フォトリアルな CGポートレート『The Legend Lives』のメイキング
06 シワとディテール
すべての毛穴が整ったら、[DamStandard]ブラシでシワを作ります。さらに[Zadd]モードをオンにした[Standard]ブラシで鼻の上に吹き出物を加えたり、目の下にディテールを加えたりします。
[Zプラグイン]>[マルチマップエクスポーター]でマップとメッシュを生成しましょう。まずディテールまで鮮明に表示されるように、マップサイズを 4k または 8k に設定。続けて[エクスポートオプション]>[ファイル名]ボタンをクリック、[UV tile ID format]>[< UDIM >]にします。頭部は6万ポリゴンの OBJとして再エクスポートします。これが最終的なレンダリング用メッシュになります。
たった3本のブラシで、必要なディテールをすべて作り出しています © Emerson ëCello
HDスカルプティングを施した顔 © Emerson ëCello
07 手作業でマップをペイントする
MARI でプロシージャルカラーの基本レイヤーを作成し、スキントーンを選択します。すべてのコントロールをできるだけ維持するために、毛穴を描くための別レイヤーを作成します。Poreブラシを選び、[Opacity](不透明度)を 0.20〜0.30、[Spacing](間隔)を 0.2 に広げ、[Jitter position]をオン、[Jitter position Max]を 70 程度に設定します(図を参照)。これがペイントプロセス全体の基本設定となります。明暗のスキントーンをそれぞれ選び、バリエーションを描いていきます。最終的に図のようになります。
カラーバリエーションを駆使して、本物の肌のような魅力を演出します © Emerson ëCello
08 スペキュラマップ
整理整頓のために、必要なマップごとに1つのチャンネルを作ります。前と同じブラシ設定で、基本色を黒、スペキュラマップを白でペイントします。光沢のある部分は白を多めに入れましょう。最終的に図のようになります。
Sprayブラシで作成したスペキュラマップ © Emerson ëCello
09 追加のスペキュラ
コートマップは、最も光沢のあるゾーン(額・鼻先・唇・まぶた)を照らします。今回は Maya で細かく制御できるように、別のマップにペイントしていきます。白のプロシージャル カラーレイヤーを作成し、その上の新規レイヤーに黒をペイントします。リファレンスやモデルのスキンタイプに応じて、[SuperSlow]ブラシで光沢部分をペイントするとよいでしょう。
肌の主要部分に光沢を出すために使用するコートマップ © Emerson ëCello
アルベドマップ、スペキュラマップ、コートマップ © Emerson ëCello
10 マップのエクスポート
マップを1つずつエクスポートします。最初にエクスポートするチャンネルを選択して右クリック、ドロップダウンメニューから[Export Flattened]>[Export Current Channel Flattened]を選択します。デフォルト設定で問題ありませんが、カラースペースを必ず sRGB にしてください。
各チャンネルを個別マップとしてエクスポートすれば、より細かくコントロールできるようになります © Emerson ëCello