スタイライズ キャラクター:人体を描くコツ

ドイツの コンセプトアーティスト Gregor Kari氏 が、シンプルかつ効果的なアプローチで 、人体を描くコツを紹介します


Gregor Kari
コンセプトアーティスト/イラストレーター|ドイツ


はじめに

人体はあらゆる被写体の中で最も難しく、その間違いに すぐに私たちの目は気づきます。このチュートリアルでは、スタイライズ キャラクターを作るために、建設的で分析的なアプローチを使用します。まず、サムネイルでポーズのイメージをつかみ、それをガイドとしてドローイングを組み立てます。骨と筋肉を考慮しながら、エレガントに単純化し、自然な流れを作り出しましょう。

最終結果は、自然なポーズのスタイライズ キャラクターになります

01 サムネイルと胴体

描き始める前に「何を見せたいか」について考えます。私は「呪文を唱えようとする悪魔」「その火種」を描くことにしました。誇らしげで少し生意気な印象のキャラクターにしたいので、ポーズでそれを表現してみます。

バランスの取れたポーズを描くときは、頭部の付け根から床に向けて線を引き、地面に接する点を両脚の間に配置します。次に、胸郭、頭部、骨盤を作り、腹部と首を描いてそれらをつなぎます。図を見ると、骨盤と胸郭が傾くにつれて、腹部が右側に押しつぶされるのがわかります。先細りになった首は、このキャラクターが頭を持ち上げる(誇らしげにする)というアイデアを表しています。/p>

まず、頭部、胸郭、骨盤を描くことから始めます。次に、その隙間の柔らかいつなぎ目を、腹部と首で埋めます

02 腕を描く

胴体を上手く描けたら、腕を詳しく見てみましょう。
① チューブをイメージ、それを手にするので、いくつかの曲がった円柱にします。
② もちろん、腕は柔らかいチューブではないため、その中の骨も描いてみます。
③ カーブしたチューブのアイデアを活かしつつ、骨を意識して描きます。
④ 曲げた腕の内側に微妙な膨らみを加えます。

骨を意識しながら曲げた円柱をイメージすると、ボリュームのある本格的な腕の形になります

03 肩を加える

図の右では、肩の筋肉は鎖骨をきれいに包んでいます(①②)。図の左を見ると、①鎖骨の後ろから始まる部分、②横から始まる部分、③前(胸)から始まる部分の3つで構成されているのがわかります。肩の筋肉は腕の側面に沿って下を向いており(逆さまの涙型)、スタイライズされたキャラクターの場合、腕の約3分の1まで達します。

肩の筋肉は、腕と胸をつなぐもう一つの柔らかい要素です

04 骨盤と脚

まだ 脚の付け根の部分しか示していないので、脚をきちんと組み立てていきましょう。骨盤は傾いているため、重力に抵抗するのに必要な力が左足から押し上げられ、反対側に排出されます。その結果、左脚はまっすぐ緊張し、右脚はリラックスして見えます。

脚のボリュームを表現する絶好の機会なので、ストッキングを描きました

05 乳房を描く

乳房は柔らかく、明確なランドマークがありません。きれいに流れるようなシンメトリ(左右対称)の形を得るためには、いくつかの工夫が必要です。まず外側には、首から上へ流れるようなラインを想像することができます(②)。そして内側は、肩に向かって外側へカールさせます(③)。

乳房の形はさまざまです。これらのガイドラインは、スタイライズの度合いに合った信憑性を得るのに役立つでしょう

06 手を作る

すでに大まかな形はスケッチできたので、次はディテールを見ていきます。まず、ブロック状の手のひらを作り(①)、そこに指を加えます(③)。私にとって、これは楽しい作業です。手のひらと中指の長さは同じくらいにします。指は円柱をベースにしてボリュームを持たせ、時間をかけてディテールを描きます。

手指を扇形のように捉えると(②)、有機的で自然な形になります

07 顔

顔の造形はそれだけで1つの記事になりそうですが、ここではシンプルな解決策を目指しましょう。頭部の大まかな形は、最初にブロックアウトしてあります。私は鼻の造形に時間をかけ、自分のスタイルに合うものが見つかるまで、さまざまなプロポーションを自由に試します。

かわいいキャラクターを作るのに、単純化したアプローチを用います

08 線画のクリーンアップ

すべての作業を終えたので、お気に入りのブラシを使ってキャラクターの輪郭線を描きましょう。私の例にならい、シンプルな細いストロークでデザインしてもよいですし、好きなアーティストを参考にして、特別なものを考えてもよいでしょう。

入念に構成されたキャラクターに輪郭線を入れるプロセスは、やりがいがあります

 

>>> Gregor Kari氏 が日々やっているアナトミーやプロポーションの学習、Instagram は こちら

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編集:3dtotal.jp