【インタビュー】独学のアーティストとして 業界トップレベルを目指す。3Dアーティスト Michael “Mike Red” Rojas氏

ベネズエラ出身、ペルー在住の 3Dアーティスト Michael "Mike Red" Rojas氏 は、素晴らしいキャラクターコンセプトをつくりながら、ポストプロダクションとビデオ編集をしています。彼は「ポートフォリオを改善したいなら、自身の最新作と競争を始めてください」と言います。それでは、その詳細を見ていきましょう


Michael Rojas
フリーランス 3Dアーティスト

Q.自己紹介をお願いします

名前は Michael Rojas。皆から マイク と呼ばれています。愛称 "Mike Red" は、Michael(マイク) Rojas(スペイン語で赤)が由来です。1987年にベネズエラで生まれ、3D について学ぶため 2013年にペルーに移りました。独学のアーティストとして 業界トップレベルを目指して一生懸命働いています。ポストプロダクションとビデオ編集を行う小さな制作会社に勤めながら、本当に好きなことをする場所を探しています。

「furry creature reading bedtime story to girl/少女におとぎ話を読み聞かせているフサフサのクリーチャー」(コンセプト:Goro Fujita

Q. 作品「木の上のターザン」のワークフローを教えてください。どうやってアイデアを生み出し、何を達成しましたか

私は通常、Blender でのシーンのブロッキング(大まかに作ること)から始めます。次に、それを ZBrush に移し、ディテールをスカルプトして洗練させます。結果に満足したら、再び Blender に戻し、モデルのリトポロジーを行います。追加の要素がある場合は、それらに同じプロセスを繰り返します。すべてを正しい場所に配置したら、UVマップを作成し、ZBrush と Substance Painter でテクスチャを作成します。レンダリングでは、シーンを研究してパスレイヤーを作成し、時間を節約しています。最後に PhotoshopProcreate でシーン全体を合成します。

「rabbit pointing/指差すウサギ」(コンセプト:Borja Montro

Q. どのような課題がありましたか? 新しい学びはありましたか?

常に どの作品でも 何か新しいことを学ぼうとしています。最新作では Substance Painter を少し学び、このソフトウェアが大好きになりました。もう1つ学んだのは「実際のプロポーションで作業することの重要性」「それが正しい最終イメージを得るのに役立つ」ということです。

Q. 他のソフトウェアを仕事や個人プロジェクトに使用していますか?

はい。現在、私は ビデオエディターとして働いており、After EffectsPremiere で多くの仕事をこなしています。さらに AnimateTVPaint Animation で2Dアニメーションを行うこともあります。頻繁に使っている他のソフトウェアは iPad の Procreate です。ワークフローに取り入れたのは初めてでしたが、結果は素晴らしいものになりました。

「skateboarder in pipe/パイプを滑るスケートボーダー」

Q. ポートフォリオをアップデートする秘訣・ヒントがあれば おしえてください

きれいにまとまったポートフォリオを維持するのは難しく、時間を必要とします。その理由は、プロジェクトを完成しながら整えなければならないからです。私は常に、新しい作品で より良い結果を求め、それに乗り越えようとしています。ポートフォリオを改善したいなら、自身の最新作と競争を始めてください。

Q. SNS を使用していますか? お気に入りのハッシュタグをチェックしていますか?

Blender や Blender Latino などの Facebookグループ のメンバーではありますが、Facebook 自体はあまり使用していません。Instagram がメインの SNSです。ここでフォロワーとやり取りしたり、お気に入りアーティストを見つけたりします。Instagram でお気に入りのハッシュタグは、#characterdesign です。

「tarzan in tree/木の上のターザン」

★ターンテーブル:Tarzan Turntable(52秒)

Q. 芸術的な目標はありますか?

答えるのが簡単な質問ですね(笑)! アニメーション映画やゲームを制作している大企業で働きたいです。それが私の夢です。いつか実現できることを願っています。

「crocodile in bath with rubber duck/アヒルと入浴するワニ」(コンセプト:Wiebke Reuters 氏)

★メイキング映像:Making of: I love my rubber ducky (FanArt)(7分48秒)

Q. 大好きなアーティストはいますか? 手描き/デジタルどちらでもかまわないので、その理由も教えてください

答えるのに時間がかかりますね! 尊敬するアーティストはたくさんいます。その中には、Dylan EkrenJim KimMike DefeoSergi CaballerClio WolfensbergerCarlos Ortega ElizaldeTyler BolyardGlen Keane(グレン・キーン)Tom BoothVitor HugoFrancois Boquet 等々、他にもたくさんのアーティストがいます。そして、それらのアーティストすべてに共通する特徴は、一生懸命に最高の作品を生み出し、インスピレーションを与え続けてくれることです。

Loish のファンアート

Q. 次回作に何を期待していいでしょうか

完璧主義、こだわりをお見せできるでしょう。これからの すべての作品で、より多くの改善に努めます。そして、最高のアーティストを目指していることを証明したいと思います。世界中、特にペルーやベネズエラの多くの人々を鼓舞できると嬉しいです。私は私の国で デジタルアートの扇動者、旗振り役の1人になりたいのです。

 


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翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp