キャラクタースカルプトの秘訣:『Steampunk Huntress』のメイキング

インドの キャラクターアーティスト Manoj Kumar Maharana氏 が、キャラクタースカルプトのコツや注意点を紹介します


Manoj Kumar Maharana
キャラクターアーティスト|インド


はじめに

これから、作品『Steampunk Huntress (スチームパンク風 ハントレス)』で、キャラクタースカルプトのコツや注意点を紹介します。私は、スカルプトプロセスを 3つのパート(準備、制作、プレゼンテーション)に分けました。これは、さまざまな情報源から学んだ全体的なアートプロセスです。それ以外にも、役立つヒントやライティングについてお伝えします。

『Steampunk Huntress (スチームパンク風 ハントレス)』

準備:リファレンス収集

コンセプトアートでは、メインモチーフを明確にする必要があります。今回は、DCコミックスのスーパーヒーロー ハントレスをモデリングして、スチームパンク風にします。

まず、いろいろなサイトでたくさんのアートワークを検索します。アイデアが浮かんできたら、靴・体・顔・マスク・髪・ガントレット(籠手)・レギンスなどのグループに分け、リファレンスシートにまとめます。リファレンスシートを最小限にしておくと、途中で混乱しなくて済むでしょう。もし、適切な資料が見つからないなら、Photoshop でラフに描いてもかまいません。

リファレンス コレクションを最小限にまとめる

制作 1:ブロッキング

この時点で、全パーツをブロッキングして、シルエットが整うまでパーツを移動します。私は大抵、大きな塊だけをモデリングします。最初の試みだけで満足せずに、いろいろなことを試してください。この段階は、ある方向に向かって進むためのクイックパスであるべきです。気をつけてほしいのは「主人公らしさ」を失わないようにすることです(ここでは スーパーヒーロー らしさです。私には彼女をファッションモデルにはできません)。また、モデルを明るい色でペイントして、遠くからでも破損を確認できるようにしています。

キャラクターの雰囲気を見極め、ブロッキングする

制作 2:ブロッキングの洗練

これはディテールパスにも見えますが、この段階では「アテンション ポイント (注目してほしい部分)」をより小さなレベルで加えていきます。これらは、見る人の心をつかむ部分になります。ポーズをつけるまで、どのように見えるかわからないため、このプロセスは最後まで続けます。

モデルを洗練させ、注目してほしい部分を追加する

制作 3:光で分解する - ライトブレイク

人間の目は空白を嫌うので、「ライトブレイク」という手順を踏みます。3D制作では、モデリングです。つまり、コルセットのベルト・胸元のネックレス・ベルトの巨大なマークなど、物足りない面に要素を追加すると 光が遮られ、影になり、より面白いルックになります。ただし、アセットを追加しすぎると、アートワークが台無しになってしまうため、ちょうど良いバランスを見つけることが大事です。

フラットな光を影で崩す

制作 4:ディテールの作成

スカルプターはこの段階を好みます。しかし、ベースが正しくなかったり、すぐに現状のモデルに満足したりすると、いくらディテールを加えても、見栄え良くなりません。

ディテールには、ステッチに沿った小さな折り目・革の縫い目・小さいネジ・レース・バックル・生地の模様・毛穴などがあります。私の場合、キャラクターの上半分にのみディテールを加えます。遠くから見てもわからないようなディテールはあまり入れないようにします。

ディテールにこだわる部分

制作 5:ポージング

特にダイナミックなポーズにするときは、必ず ポーズリファレンスを用意してください。私は、最終ポーズを決めるまでに、たいてい 3~4種類のポーズを素早く作ります。これらは大雑把でよく、あまり時間をかけません。ルック&フィールで行い、最も気に入ったものを磨き上げていきます。

しかし、どんなポーズでもよいわけではなく、そのキャラクターを説明するものでなければなりません。今回はスーパーヒーローなので、ファッションモデルや天使のようなポーズにはできません(それだと一貫性がありません)。ポーズをつけるときに重要なのは、キャラクターの身体の流れを決める「アクションライン」です。これはインターネットや書籍などにたくさん情報があります。

最初のポーズに満足してはいけません

アクションラインを考慮します

制作 6:台座の作成

台座(ベース)は、キャラクターと同じくらい重要なものです。以下の台座のスピードスカルプティングの動画を参照してください。

 

★Concept a pedestal for Character Presentation/zbrush - part1(15分24秒)
★Concept a pedestal for Character Presentation/zbrush - part2(17分)

構図のルールを守っています。構図のルールはキャラクターアートだけでなく、写真・マットペイント・デジタルペイントにも役立ちます。ここで肝心なのは「台座によって主役をより引き立たせる」ということです。言い換えれば、台座を目立たせてはいけません。フィギュアの台座を観察すると、さらなる指針を得られるでしょう。

台座は主役のスカルプトをサポートするものです。単独で目立ってはいけません