どこか見覚えのある場所「Chasing Nymphs」のメイキング

シニア3Dアーティスト/マットペインター Michael Johnson氏 が、大気を感じる作品「Chasing Nymphs」で、フォトバッシュやペイントのワークフローを紹介します


Michael Johnson
シニア 3Dアーティスト/マットぺインター|米国


はじめに

この作品で目指したのは、雰囲気のある、シュールで幻想的な環境を作り出すことでした。それは「安心できそうでいて危険が潜んでいる、ちょっと探検したくなるような場所」です。また、どこか見覚えのある風景ですが、山のシルエットを見ると、ここは未知の場所だとすぐにわかります。

 

01 コンセプト

最初のコンセプト段階で、形や構図をブロッキングします。黄金螺旋 で視線を誘導したいと思いました。ご覧のように、前景の山がページの下へ横切って、中景の山々へ視線を移し、光り輝くニンフ(妖精)へ誘います。

※黄金螺旋についてはこちらも合わせてご覧ください
>> ストーリーに基づいて、空想の世界を描く9つのステップ

初期コンセプト

02 空

雲の隙間から光が差し込むような「曇り空」を選びました。必要に応じて、光の筋を作成してもよいでしょう(光線を覗かせ、焦点に視線を誘導できます)。適切な空の画像が見つかったら、次はそれを調整します。

ベースの空

03 空の色補正

[トーンカーブ]調整レイヤーで中間調を下げ、コントラストを強くして、空を少し際立たせます。右上のコーナーが少し暗くなりすぎたので、[ソフトライト]描画モードのレイヤーを追加し、明るくしました。最後に[ソフトライト]レイヤーをもう1つ追加し、左上隅を暗くして、その部分に視線が行かないようにします([ソフトライト]描画モードは重ねる色に応じて、イメージを明るく/暗くすることができます)。

空の色補正

04 後景の山

いよいよ山の要素を取り入れていきます。私は 後ろから前に向かって進めるのが好きなので、後景要素から取り込んでいきます。まず、左の大きな山に[カラーオーバーレイ]を適用し、後景と統合します。[カラーオーバーレイ]は、色をブレンドしたり、霞のようなルックにしたりするときに役立ちます。右側の山も同じ手順で作成しました。

後景となる山々