コントラストを描く:『Sisterhood – 姉妹』のメイキング
09 Xolani のドレスに模様をつける
次は2つめのテーマ、Xolani の「ドレスの模様」を作成していきます。インスピレーションの源として、ケニアの模様をチェックしていたところ、その多くが菱形のモチーフを繰り返しているとわかりました。しかし、既存の模様をそのまま使うのは避けたかったので、自作することにしました。最初に菱形で構成されたパーツを1つ描き、それを何度もコピーして模様にしています。
独自の模様を簡単に作る方法 - 小さなパーツを複製する
10[パペットワープ]で模様を折り目に合わせる
生地の表面に平坦な模様を適用する場合、折り目の複雑さによって難易度が変わります。このトピックだけで新しいチュートリアルになりますが、ここではもっと大事な手順に取り組んでいきましょう。
ドレスに合わせて模様の形を変えるため、通常の大きな折り目には、Photoshop の[編集]>[変形]>[ワープ]を使い、より細かい折り目には[編集]>[パペットワープ]を使います。[パペットワープ]を使うときは、透明な部分のない1つの面にすべての模様を配置しましょう。そうしないと、各パーツに個別に作用し、うまく折り畳めなくなります(図を参照)。
[パペットワープ]ツールを使ったときの、透明な部分がある場合とない場合の比較
11 レイヤーの描画モードを使い分け、模様を調整する
折り目ができたら、あとは自然になじむように色や柄を調整していきます。ここではさまざまな描画モードを試して、ぴったりのものを見つけてください。私は[乗算]に設定しました。これにより、明るい部分が失われたため、暗くなりすぎないように色相と彩度の調整が必要です。
まず[自動選択ツール]で模様をすべて選択、新規レイヤーにコピーします([Ctrl]+[J]キーで、選択した素材の新規レイヤーを素早く作成)。次に描画モードを[通常]に変更し、正しい色相をペイントします。このとき、明度に注意してください。ドレスが影になっている場合、模様も同じような明度の範囲に収まるようにします。
レイヤー描画モードを使い分けて、模様を調整する
12 仕上げ
姉妹のような Aniela と Xolani が完成しました。私はよく「作品が完成したことは、どうすればわかるのか?」と質問されます。理論的には、さらに数時間かけてイラストを洗練させ、ディテールを描き込むこともできますが、本当にそれは必要なことでしょうか?
通常はブラシストロークが見えるようにしておき、もし何かおかしいと感じたら、最善を尽くして修正します。友人に意見を求めたり、グループに投稿したりすれば、他の人から学びを得ることもできるでしょう。このチュートリアルが少しでもお役に立てば幸いです。
完成イメージ
プロのヒント1:肌について
肌のペイントはとても難しいテーマです。しかし、1度掘り下げてみると、その中でたくさんの色やトーンを発見するのが楽しくなるかもしれません(まるでペイントするための瞑想のように感じられます)。
この絵をよく観察すると、Aniela と Xolani の肌の「色相」は似ており、異なるのは「明度」「彩度」だとわかります。それぞれの肌のペイントで統一感のある自然な仕上がりにする場合、色相は数種類使いますが、似たような明度を維持し、彩度を下げましょう。さもないと、色相の変化が目立ち、不自然な肌になってしまいます。
それぞれの肌を統一感のある自然な仕上がりにするため、数種類の色相を試します。次にフォームに沿って、似たような明度を維持し、彩度を下げます。ライティングやマテリアルに応じて、明度をグループ化し、単純化してみるとよいでしょう。
プロのヒント2:肌の色の研究
物体の色はとても複雑で、常に光の当たり方に関係します。同じマテリアルでも、光の状況でその見え方は大きく変わるでしょう。肌のペイントに慣れるため、さまざまな写真や絵画を研究することをお勧めします。できるだけ多くの肌の色とライティングを観察してください。
光の状況によって、同じ肌でも全く違う印象になることがあります
プロのヒント3:明度
色よりも重要なのが「明度」です。これを間違えると、豊かな色を使っても絵は見栄えよくなりません。私のお勧めは、頻繁にグレースケールにすることです。そうすれば、色相や彩度を気にせずに、明度をチェックできます。複雑な部分では明度を近づけ、1つのシンプルな形にします。そのような形のグループが少ないほど、絵はわかりやすくなり、構図も向上するでしょう。
ディテールのある部分は、同じような明度にします。このグループが少ないほどわかりやすい絵になります
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