【インタビュー】大事なのは 進み続けること:3Dエンバイロメントアーティスト Arthur Sarah Goncalves 氏
Arthur Sarah Goncalves 氏が素晴らしい作品と その制作ワークフローを紹介します

Q. 自己紹介をお願いします
こんにちは、Arthur Sarah です。3Dエンバイロメントアーティストとして活動しており、ローポリシーンと手描きのテクスチャを専門としています。現在はカナダのモントリオールに住んでいます。出身地はブラジルのリオデジャネイロで、そこでコンピューターサイエンスを学びました。3Dに出会ってから、ゲーム分野で本当にやりたいことを見つけることができました。
「Spirit House (Beyond Human Challenge)」(コンセプト制作:Grace Liu)
「House of Murky Visions」(コンセプト制作:Grace Liu)
Q. 制作ワークフローをおしえてください。アイデアはどこから得ましたか?
私のワークフローはいつも同じです。
1. コンセプトからカメラをできるだけ正確に再現し、そこからモデリングを開始
2. モデリングがほぼ完成したら、どのエンジンで仕上げるかを決めて、UVを開いて整理
3. 最終的にテクスチャとライティングのテストを開始
4. ポストプロセスで少し修正して完成
「Spirit House」のシーンのアイデアは Artstation のアート コンテストから生まれたもので、コンセプトは素晴らしい Grace Liu によるものです。
「Spirit House (Beyond Human Challenge)」メイキング
「House of Murky Visions」メイキング
Q. 制作で苦労したことはありますか? 新しい学びはありましたか?
「House of Murky Visions」の制作では、いくつかの新しい課題に挑戦しました。フォグを使ったレンダーレイヤー、泡への屈折効果の追加、カメラの動きなどは、すべて初めての試みでした。これらの機能一つひとつから多くのことを学び、3Dでカメラを使ってストーリーを語る方法についても理解が深まりました。
Q. 仕事や個人プロジェクトで他に使用しているソフトウェアはありますか?
普段使っているのは、Maya、3DCoat、Photoshop、V-Ray です。それ以外にも、Unity、Marmoset Toolbag、3ds Max、Substance 3D Painter、ZBrush、xNormal などを必要に応じて使い分けています。そんな中、最近 Blender の機能に魅力を感じており、新たに学んでみたいと考えています。
French Church(コンセプト:Veronika Firsova)


習作(コンセプト制作:Sylar 113)
Q. ポートフォリオをアップデートする秘訣・ヒントがあれば おしえてください
一番大事なのは 進み続けることです。私は努力の大切さを信じているので、勉強に使える自由な時間があればすべて使うようにしています。自由な時間があまりなくても、勉強と制作は絶対に止めないでください。小さなプロップでもいいので、月に1つは作ってみることをお勧めします。私は月に1〜2日かけて、3Dに変換するのが楽しみになるようなコンセプトを探します。常にアドレナリンを保つために、だいたい3つのプロジェクトを同時進行で進めています。
Animal Islands(コンセプト制作:yiru wang)
The Camp of the Hippies(コンセプト:Egor Belavsky)
Q. SNS を使っていますか? お気に入りのハッシュタグをチェックしていますか?
Facebook の「Ten Thousand Hours」というグループに参加しています。そこでは、世界中のアーティストの素晴らしいプロジェクトを見ることができ、みんながどんどん成長していく様子を見るのは本当に刺激になります。Instagram では #Environment と #Artstation のハッシュタグをチェックしています。また、ArtStation 上で コンセプト(concept)と エンバイロメント(Environment)でフィルタリングして作品を探すこともあります。
Enoki Tales(コンセプト制作:Goro Fujita)


習作(コンセプト:Sylar 113)
Q. 近年の作品についてお聞かせください
私の目標は、ZBrush、Unity、そして Blender についてもっと学ぶことです。まずは、これらのソフトを使って学習しやすいシンプルな小さいシーンを作ることから始めます。そうして基礎を固めながら、徐々により大きく複雑な環境制作にも挑戦していく予定です。その過程で、手描きテクスチャのスキルも忘れずに磨き続けていきます。
★DemoReel2021 ArthurSarah(1分54秒)
★Proxima チームと制作した「Lumari」のトレーラー(1分37秒/ ※セットドレッシング、ライティング、コンポジションを担当)
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