キャラクターデザインの秘訣:「クリスマス オーク」 Part1

ドイツの コンセプトアーティスト Gregor Kari氏 が「クリスマス オーク」のデザインに挑戦します。一緒に好みのデザインを考えてみましょう


Gregor Kari
コンセプトアーティスト/イラストレーター|ドイツ


はじめに

本チュートリアルでは、キャラクターの制作プロセスを見ていきます(全3回)。この「Part1」ではオークのコンセプトを考え、「Part2」で そり を加えます。「Part3」では その2つを並べ、色やエフェクトを追加します。いつもどおり、やり方は単純明快なので、あなたのアイデアにも当てはめやすいことでしょう。

最終イメージ

01 ポーズスケッチ

自分のキャラクターを「どう見せたいのか」がすでに頭の中にあり、「何から始めれば良いのか」わかるなら、それは素晴らしいことです。これから描くものをよく知っているかもしれないし、他のことに取り組みながら、すでに何時間も考えていたのかもしれません。

しかし、そのテーマをよく知らなかったり、何から手を付ければ良いのかわからなかったりしても、問題ありません。そのときは「リファレンスになりそうなポーズを選ぶ」だけでよいでしょう。まだ、デザインするキャラクターに見える必要はありません。私がこのポーズで気に入ったのは、キャラクターが少し傾いているところです。右に、オークのプロポーションをラフに描いて、人間とどれくらい違うかチェックしています。

面白いと思うポーズから始め、目指しているプロポーションをスケッチします

02 ボディの形を構築する

ポーズのプロポーションを変形させながら、オークのプロポーションにしていきます。ここでは、主要なマッス(腰、胸、頭部)をどのように取り、プロポーションを調整したかに注目してください。ご覧のとおり、胸の横向きの傾斜はオークにふさわしくないので、調整しました。腕の筋肉は少し膨らみ過ぎているので、次のステップで修正します。

前のステップで描いたリファレンスに基づいて、ボディを構築します

03 形の微調整と頭部のデザイン

ボディの全体的なデザインに満足したら、描き直して、どこを改善できるか確認します。通常は同じポーズでかまいませんが、挑戦するのが好きなら、別のポーズをとらせてみましょう。

頭部を見ていきます。基本的な形は前のステップで決めたので、ここでは納得のいくものができるまで、顔のパーツを動かします。結果を比較できるように、いくつかのバージョンを隣り合わせに置いておくと便利です。最初は、長い顎がカッコいいと思ったのですが、口を低くする方がオークらしいことに気づきました。

完璧な顔を見つけるまで、何種類か試し、見比べてください

04 線のクリーンアップ

頭部のデザインに満足したら、作成したボディにプロポーションを合わせます。全体を描けたら、筋肉の形がわずかに見える程度まで、キャラクター全体の線をクリーンアップしましょう。形を明確に定義し、読み取りやすくしますが、目立ち過ぎてはいけません。結果に満足したら、最初のレイヤーを追加していきます。服は一度に描くこともできますが、私はいつもレイヤーで分けています。

すべての要素を慎重に検討した結果、線のクリーンアップはやりがいのある作業になりました

05 鎧のデザイン

クリスマスの要素は、あとで追加する予定です。ここでは、衣装の重要な部分に焦点を当てましょう。私は「クリスマスのオークの鎧」にふさわしい雰囲気を出すため、たくさんの革やバックル、ステッチを加えました。また、冬の厳しい寒さに対応できるように、毛皮も描いています。普段の私は、線でデザインすることが多いので、最後にキャラクター全体を黒で塗りつぶし、形が読めるかシルエットをチェックします。

線を使ってデザインする場合、シルエットのチェックを忘れずに

次回「Part2」では そり を見ていきます。

 

>>> Gregor Kari氏 が日々やっているアナトミーやプロポーションの学習、Instagram は こちら

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編集:3dtotal.jp