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【インタビュー】フランスの コンセプトアーティスト&イラストレーター Klaus Pillon氏

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フランスの コンセプトアーティスト&イラストレーター Klaus Pillon氏 が、コンセプトアートにほれ込んだ経緯、ストーリーテリングへの熱意、そして、お気に入りの制作方法について語ります


Klaus Pillon
コンセプトアーティスト&イラストレーター|パリ、フランス


Q.自己紹介をお願いします

Klaus Pillon です。フランスのフリーランス コンセプトアーティスト&イラストレーターで、ビデオゲームや映画制作に携わっています。ブックカバーや RPG書籍の仕事もしています。現在、フランス、パリに住んでいます。

もともとリヨンの ESIA 3D で3Dアニメーション制作を学びました。そして、卒業前に、自分の本当にやりたい事はコンセプトアートとイラストだと気づきました。その後、数年ほど足掛かりをつかむため、できるだけ多くのことを学び、現在はプロとして仕事をしています。しかし、学びに終わりはありません。

Q.アートに興味を持ったきっかけは何ですか? 好きなアーティストは誰ですか?

小さい頃から たくさんのコミック(ベルギー、フランス、アメリカのコミック、日本のマンガ)をよく読んでいました。とにかく夢中でした。もちろん、そのおかげで、休むことなく絵を描いていました。幼少の頃からコミックを真似て 自分自身のコミックを作り、この媒体を通じたストーリーテリングのあらゆる可能性に、とてもワクワクしました。高校を卒業後、アートを通じてストーリーを伝えられる仕事しかできないと思い、3Dの学校に入ったのです。

好きなアーティストはたくさんいるので数人を挙げるのは難しいですね。それぞれのアーティストが人生の特定の時期に関連しています。最初の大きな発見の1つは、父が Frank Frazetta(フランク・フラゼッタ)を教えてくれたことでしょう。今日に至るまで、彼はお気に入りのアーティストの1人です。順不同で何人か名前を挙げるとすれば、TissotCraig MullinsGeromeEytan ZanaAndree WallinJohn Wallin LibertoMaciej KuciaraDorje BellbrookMarco Mateu MestreJaime Jones などですが、他にも独自のインスピレーションを与えてくれるアーティストがたくさんいます。

Q.好きな仕事の種類について教えてください。インスピレーションはどこから得ますか?

最も好きな仕事は、背景のコンセプトアートやイラストです。映画から大きな影響を受けていて、作品のストーリーテリングに取り組みながら、映画的な雰囲気を再現するのが大好きです。

たとえ、純粋なコンセプトの仕事だとしても、私は、ストーリーを伝えるためにできるだけ多くのディテールを盛り込みます。また、得意でないことにもできるだけ取り組むようにして、その過程を楽しみながら、新しいやり方を見つけます。

書籍、映画、ゲーム、アート、自然、テクノロジーなど、多くのことからインスピレーションを得ています。「ある一定の角度で窓から差し込む光」のようにシンプルなものにも刺激を受けます。また、初めての場所を訪れることはとても有益なので、できるだけ 旅に出るようにしています。

Q.あなたの作品にはファンタジーやSFの要素がたくさんありますが、もし、描いた世界に行けるとしたら、どこに行きたいですか?

難しい質問ですね。SFテクノロジー、ドラゴンや恐竜などの架空や絶滅したクリーチャー、そして、壮大な背景が混ざり合っている場所でしょう。私の作品「ドラゴン サイトシーイング」でカップルが訪れているような。巨大で空想的な野生動物に囲まれて、否応なしに自然に圧倒されるような場所を訪れてみたいです..。ちょっと待って、私たちはそういう世界に住んでいますね!

Q.通常のワークフローではどのようなソフトウェアを使用しますか?

あらゆる仕事で、主に Photoshop を使用します。複雑なシーンでパースに困ったときや時間節約のために、昔は 3ds Max を使用していました。

今はノート型のMac しか使ってないので、3ds Max の代わりになるものに慣れなくてはいけません。そこで、覚えやすく強力な機能の CINEMA 4D を試しています。また、Keyshot などの素晴らしいレンダリングソフトも試しています。

ペンと紙だけで描くのも好きです。これは、いくつものアイデアを出すのに最も簡単で効率的な方法です。大抵、自分しか読み取れないので、クライアント向けの仕事にはあまり効率的ではありませんが。

Q.芸術的な目標はありますか?

いつか 個人制作で生計を立てられればと思っています。書籍の出版や映画制作など、やりたいことはたくさんあります!

近い将来では、映画業界で働く機会をもっと得たいと思っています。あの巨大なシステムの一部となり、他の人々の仕事によって 自分のデザインに生命が吹き込まれる様子を見るのは面白く、とても謙虚な気持ちになります。また、複数のメディアにも携わっていたいです。そして、いつか 大好きなコミックに戻ってくるかもしれません。

Q.ポートフォリオの更新はどのようにしていますか?

難しい質問ですね、最近はなかなか大変なので..。私の作品のほとんどは秘密保持契約の下にあり、公開するまでに時間がかかります。時間があれば、できるだけ個人制作をしますが、通常は、他人に見せない練習やスケッチです。たまに完成作品の制作にも取り組みます。

以前 行なっていたお勧めの方法は、独立系の開発者と仕事をすることです。なぜなら、制作した作品を公開すると大概、喜んでくれるからです。両者にとって宣伝になるので、このシステムはもっと普及してよいのではと思っています。

Q.コンセプトアート制作において、最も重要な側面を1つ挙げるとしたら何ですか?

コンセプトアートは大きなプロセスの一部に過ぎないことを念頭に置き、イメージを通して、伝えたいこと・伝える必要のあることを適切に認識して、それを強調することだと思います。

たとえば、3D映像向けに城のデザインを依頼されたとき、城のシーンの「ムード・雰囲気」をデザインすれば、さまざまな結果を得られるでしょう。コンセプトアートは、他の人が後で利用するためのアイデアを描くプロセスです

Q.今後学びたい新しい技術、ソフトウェアやテクニックはありますか?

たくさんあります! 私は次のステップで、3Dワークフローをコンセプトアートプロセスにもっと効率的に取り入れることでしょう。そうすれば、いろいろな創造性の引き出しが増えると思います。

また、映画のライティングと撮影プロセスをもっと学びたいと思っていて、できれば、自分で実際に挑戦したいです。今は多くのテクニックを組み合わせれば、素晴らしい結果を得られるし、どうやったら全体を上手くまとめられるのかに興味があります。

Q.アーティスト志望者に何かアドバイスはありますか

自分の目標を意識して、それに向かって努力してください。目標は時間が経つと変わることもありますが、集中して学ぶべきことを知るには、目標の確認が大切です。非現実的な目標に到達できるよう、現実的な段階を踏んでください。学習曲線は永遠に続くものです。大きな壁にぶつかることもありますが、努力し続ければ、乗り越えられるころでしょう

Q.今後の予定は? 何か素晴らしいプロジェクトの予定は?

いくつかのプロジェクトの予定はありますが、秘密保持契約の関係で発表できないものもあります。向こう数か月は個人的な作品にもっと取り組みたいと思っており、具体化するまでは、現時点で秘密にしておきたい案件もいくつかあります。(※ Klaus Pillon氏の作品は、彼の ウェブサイト でチェックできます)

▼ Klaus Pillon氏 制作のチュートリアル(日本語):息をのむ景色:『ドラゴン サイトシーイング』のメイキング https://3dtotal.jp/tutorials/9911/

 


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翻訳:STUDIO LIZZ (Atsu)
編集:3dtotal.jp

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