ロード・オブ・ザ・リング風のゴブリン:『Blindside Goblin』のメイキング
07 Arnold でレンダリングする
レンダリングは、Maya の Arnold 標準マテリアル(AiStandard Surface)を使います。キャラクターの革・布・金属・肌・髪ごとにシェーダを割り当て、それぞれに異なる設定を適用。このプロジェクトは UDIMワークフローで計画したので、各シェーダがそれぞれのマテリアルすべてに影響します(パーツごとにシェーダを作成する必要がありません)。
いつも私は、テクスチャファイルとシェーダの間に調整用のレイヤーを挿入します。そうすれば、テクスチャを微調整するときに Maya で直接行うことができます。ディスプレイスメントについては、ZBrush から 32ビットの設定で[中心値](MidValue):0 でエクスポートします。続けて、Maya でディスプレイスメントを設定するジオメトリを選択し、Arnold の下のアトリビュートタブで、図のように設定します。
AiStandard Surface を適用してレンダリング
08 ライト
ライティングには、Poly Haven の HDRIを使用しました(すべて無料で、とても高品質です)。さらにキャラクターの両側に Arnoldライトを配置して、関心を引いています。
Digital Camera World のウェブサイトには、とても素晴らしいライティングチャート(チートシート:プロのポートレート用のライティングセットアップ)があるので、もし迷ったら参考にしてみてください。
HDRIでライティング
09 ポージング
キャラクターのポージングでは、ZBrush の[トランスポーズマスター]と、マスキングツール、移動ツールを併用しました。このステップは、手足にポーズをつけながらモデルをさらに調整する必要があるため、時間がかかります。良いポーズをとるにはリファレンスが重要なので、求める姿勢に関連するものを見つけておいてください。この作品では、こそこそとモノを盗んだり、油断した相手を刺したりするような、いたずら好きな雰囲気を出しています。
ZBrush でポーズをつける
10 XGen の毛
頭部の毛は「配置とシェイプ ガイド」を使い、ボディのうぶ毛は「グルーム可能なスプライン」を使って作成しました。繊細なうぶ毛は、幅の広いブラシストロークと、多くのヘアモディファイア(ノイズ、コイルなど)を使って簡単に処理できます。毛の話は難解なので、詳しく知りたい方には、Jesus Fernandez の Patreon ページ をおすすめします。YouTube にある XGen の無料の解説ビデオを参考にしてもよいでしょう。
プロのヒント:毛をさまざまなディスクリプションに分けると、扱いやすくなります。
部位ごとに XGen を使い分ける
まとめ
このキャラクターには、多くの時間と労力を要しました。自分のポートフォリオで何か違うものを見せたかったので苦労しましたが、大好きなファンタジーのジャンルは続けていきたいと思います。皆さんにもぜひオススメします。
最後に、私が 3Dアーティストとして受けた最も価値あるアドバイスを紹介します。これは人生のどんなことにも当てはまるでしょう。
• 勉強も仕事も常に一生懸命やり、学びを止めてはいけない
• ときどき休憩を入れ、リラックスして人生を楽しむ
• 気楽に。スキルアップは時間がかかるものです
• 常に個人制作を行う(独学する)
関連記事:
>【チュートリアル】ダークなキャラクター『Plague Doctor -ペスト医師』のメイキング
>【インタビュー】3Dでダークな世界を:3Dキャラクターアーティスト Michael Robson氏
>【インタビュー】制作活動の軌跡:3Dキャラクターアーティスト Michael Robson氏
編集部からのおすすめ: 大作ゲームのメインキャラクターやバーチャルヒューマンをつくってきた現役モデラーが CGキャラクター制作の秘訣を 完成データを付けて公開! 書籍『完成データ付:CGキャラクター制作の秘訣』