【インタビュー】数々の美しい女性ポートレート:キャラクターアーティスト David Zavala氏

メキシコのキャラクターアーティスト David Zavala氏 は、ポートレートに情熱を注ぎながら、AR/VRアプリケーションの3Dモデルを制作しています。そのポートフォリオの素晴らしい作品、そして、初心者へのアドバイスをチェックしましょう


David Zavala
キャラクターアーティスト|メキシコ

Q. 自己紹介をお願いします

こんにちは、David です。メキシコのケレタロでキャラクターアーティストをしています(少なくとも、そうなれるように目指しています!)。現在は市内にある小さなスタジオで、主に ARやVRアプリの3Dモデリングをしています。主に、女性らしい顔を作ったり、肌をテクスチャリングしたり、ヘアカード(ポリゴンストリップ)のテクニックでヘアメイクをしたりするのが好きです。

Q. 制作ワークフローをおしえてください。アイデアはどこから得ましたか?

まず、シンプルな頭部のスカルプトの練習から始め、少しずつディテールを追加しました。最後に、肌のテクスチャリング、髪の毛の練習を経て、Marmoset Toolbag でレンダリングを改善することにしました。

このワークフローはシンプルで、少なくとも多くの人が採用しているものです。まず、ZBrush でハイポリからスカルプトし、Maya でリトポロジーをします。次に、Substance Painter でテクスチャリングし(通常、MARI で特定のテクスチャを投影、Photoshop で不規則性を追加)、XGen でヘアテクスチャリング、Marmoset Toolbag でレンダリングします。

髪の毛には独自の手法を採用しています。まず、Maya でヘアカードを作成し、ZBrush にエクスポートします。そして、そのジオメトリからヘアスタイルを形成します(このテクニックは私にとても合っていました)。

おすすめは、プロジェクトからしばらく離れて、数日または数週間後に振り返ってみることです。そうすれば、簡単に間違いを見つけられるでしょう。これは、楽しみながら経験を積める最高のワークフローです

Lady of the lake(Marmoset Toolbag 版)

Lady of the lake

Q. 制作で苦労したことはありますか? 新しい学びはありましたか?

新しいプロジェクトの挑戦では、いつも苦労します! 私にとって一番の葛藤は、顔を魅力的にすることでした。何度も変更を加えるので、初期バージョンとは大きく異なります。今回の制作で新しく学んだのは、髪の毛のワークフローを改善して、芸術的なスタイルの明確さを一歩ずつ進めていくことでした。

Q. 仕事や個人プロジェクトで他に使用しているソフトウェアはありますか?

具体的には、衣装用に Marvelous DesignerBlender3ds Max の一部機能、リトポロジーと UV に 3D-Coat の一部機能や Topogun を使用します。最近だと、理想的に動作する Rizom UV を見つけました。また、30日間にしか試せなかった Zwrap も気に入りました!

(※編集部より:「ZBrush プラグイン ZWrap を使った テクスチャの転送(※英語ムービー)」も合わせてご覧ください)

Q. ポートフォリオをアップデートする秘訣・ヒントがあれば おしえてください

よく、数ヶ月前に終了した個人作品に手を付けています。こうして、既存の間違いを観察し、時間をかけて理解すれば、現在取り組んでいるプロジェクト制作にも役立ちます。作品の準備が整い、学びに満足できたら、ポートフォリオにアップします。そして、次のプロジェクトでも同じことを繰り返します。ポートフォリオをうまくアップデートするには「過去の失敗を繰り返さないこと」が一番です。また、他のアーティストにフィードバックを求めるのもオススメです。

Q. SNS を使っていますか? チェックしているお気に入りのハッシュタグはありますか?

主に Facebookグループを使っています。理由は、作品を広めたり、フィードバックを求めたりするときに、最もサポートしてくれるからです。Discord でもいくつかのグループに参加しています。頻繁に関わっているわけではありませんが、SNS の使用はとても大切なことだと思います。InstagramFacebook をやっていて、最もチェックする重要なハッシュタグは #zbrush #artstation #3dtotal #sculpting です。

★WICCA- Real time Render(12秒)

Q. 芸術的な目標はありますか?

ゲーム会社のフリーランサーとして自宅で仕事をすること、ビデオゲームのヘアメイクエキスパートになること、自分の知識を広めるために Patreon などのクラウドファンディングサイトを活用すること、そして、他のアーティストよりも優れた(少なくとも参考になる)ユニークなキャラクターの顔を作成することです。私は女性の顔を作成するのが大好きです。

Q. お気に入りのアーティストは誰ですか? 手描き/デジタルどちらでもかまわないので、理由も一緒におしえてください

デジタルアーティストの Fernanda Suarez は、私にインスピレーションを与えてくれます。彼女のキャラクターからは感情が伝わり、目はとても深く、惹きつけられます。また、魅力的に見えるように正確に配置された線・色使いなど、本質的に彼女の作品はどれも並外れています。

他にも、名前を挙げたいアーティストはたくさんいます。3Dでは Georgian Avasilcutei の素晴らしいキャラクター制作テクニック、Olya Anufrieva のスタイル、Ian Spriggs のリアリズム、Daniel Bel のスカルプト、そして、Borislav Kechashki のテクスチャなどを、ぜひ チェックしてみてください。

Q. 次回作や今後の展望についてお聞かせください

スカルプトとドローイングの両面でアナトミー(人体解剖学)を改善しながら、作品を作り続けるでしょう。ヘアテクニック、自分のスタイルを維持しながらリアルなキャラクターの制作、Patreon(クラウドファンディング)の立ち上げ、海外での仕事、多くのアーティストとのミーティングなどを進めていきます。そして、「美しいアートをつくる」だけの仕事に就きたいです。それは、夢見る価値があることでしょう。

最後まで読んでくれて、ありがとうございます。

 


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翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp