オーバーウォッチ好き オタク風キャラクター『Nerf This!』のメイキング
スペインの 3Dアーティスト Alberto Esteban 氏 が 2Dの コンセプトアートを 3D化する工程を紹介します
はじめに
こんにちは、シニア 3Dアーティストの Alberto Esteban です。このメイキングでは、Ekaterina Bek-Nazarova 氏 の素晴らしい作品「Cosplayer」を基にした 3Dキャラクターの制作プロセスを紹介します。リファレンスの収集から始まり、ベースメッシュのブロックキング、ZBrush での衣装、髪、ポリペイントの作成、Marmoset Toolbag でプレゼンテーション用にレンダリングするまでのパイプラインをカバーします。
「Nerf This! (とっておきぃ!)」(D.VA のセリフ)
01 リファレンス収集
スカルプトを始める前に、コンセプトを分析し、目指しているプロポーションやスタイルにマッチしそうな他のアーティスト(2D/3D)のリファレンスを見つけます。普段は Artstation、Pinterest、Google を使って、必要なイメージを集めます(間接的に作品に協力してくれた素晴らしいアーティストたちに感謝します)。今回は、Ekaterina のコンセプト のおかげで、作品の方向性が明確になりました。
リファレンス
02 ブロッキング
通常はベースメッシュから始めますが、このモデルでは明確な締め切りがなかったため、球から始め、そこからキャラクターのフォームをブロックアウトしていきました。この方法は、手早くプロポーションを変えられるので、本当に便利です。
プロポーションに満足したら、頭部とハードサーフェスのパーツ(ヘッドフォンなど)を除くすべてのボディパーツをダイナメッシュにします。次のステップは顔に集中することになるので、私はいつもこうしています。私だけかもしれませんが、納得のいく顔がないと続けられないのです。
ベースメッシュをブロックアウト
03 顔
顔を魅力的にすることは超重要です。ここでは、残りのボディに適用したのと同じワークフローに従い、顔の各パーツを追加してから、すべてをダイナメッシュします。この時点では、Substance 3D Painter でテクスチャを作るか、それともポリペイントするか迷っていました。そのため、ZBrush でリトポロジすることにしました。完璧ではありませんが、ディテールをすべて保持し、キャラクターを滑らかでソフトに見せるには十分です。目の描き方を教えてくれた Rhett Mason 氏 に感謝します。
顔のパーツを加える
04 髪の毛のスカルプト
髪には、いつも苦労します。結果に完全に満足することはないので、多くの時間をかける必要がある部分だと思います。ここでは、別のプロジェクトの例をご覧ください。
髪の毛のディテールは抑える
スタートは簡単ではありません。髪の毛に厚みを保ち、滑らかにしたかったので、できるだけディテールを抑えることにしました。そこで、球から始めてダイナメッシュを実行し、[Move]ブラシと[ClayBuildUp]ブラシで形を整え、ヘアストロークを大まかに作成しました。最後に、Dylan Ekren の IMMヘアブラシ(DE_HairTubes / ※Gumroad で無料ダウンロード可能)で毛束を加え、[DamStandard]ブラシで細かい部分を作成しました。
いくつかのブラシでヘアを整える
05 衣服のスカルプト
ボディメッシュを複製し、必要な衣服のさまざまな部分をマスクして抽出します。抽出後は、できるだけきれいにするため、ポリゴン数の少ないターゲットで常に[ジオメトリ]>[Zリメッシャー]を実行します。シワの一部には[DamStandard]ブラシを使っています([Z強度]を小さくして、[ストローク]>[レイジーマウス]をオン)。
衣服は抽出して作成