いつか 映画のエンドクレジットに名前を:3Dアーティスト Adam Pierre 氏

ブラジルの 3Dアーティスト Adam Pierre が、そのアートライフと これからの展望について語ります


Adam Pierre
3Dアーティスト|ブラジル


Q. 自己紹介をお願いします

こんにちは、Adam Pierre です。ブラジルのインダイアツーバ生まれで、子供の頃から漫画やキャラクターを描いたりして、常にアートと関わってきました。油絵と伝統的な彫刻を学び、サンパウロ州のいくつかの地域で展覧会を開きました。

その後、グラフィックデザインの勉強を始め、イラストレーターやデザイナーとして舞台美術会社で働き始めました。そうこうするうちに、3Dに興味を持ち、勉強を始めました。

現在は、3Dジェネラリストとして働いています。私のキャリアは、舞台美術、建築などの専門プロジェクトに携わることから始まりました。最近では、広告の仕事を始め、いくつかのスタジオで素晴らしいプロジェクトに取り組んでいます。

「Mundo Todo Livro (世界の本)」

Q. 制作ワークフローをおしえてください。アイデアはどこから得ましたか?

「オータムハウス」は、リオデジャネイロにある子供向けレジャーエリアの建築とデザインを専門とする会社 Oikotie の依頼で制作しました。リファレンスの検索、ブロッキング、モデリング、ルックデヴ、テクスチャ、シェーダ、ライティング、レンダリング、ポストプロダクションなど、アニメーション制作のスタジオのパイプラインに従っています。

プロジェクトの目的は、ユニークで差別化されたデザインであり、私のデザインはその一部に過ぎません。完成したプロジェクトは、子供向けのアトラクションでいっぱいの巨大なパークになることでしょう。

このアイデアは、主に海外のパークを参考にしています。クライアントの特徴に基づき、私たちはパークのためのストーリーを開発しました。遊び心があり、ユニークで特徴的なデザインの子供向けアトラクションが満載です。

「Autumn House (オータムハウス)」

Q. 制作で苦労したことはありますか? 新しい学びはありましたか?

はい、このイメージには いくつかの課題がありました。「遊び心あふれる不思議な環境のプロジェクト」ということもあり、大きな挑戦になりました。私は非現実的に見えるものに現実味を持たせることに興味があったので、パークの一部に、現実と日常的な環境を感じさせる場所を表しました。

同時に、ファンタジーとイマジネーションの雰囲気も与えています。子供たちが想像力を掻き立て、中で自分だけの世界に入り込める魔法の遊び場を想像してみてください。それは単なる遊び場ではなく、魅惑的でプライベートな場所です。

技術的な課題は、3D と HDRI を融合させて説得力を持たせることでした。この試みはうまくいき、イメージを分析する能力が向上したと思います。自分の求めている感覚を伝えるために、何が最も効果的かを観察しました。

「Autumn House (オータムハウス)」

Q. 仕事や個人プロジェクトで他に使用しているソフトウェアはありますか?

この作品では、Maya を使ったモデリングと UV展開のスキルアップを目標にしました。Substance 3D Painter を使った新しいペイントテクニックも採用し、新しく Corona Renderer の使い方も学べたので、作業はとても面白かったです。スカルプトのディテールは、ZBrush で制作しています。

レンダリングは 3ds Max、合成は After Effects で進めました。作品をより詳しく紹介するために、ターンテーブルもレンダリングし、After Effects で合成しています。

★「Autumn House (オータムハウス)」のターンテーブルアニメーション(1分15秒)

Q. ポートフォリオをアップデートする秘訣・ヒントがあれば おしえてください

ポートフォリオを最新の状態に保つため、通常は、個人制作と業界の仕事を分けています。本当は作品をもっとたくさん発表したいのですが、仕事に時間を費やしているため、いつも制作できるわけではありません。できる限り新しいことを勉強し、何か新しいことを見いだせるような個人プロジェクトに取り組んでいます。新しいツールやさまざまなテクニックを使い、どんな状況にも対応できるスキルを高めていきたいです。

コンテンツ制作でインスピレーションを得るのに役立っているのは、さまざまなテーマの映画やシリーズを鑑賞することです。いつも、こうして何かを生み出そうという気持ちを作り出しています。もちろん、自分が参考にしているアーティストの作品も見ますね。それらはいつも、制作意欲を盛り上げてくれます!

「Pirate Mushroom (海賊キノコ)」

Q. SNS を使っていますか? お気に入りのハッシュタグをチェックしていますか?

はい、もちろんあります。Facebook の3D関連のグループや、Instagram のハッシュタグに参加しています。これらのグループは、学習とインスピレーションを得るのに非常に役立ちます。

日課として午前中に、ArtstationFacebook グループなどのオンライン ポートフォリオ サイトをよく見ています。次のようなハッシュタグ:#80level#cgart#3dtotal#autodeskbrasil などをフォローしています。

「Natalito (ナタリート)」

Q. 芸術的な目標はありますか?

仕事に対して、いくつか目標があります。その1つは「多くの責任を伴う偉大なプロジェクトを率いる」というものです。アニメーションのようなツールをもっと掘り下げていきたいですね。アニメはとても尊敬している仕事なので、この部分にもっと専念するつもりです。また、「海外で働いたり、暮らすこと」にも興味があるので、3D以外にも新しい経験をし、新しいことを学んでいきたいと思っています。

「いつか長編映画に参加する」のが夢です。この分野で活動する多くの人々が同じ夢を見ていると思います。映画館でエンドクレジットに自分の名前があるのを見れば、プロとしての大きな達成感につながるでしょう。

「Wooden Heart (木の心臓)」

Q. お気に入りのアーティストは誰ですか? 手描き/デジタルどちらでもかまわないので、理由も一緒におしえてください

キャラクター デザイナー David Ardinaryas Lojaya。彼の絵画には、モデルのテクスチャをよく反映した独特のスタイルがあります。3Dキャラクターアーティスト、ルックデヴ/グルーミングアーティスト Tyler Bolyard は素晴らしい仕事をしています。Brandon LawlessLuigi LucarelliSergi CaballerRafael Sam は、いずれも優れたキャラクターモデラー/デザイナーです。エンバイロメント アーティスト Rafael Chies の作品は必見です。

そして Pedro Conti。彼は私の最大のインスピレーションの源泉です! 素晴らしい人物であり、すべてにおいて秀でている偉大な男です!

「Cidade do Rock para o Rock in Rio 2019 (ロックの街:ロック・イン・リオ 2019)」

Q. 近年の作品についてお聞かせください

新しい仕事、新しい挑戦、そしてポートフォリオに載せるさまざまなプロジェクトに期待してください。学んだことをさらに発展させ、課題に満ちた新しいプロジェクトにも挑戦していくつもりです!

★Supercell "Clash Mini"(46秒/ ※ボード、山、プロップのモデリング。クリスタルのモデリングとルックデヴを担当)

▼関連チュートリアル:子供向けテーマパークのために:「オータムハウス」のメイキング

 


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編集:3dtotal.jp