効果的な構図を短時間でペイントする方法:忘れられた兵器

06. 光の作成

ライティングを追加して、シーンの時間帯を表現しましょう。このシーンは夕方なので、夕陽を加えます。ただし、山に囲まれているので形状の多くは日陰になっています。

ここでは、色の相関性に関する知識に基づき、ペイントしました。たとえば、影の領域は空の冷たいアンビエントカラー(環境色)によって寒色になります。一方、光が当たっている形状は、明るい暖色になるでしょう。リファレンスの光を調べたり、身の回りの環境を観察して、光が色に与える影響を学びましょう。

図06:寒色と暖色で、光が当たっている場所を表現します

07. レイヤーをそれぞれ描画

各レイヤーを 1つずつ描いていき、フォームにもっとディテールを加えます。主な焦点はフォームを明確に表すことですが、描き過ぎるとイメージ全体の一貫性が失われてしまうので注意しましょう。一貫性は重要な要素の 1つで、ペイント中は常に注意を払う必要があります。一部のディテールが他よりも多いと、シーン全体をどれだけペイントしても、まだ完成してないように見えてしまいます。

図07:形状を描きこむときは一貫性を保ちましょう

08.シーンのディテール

シーンのペイント中、色の反復を避けるため、地面に白い花を少し追加することにしました。花を選んだ理由は、小さな要素なら追加しても全体の構図を損なうことなく、ペインティングを豊かにできると思ったからです。また、このマシンが長い間うち捨てられていることを強調するため、その表面に付着した苔とそこから生える小さな草を描いています。

図08:白い花と草で、構図のストーリー(ナラティブ)を強化します

09. 最終調整

多くのディテールと情報を取り入れた後は、要素を 1つずつ修正して、一部のエッジを滑らかにしましょう。この時点で、個々の要素があまり効果的でないときは、ディテールをさらに加えていきます。また、1歩後ろに下がって、ペインティング全体を見わたし、兵器への注意を妨げるものがないかチェックします。私は空や背景など、情報量が乏しい領域にディテールをもう少し追加しました。この作業中は、追加するディテールとシーン全体が調和しているか常にチェックしましょう。

最後の微調整として、色の調整レイヤーをすべてのレイヤーの上に作成、雰囲気を修正して仕上げます。ここでは紫がかった中間調を加え、夕暮れのムードを強めました。これでイメージは完成です!

 

完成イメージ

※本チュートリアルは、書籍『Photoshop で描くSF&ファンタジー』からの抜粋です

 


編集部からのおすすめ: フォトバッシュやブラシのテクニックで 素早く絵を仕上げる技法、スピードペインティングを学ぶには 書籍『スピードペインティングの極意』を、Photoshop を使ってペイントする方法を学ぶには 書籍『Photoshop デジタルペイントの秘訣』をおすすめします。

 


翻訳:STUDIO LIZZ
編集:3dtotal.jp