ZBrush 使用、ゴーストライダーと炎のスカルプト

インドの 3Dキャラクターアーティスト AkshayJain氏 が、馬に乗り、炎を駆け抜ける「ゴーストライダー」の制作プロセスを紹介します


Akshay Jain
3Dキャラクターアーティスト|インド


はじめに

本記事では、画像を元に ZBrush で 3Dキャラクターを作成するときの重要なポイントを説明します。これから、私がクライアントのために作ったキャラクターについて、リファレンスの収集、分析、プロダクション、プレゼンテーションに分けて解説していきます。それ以外にも(あなたにも役立つかもしれない)便利なヒントをいくつか共有します。では 始めましょう。

01 リファレンスの収集

このプロジェクトでは、事前にクライアントから大まかなコンセプトアートを受け取っていました。しかし、物事をもう一歩進め、「靴・ベルト・鞍・馬・武器など」の各要素にどれだけディテールを入れるべきか把握するため、リファレンスを集めることにしました。主な目的は、西洋のカウボーイと上記の要素に関する画像を集めて、リファレンスボード上で異なるグループに分類し、混乱しないようにすることでした。このパートは非常に重要です。実際、プロダクションを開始するときのビジョンが明確になるので、研究開発にはしっかりと時間を割いてください。

キャラクターのさまざまな部分に関するリファレンス

02 分析

リファレンスを収集して少し休憩をとったら、分析をしましょう。これは、作品に取り組む前に画像コレクションを観察し、モデリングの構造に必要なものとディテールに必要なものにグループ化することです。これにより、作業時間を短縮することができます。また、作品全体を通して 自分のやり方を分析し、どのような手順を踏めば時間の節約につながり、最高のアウトプットが得られるかを考えましょう。

03 プロダクション:ブロッキング

まず、Aポーズでキャラクターをブロッキングし、コンセプトの要素を追加します。プロポーションを継続的にチェックしながら、非常に大まかなフォームで進めましょう。馬には、正面図、側面図、上面図、背面図のアナトミーリファレンスを使いましたが、解剖学に没頭せずにブロッキングしたかったので、パースビューも使っています。

キャラクターの大きな要素を追加できたら、次はコンセプトに合わせてブロッキングしつつ、ボリュームとポーズに取り組みます。ここでは、「本来の目的から外れないこと」「キャラクターの主な感覚を失わないこと」が大事です。今回のケースでは、クライアントの要件を念頭に置きました。

パーツ全体をブロッキング

04 プロダクション:キャラクターの分割

常にキャラクターや作品全体を、2~3個の小さなユニットに分割しましょう。1つ目はゴーストライダー、2つ目は馬、3つ目は鞍と炎、4つ目は岩盤とその他の小さな要素です。これは、時間管理や作業中の興味を維持するのに役立ちます(私にとっては有効なやり方です)。また、プレッシャーから解放され、自分で進歩を確認することができます。

05 プロダクション:洗練

大きなフォームをブロッキングし、ポーズをつけて主要な要素を追加したら、次は、小さな要素に取り組みます。具体的には、キャラクターに注意を向けたり、布の折り目でキャラクターの方向を大まかに示したりします。本作は全体が躍動しているので、その感触を大事にしながら洗練させていきました。この時点で徐々に炎も追加しています。

シーンには2体の有機的なキャラクターがいるので、キャラクターと愛馬の絆を示す必要がありました。そして、彼らはこのストーリーの時間軸を共有しています。ここでの主な目的は、カータースレイドが放つ雰囲気を実現することでした(コミックタッチのカウボーイウエスタン)

ブロッキングを洗練します