【特別寄稿】造形家 / 映画監督 片桐裕司の いろいろあっていいんじゃない?|エピソード86:スター・ウォーズ と すもうジョーンズ
ハリウッドで彫刻家、キャラクターデザイナー、映画監督として活動。日本で開催する彫刻セミナーは毎回満席の片桐裕司さんのエッセーです。肩の力を抜き、楽しんでお読みください!

エピソード86:スター・ウォーズ と すもうジョーンズ
前回の エピソード85:コメディ『頑張れ すもうジョーンズ!』 は、Doug Jones(ダグ・ジョーンズ)の代わって「不気味な老人」を演じるために すもうジョーンズ が選ばれる話でした。今回は、お待ちかね(待ってないか)の『頑張れ すもうジョーンズ!』のパート2 です。
アカデミー賞作品、ギレルモ・デル・トロ 監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』では半魚人を演じた 俳優 ダグ・ジョーンズの演技を超えるため、不気味な老人に施した すもうジョーンズ の工夫とは?
★『頑張れ すもうジョーンズ2』ダグ・ジョーンズを超えるため、考えた秘策とは?(2分7秒)
映画『ゲヘナ~死の生ける場所~』は、デル・トロ監督でなく、私の監督作品ですが、ぜひとも、7/30 からの 『ゲヘナ』渋谷上映 に足を運んでいただければと思います。
▼『ゲヘナ』渋谷上映。詳細・申込は こちら >>> http://gehennafilm.jp/
さて、普段はあまり、今現在やっている仕事の話はしないのですが、今回は「特別」なので少し書きます。語呂がいいのでタイトルにしましたが、実は「スター・ウォーズ」と「すもうジョーンズ」は全く関係ありません!
しかし「なぜ タイトルにしたか」というと、現在 私の携わっている仕事が「スター・ウォーズ」のTVシリーズだからなのです。なぜ「特別」かといえば、我々の世代の男で「スター・ウォーズ」に影響を受けなかった人間は ほぼ皆無と自分は思っているくらい、私の中で、この映画は大きな割合を占めています。
「いつか スター・ウォーズ に関わりたい」 そういう思いは、若い頃 強くありました。私が渡米した後、「スター・ウォーズ」のエピソード1、2、3 と 新シリーズが作られたわけですが、それらの仕事は、ジョージ・ルーカス の本拠地 サンフランシスコの ILM(インダストリアル・ライト&マジック)で作られました。私の携わる分野、エイリアンの造形・制作等はすべて、そこで行われたので、ロサンゼルスを拠点とする私は「スター・ウォーズ」に携わることはできませんでした。
それから 月日は経ち、J・J・エイブラムス 監督の手によって『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が作られました。
最初は ロサンゼルス で作られる予定でおり、そうなったら確実に私は、その仕事に携わっていたと思います。しかし、結局すべてイギリスで制作・撮影することになり、「スター・ウォーズ」に関わる機会は訪れませんでした。そして、その続編である 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』も同様でした。
ところで、自身の監督作品『ゲヘナ~死の生ける場所~』の資金が集まって、撮影に向けての準備を始めた頃に「スタートレック」の映画の仕事を頼まれました。
しかし、自分にとって、その時は、監督する方が大事だったので断ったのですが、もし、これが「スター・ウォーズ」であったならば、「ゲヘナ」はなかったかもしれません(笑)。
それは冗談として、少なくとも「身を引き裂かれる思い」に打ちひしがれたことだったでしょう。そして、そんな話も忘れた頃に いきなり、この「スター・ウォーズ」のTVの仕事が入ったので「まじですか!?」みたいな複雑な心境であります。子供の頃 影響を受けたオリジナルシリーズのエイリアンたちを、新たに自分なりにリアルに作り直しているので、ものすごい感慨深いものがあります。
しかしながら、そんな仕事も投げ打って、来週から 彫刻セミナー のため、そして『ゲヘナ~死の生ける場所~』上映のために 日本に向かいます! それほど自分にとっては意義のある上映なので、皆さんも是非見に来てくださいね~!!
スタートレック と スター・ウォーズ の仕事を投げ打って(!?)上映される『ゲヘナ~死の生ける場所~』 ※写真はダグ・ジョーンズと私
8/3(金)の私の単独セッションの日は「スター・ウォーズ」の話もするかもしれませんよ。
>>> 『ゲヘナ~死の生ける場所~』の情報は こちら
▼『ゲヘナ』メイキング&裏話(GEHENNA ~その軌跡)
https://3dtotal.jp/?s=GEHENNA+%EF%BD%9E%E3%81%9D%E3%81%AE%E8%BB%8C%E8%B7%A1
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