Photoshop 使用、SFピンナップのペイント

Digital Dimension のアートディレクター Serge Birault氏 による チュートリアルで、SFピンナップのペイント方法を学びましょう(Photoshop 使用)


Serge Birault
アートディレクター|Digital Dimension

はじめに

私のピンナップ シリーズの最終章へようこそ。SFについて 私はあまり詳しくありませんが、このチュートリアルを試していきます。昔ながらのSF映画は大好きなので(宇宙船や光線銃などを描くのは苦手ですが..)、それをインスピレーションにします。

01 インスピレーション

他のチュートリアルと同様に、まず、このイメージ制作で影響を受けたアーティストのリストを作成します。

フランク・R・パウルPeter Elson のような古き良きSFイラストレーターの作品を私は数多く見てきました。
・おそらく、Wojciech Siudmak は 最も有名な SFブックカバー アーティスト の1人です。彼から受けた主な影響は 非常に高彩度のトーンです。
・雑誌「アメージング・ストーリーズ」の表紙に目を通しました。それは、驚くほどキッチュな SFイメージで飾られていました。
・いうまでもなく 空山基 は最高です!

02 スケッチ

スケッチはとてもシンプルです(図01)。

女性とロケットが基本的なモチーフで、多くの画家に愛用されているピンナップの定番ポーズをとっています。軍のピンナップガールが爆弾の上に座っているのをよく見かけますが、それが、模倣したいスタイルです。

私はいつも A4/A3フォーマット、300 dpi の大きなファイルを扱います。常に別レイヤーにスケッチを保持し、必要であれば、ためらわずレイヤーを加えましょう。私の場合、シンプルなイメージでも 200~300 のレイヤーを作成していました。コンピュータのパワーが足りないときは、満足した段階でレイヤーを統合します。

図01:ラフスケッチ

03 頭部

女性の顔は、作品ごとに異なります。今回はいつもより カートゥン調を弱めて、さまざまなプロポーションと肌のトーンを試しました。私は「絵がどこに向かうのかわからないのは良いこと」と思っているため、論理的な方法で作業しません。ここ で、ヘルメットのようなディテールも追加しましょう。泡のように非常に強い(そして不正確な)反射を表現しました。リアルな結果を求める代わりに目指したのは、ヴィンテージ感のあるルックでした(図02)。

図02:顔の制作プロセスとヘルメット

04 肌のトーン

肌のトーンに使用したグラデーションの外観は、非常に古典的です (図03)。

最も暗いトーンと中間トーンの間に少し赤みを加えました。これは、ジル・エルブグレン(米国出身のピンナップアーティスト/広告イラストレーター)が使った手法にとても似ています。

図03:肌のトーンに使ったカラーパレット

05 衣装

衣装はゴムのように見せたいと思いました(図04)。

ペイントするのに、それほど難しいマテリアルはありません。理にかなったグラデーションをペイントして、小さな強い白の反射を加えます。このような反射をペイントする場合、とても簡単な方法があります。まず、Photoshop で新規レイヤーを作成、不透明度100%のハードブラシで反射の形状をペイントします。次に、形状を選択した状態で[グラデーション]調整レイヤーを追加し、このレイヤーの不透明度を下げます。きれいにグラデーションが描けていれば、うまくいくでしょう。とても簡単ですね。

図04:衣装のペイント

06 ロケット

幾何学形状を加える場合は、それらをペイントする代わりにベクターを使ってください。Photoshop でもベクターを操作できますが、他にもっとやりやすいソフトウェアがあります。今回は Flash を使いました。まず、制作中のスクリーンショットを撮り、それを貼り付けます。次にベクターツールでシェイプをペイントし、それを AIファイルとして書き出します。最後にそのシェイプを Photoshop に読み込めば、その上に簡単にペイントできます (図05 - 06)。

図05:ロケットはベクターイメージで作成

図06:Photoshop に読み込み、ペイントする

07 ハロー

この写真にキッチュなハロー(光輪)を加えましょう。まず、シンプルな線を何度か複製し、不透明度とサイズを変更します。次に、その線の角度を変えて配置し、希望どおりの効果を作成します。仕上げとして、私は 標準ブラシで背景に少しノイズを加えました (図07)。

図07:ハローを作る

09 調整

途中で色やライトに多くの変更を加えたので、調整はほとんど必要ありませんでした(図08)。最終イメージ(図09)。

バンビシリーズの 4枚は、私の他の作品よりもシンプルです。違いは作業時間です、かける時間が長いほど、より正確になり、ディテールも豊かになります。

図08:彩度を調整(ビフォー・アフター)

最終イメージ

 


編集部からのおすすめ:Photoshop でキャラクターを描く技術を学ぶには、書籍『Photoshopで描くキャラクター』を、Photoshop のペイントテクニックを磨くには 書籍『Photoshop デジタルペイントの秘訣』をおすすめします。

 

 


翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp