的なものへと再構成し、欠点のすべてを長所として(他人とは一線を画すものとして)受け入れてください。

TVシリーズ『プリーチャー』のイラスト。主人公が「救世主」として見られていることを伝えつつ、同時にイカしたヒーローであることを表現しました

★脳天直撃!人間爆発!DCコミックス原作、新作海外ドラマ『プリーチャー』の超過激な予告編解禁!(1分43秒)

 


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翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp

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