CGキャラ制作ワークフロー『大崩壊後の海賊長』のメイキング
ドイツの3Dアーティスト Roumen Filipov氏が、クールなパイレーツキャプテン(海賊長)の制作方法を共有します(3ds Max、Substance Painter、3D-Coat、Marmoset Toolbag等使用)
このチュートリアルでは、私の作品『Post-Apocalyptic Pirate Captain (大崩壊後の海賊長)』のキャラクター制作プロセスについて解説します。高解像度モデル制作のためのスカルプトテクニック、ローポリのトポロジ、マップのベイク、PBR(物理ベースレンダリング)マテリアルのペイント、リアルタイムレンダリングについても触れていきます。
このキャラクターはJohannes Helgeson 氏描いたクールなアートをベースにしています。
オリジナルコンセプト(制作:Johannes Helgeson)
ステップ01:キャラクターのスカルプト
このキャラクターはリアルタイムで動くので、メッシュの整合性はあまり気にせず自由にスカルプトしました。体のスカルプトから始め、キャラクターを着飾らせていきましょう。アクセサリのほとんどは、体のメッシュから抽出しています(3ds Max でモデリングして ZBrush に書き出し、ディテールを作成したものもあります)。お供の猿も同じようにスカルプト、テクスチャリング結果が予測できるよう必要に応じてポリペイントを実行します。
キャラクターのスカルプト
ステップ02:リトポロジ
デシメーションマスターでポリゴンを削減。ZBrush から 3ds Max にすべてのメッシュを書き出したら、[PolyDraw]ツールでローポリのトポロジを作成します。ローポリを維持しつつ、特に顔と関節のメッシュ変形を考慮してください。メッシュをできるだけ高解像度に近い形にしておくことは重要です。ベイク用ソフトウェアでは、全身に1つの距離値しか使えません。
ローポリモデル
ステップ03:テクスチャペイント
私のお気に入りの工程です。ベイクはすべて Substance Painter で行いました。数時間でマテリアルも見栄え良くなりました。特に肌などでは、手動でペイントしたテクスチャをいくつか使いながら、完全なPBR(物理ベースレンダリング)で進める考えだったので、メッシュを 3D-Coat に書き出して、仕上げを施しました。
Substance Painter でベイクしたマップ(上、中)、3D-Coat で PBRマテリアルをペイント(下)
ステップ04:リギング
このプロジェクトの目標は、アニメート可能なゲームキャラクターの作成だったので、顔の造作にはできるだけ完璧なリグを設定(リギング)しました。基本的に CAT のスケルトンを最大限活用して、顔全体にモーフターゲットを適用。その後、[リアクション マネージャ]でコントローラに接続しています。お供の猿についても同様ですが、顔のコントロールは少なめにしました。
3ds Max でリグを設定(リギング)したキャラクター
ステップ05:レンダリング
仕上げとして、コンセプトアートに適したポーズをつけ、すべてのビューでも見栄え良くなるように変更を加えましょう。ここでは、キーライト、リムライト、反射・環境光用の HDRIを使用したシンプルな設定でMarmoset Toolbag にビューティーショットを作成しました。また、リアルタイムで、どこでも表示できるように、インタラクティブ3Dウェブサービス Sketchfab 用にも書き出しています。
Marmoset の設定
最終イメージ(前後左右)
最終イメージ
このクイックチュートリアルを読んでくれてありがとう。紹介した内容が皆さんの役に立てば幸いです。