ZBrush、Marmoset Toolbag 使用、『ドレイクソルジャー』のメイキング

05 投影とUVマッピング

すべてのディテールとレリーフをキャプチャするため、ローポリメッシュをハイポリメッシュに投影します(※投影の詳細については、下図や書籍『ステップアップのためのZBrushガイド』などを参照してください)。

UVマッピングには、[UVマスター]を使います。このプロセスはシンプルで動的です。まず体の部分をポリグループに分割し(頭部も同様)、次に[アンラップ]します。最終的に、4K解像度のマップを備えた頭部と体ができ上がりました(ZBrushや他のソフトウェアを使ったマッピング方法は、インターネットでも簡単に見つかるでしょう)。

投影とUVマッピング

06 ベイクとテクスチャリング

テクスチャベイク処理は、シンプルで機能的なツールの xNormal で生成しましたが、ZBrush、3ds Max、Maya3D-CoatSubstance Painter でも生成可能です。OBJ形式のローポリメッシュとハイポリメッシュをエクスポートして、図のように、ノーマル(法線)マップ(Normal map)、AO(Ambient occlusion アンビエントオクルージョン)、キャビティマップ(Cavity map)を生成しました。これらのマップを使い、ZBrushでキャラクターのペイントを開始します。この段階では、スタイルや色を自由にテストできるので、とても楽しく直感的に進められるでしょう(インターネット上で、テクスチャのベイクに関するより完全なチュートリアルを見つけることができます)。

※テクスチャのベイクに関しては以下の記事も参考にしてください
ゲームキャラクターをつくる - テクスチャリング編:09 UV展開とテクスチャのベイク

ベイクとテクスチャリング

07 ファイバーメッシュのヘア

ヘア制作は、技術と配慮を必要とする長いプロセスです。ZBrush の[ファイバーメッシュ]ツールで、あごひげ・髪の毛・眉毛・まつ毛・口ひげのスレッドを生成しました。頭部をコピーし、顔のパーツごとにポリグループに分けて、ファイバーメッシュを作成します。ヘアを生やしているところに注目してください。図のように、常にファイバーメッシュをポリグループで個別に構成しておけば、構築プロセスとサブツールの編成がとてもやりやすくなります。

ZBrush の FiberMesh のヘア

08 Marmoset Toolbag でプレゼンテーション

満足のいく結果になるまで、ヘアを整えたり、マスクと回転で四肢のポーズを調整したりします。私は最も自然なポーズのローポリメッシュとアクセサリーを Marmoset Toolbag にエクスポートしました。Marmoset にキャラクター(obj)をインポートしたら、各要素のシェーダを落ち着いて慎重に操作し、見栄え良い結果に仕上げます。

肌には、SSS(サブサーフェススキャッタリング)、Reflection(反射)、AO(アンビエントオクルージョン)、Cavity(キャビティ)、Normal(法線)マップを使っています。目とボディパーツは Photoshop でペイントし、そのマップも Marmoset Toolbag にロードします。Marmoset のウェブサイトでは、シェーダ、ライト、アニメーションなどに関するさまざまなチュートリアルが公開されています。

Marmoset Toolbag でプレゼンテーション

09 まとめ

下図は、ZBrush モデリングに始まり、リトポロジ、ペイント、マップベイク、テクスチャリング、そして Marmoset Toolbag でのキャラクタープレゼンテーションを終えたあとのイメージです。

常に大胆なプロジェクトに挑戦してください。そうすることで芸術的な進化が起こります。ディテールに目を向け、制作過程で発生する問題の解決方法を学びましょう。最後まで読んでくれてありがとうございます。このチュートリアルがお役に立てば幸いです。

完成イメージ

★ドレイクソルジャーのリアルタイムモデル:Drake Soldier Real-Time(44秒)

▼ Rafael Mustaine氏 のインタビュー【インタビュー】芸術基盤はギークの世界:デジタルスカルプター Rafael Mustaine氏

 


編集部からのおすすめ:ZBrush による制作テクニックを学ぶには、書籍『ステップアップのための ZBrush ガイド』『ZBrush キャラクター&クリーチャー』をおすすめします。

 

 


編集:3dtotal.jp