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CGの精密な静物画『ボトル オブ ライフ』のメイキング

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CGジェネラリスト / 3Dライティングアーティスト Farid Ghanbari氏 が、CGによる精密な静物画『ボトル オブ ライフ』の制作ワークフローを紹介します(Maya、Substance Painter 等使用)


Farid Ghanbari
CGジェネラリスト


私は10年程、CGジェネラリストとして働いてきました。ゲーム、広告、建築ビジュアライゼーション、モーションデザイン、VFX 制作などの経験があります。主な使用ツールは MayaRealFlowMarvelous DesignerCINEMA 4DSubstance PainterPhotoshop、そして、After Effects です。

このチュートリアルでは、私の作品『ボトル オブ ライフ』の制作プロセスを紹介します。CGアーティストにとって最も重要なのは、ソフトウェアのあらゆる面を深く掘り下げ、創造性を養い、最終イメージの芸術的なルックをつかむことです。このプロジェクトでは、完璧なライティングと微細なテクスチャで、目を引くものを作り上げていきます!

プロジェクトの開始(リファレンス)

私はいつも、ライティングの基礎、カラースクリプト、撮影術といったアートの原則の研究に時間をかけます。このリファレンス収集という最初のステップを経て、プロジェクトは始まります! 以下のリファレンスを見てください。素晴らしいではありませんか?

リファレンス

しかし、単純に超リアルなものを作成するだけでは面白くありません! 芸術的で神秘的に見せる必要があります! 私は通常、このパートで「スパイス」を少々加えています。たとえば、現実世界にはない追加のライトを追加してみるのはどうでしょう? ボトル内に重力の影響を受けない浮き上がった葡萄があるのはいかがですか? 正直、私は、こうした「スパイス」を作っている途中に追加します。この時点で、コンセプトを完成させようと力を入れすぎないでください!(※例えば『ボトル オブ ライフ』で最後に追加したのはネズミの尻尾です)

クイックモデリング&カメラ設定

リファレンスを収集して、初期コンセプトを作成するのは楽しい作業です! 私は通常、プロジェクトの80%で Maya を使用します。初期の形状やブロックをモデリングしてゼロから始めます!

オブジェクトの位置調整やカメラアングルをいろいろ試して、最適なカメラビューと構図を選びます! もちろん、プロジェクトが進むにつれ、変わる可能性はありますが、大きく変えるべきではありません。微調整に留めましょう!

最適なカメラアングルを見つけるのに数時間かかることもあります。黄金比を気にしつつ、シーンのモチーフに集中してください!

チルト・パン・ズームだけでなく、画角・フィルムゲート・カメラのロール・焦点距離など、すべてのカメラパラメータを試してください!

55ミリのレンズを選択

この焦点距離が気に入りました! ここでモデリングを完成させます。必要に応じて、新しいものを追加しても良いでしょう

ライティング

プロジェクトを進めながら、最終ルックの概要をつかんで行くのが私の好みです! なので、主要オブジェクトのモデリングと初期セットアップを終えたら、キーライトを追加して「このまま続けるか」「他の方法を選ぶべきか」を確認します! ライトを微調整し、明暗のバランスをとるのは楽しい作業です。

ライティングまとめ:キーライトに指向性(Directional)モードの[V-Ray Rec light]を使用。ボトル内に[V-Ray Sphere light](※複数)。薄暗いドームライト([V-Ray Dome Light])を適用して、暗い影の上に青い色味を加えています

Substance Painter を使ったリアルなテクスチャの作成

「完璧なライティングと現実的で微細なテクスチャ」という このプロジェクトの目標を実現するために、便利な 3Dテクスチャリングソフト Substance Painter の出番です。簡単で、きびきびと動き、扱いやすいこのツールがなければ、この『ボトル オブ ライフ』は完成しなかったことでしょう! Substance Painter にシンプルなUV設定がされているオブジェクトを読み込み、テクスチャをベイクしていきます。このとき、ブラシ、アルファ、スマートマテリアル、プロシージャル(手続き型)テクスチャなどの多くの機能を活用できます。通常、ベースカラーのレイヤーを塗りつぶして、スマートマスクで作業を進めます。

Substance Painter には便利な機能があります

曲率(Curvature Map)とアンビエント オクルージョン(Ambient Occlusion)は最も重要なマップです。ワールド空間(World Space)でオブジェクトの上部を定義して、簡単にホコリを追加できます

リアルなテクスチャを作成するときのポイントは、組み込みのプロシージャル(手続き型)型ノードに頼らないことです。足跡・ホコリ・木材のキズ・特殊な汚れ、そして、以前そこにあったオブジェクトの影響に至るまで、あらゆる不完全性に対しての注意が必要です(※テーブルの上の青いリングは、そこにペイントポットがあったことを示しています)

すべての微細なテクスチャで満足のいく結果を得るため、4Kで(※大きめのオブジェクトは 8Kで)ベイクします!(たとえば、Maya のテーブル用に8つの UDIMテクスチャを作成し、Substance Painter から8Kのテクスチャを書き出しています)


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