【特別寄稿】造形家 / 映画監督 片桐裕司の いろいろあっていいんじゃない?|エピソード86:スター・ウォーズ と すもうジョーンズ

ハリウッドで彫刻家、キャラクターデザイナー、映画監督として活動。日本で開催する彫刻セミナーは毎回満席の片桐裕司さんのエッセーです。肩の力を抜き、楽しんでお読みください!


片桐 裕司 / HIROSHI KATAGIRI
彫刻家、映画監督

東京生まれ、東京育ち。1990年、18歳のときに渡米。スクリーミング・マッド・ジョージ氏の工房で働きはじめる。98年にTVシリーズ『Xファイル』のメイクアップでエミー賞受賞。その後、『ターミネーター』『エイリアン』『ジュラシックパーク』のキャラクタークリエーション等で有名なハリウッドのトップ工房スタンウィンストン スタジオのメインアーティストとして活躍(2000〜6年)『A.I.』『ジュラシックパーク』『タイムマシーン』『宇宙戦争』等の制作に携わる。現在、フリーランスの造形家、映画監督として活躍中。
東京生まれ、東京育ち。1990年、18歳のときに渡米。スクリーミング・マッド・ジョージ氏の工房で働きはじめる。98年にTVシリーズ『Xファイル』のメイクアップでエミー賞受賞。その後、『ターミネーター』『エイリアン』『ジュラシックパーク』のキャラクタークリエーション等で有名なハリウッドのトップ工房スタンウィンストン スタジオのメインアーティストとして活躍(2000〜6年)『A.I.』『ジュラシックパーク』『タイムマシーン』『宇宙戦争』等の制作に携わる。現在、フリーランスの造形家、映画監督として活躍中。

エピソード86:スター・ウォーズ と すもうジョーンズ

前回の エピソード85:コメディ『頑張れ すもうジョーンズ!』 は、Doug Jonesダグ・ジョーンズ)の代わって「不気味な老人」を演じるために すもうジョーンズ が選ばれる話でした。今回は、お待ちかね(待ってないか)の『頑張れ すもうジョーンズ!』のパート2 です。

アカデミー賞作品、ギレルモ・デル・トロ 監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』では半魚人を演じた 俳優 ダグ・ジョーンズの演技を超えるため、不気味な老人に施した すもうジョーンズ の工夫とは?

 

★『頑張れ すもうジョーンズ2』ダグ・ジョーンズを超えるため、考えた秘策とは?(2分7秒)

映画『ゲヘナ~死の生ける場所~』は、デル・トロ監督でなく、私の監督作品ですが、ぜひとも、7/30 からの 『ゲヘナ』渋谷上映 に足を運んでいただければと思います。

 

▼『ゲヘナ』渋谷上映。詳細・申込は こちら >>> http://gehennafilm.jp/

 


 

さて、普段はあまり、今現在やっている仕事の話はしないのですが、今回は「特別」なので少し書きます。語呂がいいのでタイトルにしましたが、実は「スター・ウォーズ」「すもうジョーンズ」は全く関係ありません!

しかし「なぜ タイトルにしたか」というと、現在 私の携わっている仕事が「スター・ウォーズ」のTVシリーズだからなのです。なぜ「特別」かといえば、我々の世代の男で「スター・ウォーズ」に影響を受けなかった人間は ほぼ皆無と自分は思っているくらい、私の中で、この映画は大きな割合を占めています。

「いつか スター・ウォーズ に関わりたい」 そういう思いは、若い頃 強くありました。私が渡米した後、「スター・ウォーズ」のエピソード1、2、3 と 新シリーズが作られたわけですが、それらの仕事は、ジョージ・ルーカス の本拠地 サンフランシスコの ILM(インダストリアル・ライト&マジック)で作られました。私の携わる分野、エイリアンの造形・制作等はすべて、そこで行われたので、ロサンゼルスを拠点とする私は「スター・ウォーズ」に携わることはできませんでした。

それから 月日は経ち、J・J・エイブラムス 監督の手によって『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が作られました。

 

映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)

最初は ロサンゼルス で作られる予定でおり、そうなったら確実に私は、その仕事に携わっていたと思います。しかし、結局すべてイギリスで制作・撮影することになり、「スター・ウォーズ」に関わる機会は訪れませんでした。そして、その続編である 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』も同様でした。

ところで、自身の監督作品『ゲヘナ~死の生ける場所~』の資金が集まって、撮影に向けての準備を始めた頃に「スタートレック」の映画の仕事を頼まれました。

 

映画『スター・トレック BEYOND』(2016年)

しかし、自分にとって、その時は、監督する方が大事だったので断ったのですが、もし、これが「スター・ウォーズ」であったならば、「ゲヘナ」はなかったかもしれません(笑)。

 

スタートレックの仕事を犠牲(!?)にしてつくられた「ゲヘナ」!

それは冗談として、少なくとも「身を引き裂かれる思い」に打ちひしがれたことだったでしょう。そして、そんな話も忘れた頃に いきなり、この「スター・ウォーズ」のTVの仕事が入ったので「まじですか!?」みたいな複雑な心境であります。子供の頃 影響を受けたオリジナルシリーズのエイリアンたちを、新たに自分なりにリアルに作り直しているので、ものすごい感慨深いものがあります。

しかしながら、そんな仕事も投げ打って、来週から 彫刻セミナー のため、そして『ゲヘナ~死の生ける場所~』上映のために 日本に向かいます! それほど自分にとっては意義のある上映なので、皆さんも是非見に来てくださいね~!!

 

スタートレック と スター・ウォーズ の仕事を投げ打って(!?)上映される『ゲヘナ~死の生ける場所~』 ※写真はダグ・ジョーンズと私

8/3(金)の私の単独セッションの日は「スター・ウォーズ」の話もするかもしれませんよ。

>>> 『ゲヘナ~死の生ける場所~』の情報は こちら

 

▼『ゲヘナ』メイキング&裏話(GEHENNA ~その軌跡)
https://3dtotal.jp/?s=GEHENNA+%EF%BD%9E%E3%81%9D%E3%81%AE%E8%BB%8C%E8%B7%A1

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■ハリウッドで活躍するキャラクターデザイナー 片桐裕司による彫刻セミナー
http://chokokuseminar.com/