フォトリアルな CGポートレート『The Legend Lives』のメイキング

11 ライティングの設定

HDRI環境があれば高速に処理できますが、私は(物理的な)環境をシミュレートするため、いくつかのライトを組み合わせました。まず、強度を高めにしたキーライトを1つ設定します。通常、メインライトを45度にすると、シーンがきれいに見えます(レンブラント ライトと呼ばれる)。次に、2つのフィルライトと1つのバック/リムライトを追加して、影の部分にディテールを加えています。

現実世界をシミュレートしたライトの設定 © Emerson ëCello

ライティングに応じてルックも変化します © Emerson ëCello

12 髪の毛、眉毛、まつ毛

2つ方法で毛を作成しています。ここでは、主な髪の毛・眉毛・まつ毛を手動で作成しましょう。まず、グルーミングしたいベースメッシュの面を選択。[XGenディスクリプションを作成]に進み、[スプライン(長い毛、つる草などに使用)]と[配置およびシェイプ ガイド]を選択します。[ガイドを追加または移動]ツールでガイドを作成し、「スカルプトガイドツール」で形を整えます。私はそれぞれ(髪の毛、眉毛、まつ毛)に新しいディスクリプションを作成しています(※2)。

※2:Maya のナレッジに XGen の詳しい内容「XGen のコンセプト」があります

XGen は、髪を作るための強力なツールです。ガイドを手動で配置すれば、最終ルックを実現するのに役立ちます © Emerson ëCello

13 髭と産毛

髭と産毛は、別の方法で自動生成する方が早いでしょう。メッシュ全体を選択し、新しいXGenディスクリプションを作成しますが、今回は[グルーム可能スプライン(短い毛、毛皮、草などに使用)]を選択します。これはよりインタラクティブなものなので、[グルーミングツール]を使って長さ・幅・位置などを変更することができます。

髭と産毛は[グルーミングツール]で編集できる[グルーム可能なスプライン]で作成しました © Emerson ëCello

XGen でリアルな毛を作成します © Emerson ëCello

14 シェーディング ネットワーク

これは、シンプルであればあるほどよいでしょう。[AIStandardSurface]を使えば、それぞれのマップを簡単に接続できます。ZBrush の Displacement は、カラースペースを RAW に設定し、それ以外は sRGB に設定します。スキンシェーダ/カラーは、同じ Diffuseマップで構成されています。Fileノードを複製し、RemapColorノードをアタッチします(1つは SubSurface Color、もう1つは SubSurface Radius)。RemapColor の赤と青の位置/値を大きくして、SubSurface Radius を変更します。

高性能のコンピュータを持ってないなら、シェーディングネットワークはできるだけきれいな状態にしておきます。シンプルにすることを心がけましょう © Emerson ëCello

15 最終ショットのレンダリング

カメラとライティングの準備ができたら、いよいよレンダリングです。ノイズの少ないきれいなイメージにするために、ライトのサンプル数(samples)は最低でも2に設定してください。[Camera(AA)]は 8、[Diffuse][Specular][Transition][SSS]はそれぞれ 4 に設定します。マクロのような近距離撮影の場合は、これらの値を大きくしますが、数値が大きいほどレンダリングに時間がかかると覚えておいてください。

ライトと[Camera(AA)]のサンプルを増やして、きれいなディテールの最終イメージが得られるようにします © Emerson ëCello

 

完成イメージ「The Legend Lives」© Emerson ëCello

 


編集部からのヒント:フォトリアルな CGキャラクターの制作テクニックを学習するには、書籍『3Dアーティストのための人体解剖学』『MAYA キャラクタークリエーション』をおすすめします。

 


編集:3dtotal.jp