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コンセプトアート『未来の市場』のメイキング

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英国のコンセプトアーティスト / イラストレーター Ignacio Bazan Lazcano氏 が『未来の市場 (Futuristic Market Place)』のメイキングを紹介します(Photoshop 使用)


Ignacio Bazan Lazcano
コンセプトアーティスト / イラストレーター|英国

はじめに

このチュートリアルの目的は、適切なパースと構図を得るためのちょっとした「秘訣」とテクニックを紹介することです。これらのヒントを実践すれば、魅力的な画像を作成し、すばやくディテールを描き込むことができるようになるでしょう。

このチュートリアルについて考えているとき、最初に浮かんだアイデアは市場や未来のバザールのシーンを作成することでした。そこは商業の中心で、たくさんの店と買い物客であふれています。こうしたアートは、多くのSF作品や『スター・ウォーズ』、『エイリアン』、『アバター』、『ブレード・ランナー』などの映画でよく見られるため、オリジナルのシーンを考えるのはかなり難しいことでした。これまでに誰も作ったことがないような作品を描くことは、時として困難な場合もあるのです。

そのため、私は「アイデア」を求めてスケッチを何枚か作成しました。最初の2枚はどちらも説得力に欠けていたため、破棄することにしました(図01、02)。

図01

図02

もう一度やり直して、4枚の新しいスケッチを作成しました。概念をより分かりやすくするため、サムネイルを作成しました。カラーやディテールは考慮していません。そして、今回は 3番目のスケッチを採用することにしました(図03)。

図03

01 概要

サムネイルを選んだところで、アイデアに磨きをかけ、さらにディテールを追加しました。選んだサムネイルをより大きなサイズで作り直し、より多くのディテールを描き込みました。まず、消失点の位置を上げ、遠景のディテールを加えて、フォームと構造を明確にしていきました。正しいパースと構図を維持することが重要です。このためにまず必要なのは、シーンをどこから見ているかに応じて水平線(地平線)を定めることです。水平線の位置に応じて、見る人に伝えたいことと見せたいものが変わります。上から見たショットの場合、水平線は画像の上の方に配置する方がよいですが、アリの視点を表現したい場合には、水平線を低くする必要があります(図04)。

図04

一方このシーンでは、消失点が複数あり、水平軸が歪んでいることから、活力と動きがより強烈に感じられます(図05)。

図05

この時点で、構図について言っておくべきことがあります。構図とは「描く要素を順序立ててバランスよく配置すること」です。見る人の関心を引き、面白みを伝えるものでなければなりません。面白い構図を作成するには、対称性を破壊し、シェイプとパースを用いてバランスを見出す必要があります。消失点を中央に配置すると、すべてが対称になり、退屈な構図になるでしょう。一方、消失点を時計回りに回転すると、バランスと対称性がずっと面白みのあるものになります(図06)。

図06

02 手順

構図が整ったら、次は光と影です。私がある程度 複雑な画像を作成するときは、グレースケールでディテールの最低60%を描き終えるまでカラーを加えません(図07)。

図07

まずはビルのシルエットをマスクして、ビルのシェイプとカラーを定めました。使用したカラーは、画像の残りの部分と比べるとずっと暗い(または明るい)グレーです(図08)。

図08

シーンのシェイプが明確になったら、テクスチャを加えて、さらにディテールを追加しました(図09)。

図09


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