ZBrush 使用、ゴーストライダーと炎のスカルプト

06 プロダクション:ディテール

コレクターズアイテムの装飾で覚えておくべき基本事項は、ディテールをあまり増やしすぎず、バランスをとることです。そして、それはキャラクターのストーリーと要件に応じたものにしてください。この作品の場合、コート・レザーコットン・金属のテクスチャに傷があります。このような戦いの損傷を入れると、古く使いこまれた感じが出るでしょう。

クライアントの要件とフィードバックも参考にしてください。ディテールの比率で大事なのは、大きすぎても小さすぎてもいけないということです。集めた画像を念頭に置き、一つひとつ選んで加えていきます。必要に応じて簡単に調整できるように、私はいくつかのパーツをアンラップし、レイヤーモードでディテールを追加しました。

さまざまなパーツのディテール

07 馬のポーズとアナトミー

馬自体が 1つのキャラクターなので、やりがいがあります(このプロジェクトを選んだ理由は、馬に挑戦できるからです)。私は、馬のアナトミー(解剖学)を研究すると同時に、私とクライアントが望む結果を得るために、何度も編集と微調整を行いました。

この馬はそんなにリアルスタイルではありませんが、筋肉とプロポーションは正確にしつつ、戦闘によるいくつかの損傷でフォームを誇張しています。また、上にゴーストライダーが跨がり、身体は地獄の炎に包まれているため、コミックスタイルに近づいています。

鞍をのせた馬のアナトミーとポーズ

08 追加のアイデア

このクライアントプロジェクトでは、自由に決断を下し、アイデアをコンセプトに加えることができたので、手に銃のようなものを持たせて、ストーリーと焦点を作成しました。炎に取り組むときは、実際の炎のパターンを調べたり、映画で動いている炎を見たりして、その形になるように工夫しましょう。複数の要素で正しい接続と関節を再現すれば、作品全体にリアリティが生まれます。ただ良いだけで終わらせず、最善を尽くしてください。

焦点と雰囲気

09 プレゼンテーション:レンダリング

よくあるアイデアは、全盛期のキャラクターを提示することです。本作にはそれがあり、ストーリーはゴーストライダーを中心に展開しています。このキャラクターがパワフルで英雄的なところを示すため、私は基本的な3点照明のセットアップでカメラを上向きに配置しました。図を見るとわかるように、キーライトは主光源です。リムライトはキャラクターを背景から分離し、エッジに素敵な輪郭を追加するためのものです。フィルライトは、余分な暗い領域を取り除き、全体を照らしています。

Arnold でレンダリングしたら、Photoshop で煙やフレアの輝きの効果を追加したり、明るさやコントラストの補正を行なったり、背景に色のグラデーションを追加したりしました。このチュートリアルが、皆さんの作業プロセスに役立つことを願っています。

カータースレイド(別名:ゴーストライダー)

▼ Akshay Jain氏 のインタビュー
コレクターズアイテムやゲーム用モデルを制作:3Dキャラクターアーティスト Akshay Jain氏

 


編集部からのおすすめ:ZBrush による制作テクニックを学ぶには、書籍『ステップアップのための ZBrush ガイド』『ZBrush キャラクター&クリーチャー』をおすすめします。

 


編集:3dtotal.jp