【インタビュー】Unreal Engine や Houdini を活用。3Dエンバイロメントアーティスト Michelangelo Cellini氏
イタリア出身の3Dエンバイロメントアーティスト Michelangelo Cellini氏 は 2019年3月に Gnomon を卒業、ロサンゼルスを拠点に活動しています。彼は、コースの指導者からの豊富な知識を授かり、詳細なエンバイロメント(環境)を作成するのに役立てています
Q.自己紹介をお願いします
Michelangelo Cellini です。現在ロサンゼルスを拠点に活動しているイタリア出身の3Dアーティストです。子どもの頃から絵を描くことに夢中で、ビデオゲームを始めたときに、コンセプト段階から自分のゲームを作ってみたいと思うようになりました。しかし、開発プロセスは予想以上に難しかったので、3Dアートのスキルを磨くために Gnomon に入学しました。そこで、Unreal Engine や Houdini などの強力なプログラムを教えてもらい、目標に近づくことができました。
Q. ワークフローの中でお気に入りのプロセスはありますか? アセットやエンバイロメント(環境)、キャラクターなどを作るのが好きですか?
ストーリー主導のシーンを作るのが好きです。コンセプトにキャラクターが含まれているなら、わざわざ その環境から省くことはしませんが、必ず入れるわけではありません。私のストーリーの主人公は常に鑑賞者です。見た人が自分の頭の中で自分自身の物語を紡ぐのです。
『Feudal Japan (中世の日本)』
『Roman Mausoleum (ローマの霊廟)』
Q. 最近 Gnomon を卒業したんですね。ご自身の体験から発見はありましたか? 初心者アーティストへのアドバイスと、学びから得た最も重要なことをおしえてください
Gnomon ではたくさんの素晴らしいアーティストに囲まれ、とても刺激的な日々を過ごしました。ほとんどのクラスは、講師がクライアント兼アートディレクターとして実際の制作環境のような構成になっていました。そこで学んだ「締め切りや命名規則を遵守すること」は、プロのキャリアの中で今でも大事なルールであり、私をより価値のあるアーティストにしています。私ができる最も重要なアドバイスは、毎週の宿題であっても、常にプロとして真剣に取り組むことです。あなたが Gnomon のようなスクールの学生であれば、講師が最初の就職先(上司)になることもあります。
『Viking Altar (バイキングの祭壇) - クローズアップ』
『Firekeeper (火の守護者)』
Q. 最近完成したイメージはありますか? 制作で苦労したことや新しい学びについてもおしえてください
Unreal Engine 4 の新しいレイトレーシング機能を紹介するプロジェクトが完成しました。プロジェクトの有機的な外観を保ちながら、新機能を示す要素をすべて盛り込み、各要素に面白いストーリーを持たせるのに苦労しました。シーンを組み立てるときのフレームレートにも気を配っていたので、最適化やゲームパフォーマンスについて とても勉強になりました。
『Desert Mirage (砂漠の蜃気楼)』
Q. 芸術的な目標はありますか?
最も消費されている収益性の高いメディアとして「ゲーム」が台頭している今、リアルタイムアーティストとしてエンターテインメントの未来に大きく関わり、新世代のクリエーターの成長に貢献できると感じています。状況が大きく変化するこの機会を無駄にしたくありません。
Houdini terrain (地形):『Viking Altar (バイキングの祭壇)』より)
Substance Designer のマテリアル:『Roman Mausoleum (ローマの霊廟)』より)
UE4でのリアルタイムレイトレーシング:『Desert Mirage (砂漠の蜃気楼)』より)
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