ZBrush、Maya 使用、サイバーパンクキャラクターのメイキング

3Dキャラクターアーティスト Rodrigo Avila氏 が、リアルなキャラクター ポートレートの制作プロセスを紹介します


Rodrigo Avila
3Dキャラクター/コンセプトアーティスト|ブラジル


はじめに

このチュートリアルでは、ゲーム『Cyberpunk 2077』にインスパイアされたキャラクターの制作プロセスを紹介します。このプロジェクトの最大の目標は、リアルなキャラクターを作ることでした。そのため、テクスチャやルックデヴに焦点を当て、できるだけリアルにすることに専念しました。ZBrush でのテクスチャリング、ディスプレイスメントマップの書き出し方、スキンシェーダと目のシェーダの設定、XGen を使ったヘアの作成などを順に解説します。

「Cyberpunk 2077」にインスパイアされたキャラクター

01 リファレンスとモデリング

まず、装備・服・さまざまな人間の顔など、サイバーパンクの世界から参考になるものを探します。このプロジェクトでは、キャラクターをできるだけフォトリアルに仕上げることを目標にしました。

制作で最も重要なのは、リファレンスをうまく分類することです。私は リファレンス ボードの作成に役立つフリープログラム PureRef を使っています。今回は、サイバーパンクやシンセウェイヴの世界に没頭することも重要なポイントだったので、制作中は、シンセウェイヴ系の曲を聴きながら作業しました。

サイバーパンクの世界のリファレンスを集めます

02 UV/ポリグループ

UV は ZBrushMaya で作ります。このキャラクターでは、テクスチャの解像度を高くするために、UDIM を使います。頭部UV はZBrush で作成し、UDIM にするため、分割したい部分に分けました。このように事前にポリグループに分けておくと、各領域は UVアイランドになります。手早く簡単に UV を分けたいなら、最初に ZBrush で UV展開することをオススメします。

※UDIMのワークフローに関しては、こちらもおすすめです:ZBrush、Maya、Houdini 等使用、緻密なCGキャラクター「Khlotharius」のメイキング

顔をグループに分けておくと、テクスチャリングで役立ちます

03 テクスチャリングの準備

毛穴には、Texturing XYZ のテクスチャを使います。このサイトには、高解像度の素晴らしいテクスチャがたくさんあるので、気に入っています。ZBrush で毛穴のテクスチャを作成し、鼻や頬に適用しています。しかし、各アルファを使ってテクスチャリングを行う前に、いくつかの手順を踏む必要があります。図を参考に進めてください。

テクスチャリングの準備をします

04 テクスチャリング

準備ができたら、いよいよテクスチャリングに入ります。このキャラクターのテクスチャには、Texture XYZ にある「alphaSkin Faces #01」(※肌のアルファが175枚入ったパック。以前は「175 alphaSkin Faces」という名前でした)を使います。これらのテクスチャを迅速かつ簡単に使用する方法は、図を参照してください(※TexturingXYZ のテクスチャセットには、顔の各部位の位置に対応するアルファテクスチャの PSD が付属しています)。

TexturingXYZ のテクスチャは高解像度のリアルなスキンマップなので、お気に入りです

05 肌のペイント

顔のペイントには、ZBrush、MariSubstance Painter を使います。まず、ZBrush でほぼすべての肌をペイントします。[Standard]ブラシ([Color Spray]ストローク、[Alpha 07])を使います。

[Color Spray]は、エアブラシになるように流量と色を微調整しましょう。これは、肌に近い仕上がりにするためにとても重要な手順です。[カラー]:0.02、[フロー]:0.15 や 0.18 に調整しました。

ZBrush で下地を作ったら、そのテクスチャを Mari にエクスポートします。そして、Mari のブラシで静脈や微細孔などの調整や、彩度とレベルの調整も行います。調整を終えたら、Substance Painter にエクスポートして、タトゥーをペイントします。これは、私が普段から実践している方法です。常にソフトを切り替えながら進めますが、最初に必ず ZBrush で下地を作ります。