【インタビュー】ユニークなアプローチで活動中。英国の 3Dアーティスト Danny Mac氏
英国在住の 3Dアーティスト Danny Mac 氏 は、ZBrush や Blender のチュートリアル や アドバイス映像を YouTube で配信しています。それでは、詳しい話を聞いてみましょう
Q.自己紹介をお願いします
こんにちは! 私は Danny、英国在住の 3Dアーティストです。あるユニークなアプローチで この業界に携わり、生計を立てています。それは「YouTube 動画の作成」と「デジタル製品の販売」です。クライアント向けの仕事も時々していますが、主に、アイデアやテクニックを研究開発して、チャンネル登録者と共有しています。
Q. あなたのアート(スタイル、テーマ、ジャンル、現在取り組んでいるプロジェクト)について おしえてください
私の作品がディズニーアニメの影響を受けていることは、一目瞭然でしょう。 私は、かつて「ディズニーで働く」という思いに取りつかれていました。その「アピール (訴える力)」は他の追随を許さないレベルなので、ディズニーキャラクターの研究に多くの時間を費やしました。リアルなキャラクターよりも、自由の余地のあるスタイライズされたキャラクターに惹かれます。中でも、女性キャラクターのスカルプトに強く惹かれます。
個人制作では「人々が求めるもの」ではなく「自分がやりたいこと」に取り組むとよいでしょう。お気に入りのプロジェクトは『Black Cat Cosplay』です。この作品で Blender をはじめて使ってみましたが、制作を心から楽しむことができました。
Q. 通常のワークフローと、よく使用するソフトウェア/ハードウェアをおしえてください
私のワークフローは、プロジェクトごとに大きく変わる傾向がありますが、通常は ほぼ ZBrush で行います。手早くモデルを作成するために、ZBrush でスカルプト、リトポロジー、テクスチャリング、ポージング、ライティング、レンダリングを行い、Photoshop で合成します。長期間に渡る作品の場合はもう少し複雑になります。
・リファレンス・インスピレーション:PureRef
・コンセプトスカルプト:ZBrush
・リトポロジー:3D-Coat
・リグ:Blender
・テクスチャ:Substance Painter と Photoshop (+ textures from Poliigon)
・ポーズ、ライティング&レンダリング:Blender
・コンポジット(合成):Photoshop
※ガススプリングマウントで UGEE 2150 ペン タブレットを固定して使用
Q. インスピレーションの源は何ですか?
最大の源は、主に他のアーティストです。3dtotal や ArtStation は、常に畏敬の念を起こさせる作品で溢れています。Instagram も、刺激的なアートと写真の素敵な組み合わせを発見できる素晴らしい場所ですね。言うまでもなく、多くのディズニーアニメ作品、そして、ドリームワークス や イルミネーション・エンターテインメント の作品からもインスピレーションを受けています。
Q. 大好きなアーティストは誰ですか? 手描き/デジタルどちらでもかまわないので、理由も合わせて おしえてください
いい質問ですね! 名前を挙げはじめるとキリがありませんが、心に浮かぶの人物を何人か挙げるなら Giselle Ukardi、Glen Keane(グレン・キーン)、Chrissie Zullo、Carlos Ortega Elizalde、Luis Gomez Guzman です。これらのアーティストたち皆、確かなセンスの持ち主で、形状・プロポーション・色を洗練させて「アピール」をつくり出します。それらは皆、何らかの形で私の作品に影響を与えています。
Q. 次回作についてお聞かせください
現在、「スタイライズされたキャラクターデザインの記号論」に関する YouTube 動画シリーズに取り組んでいます。このテーマの研究開発はとても楽しく、その過程で、新たなビデオ編集への情熱を感じられます! もちろん、引き続き、3Dアート制作にも取り組み、新しいバージョンの Blender でできることに熱狂しています。私たちは「次に来るもの」の成り行きを見守らなければいけません!
編集部からのおすすめ:ZBrush による制作テクニックを学ぶには、書籍『ステップアップのための ZBrush ガイド』 や 『ZBrush キャラクター&クリーチャー』をおすすめします。