『ザ・バーバリアン』のメイキング

シェーディングの基本

シェーディングはMayaV-Ray を使用します。まず、VRayFastSSS2シェーダと新規V-Rayスキンシェーダの2つを設定。私は高速のSSS2シェーダで作ったルックを気に入りました。これらのネットワークは同じかもしれませんが、減衰度やスペキュラハイライトに微妙な違いが出てきます。

今回の肌のマテリアルではブレンドマテリアルを使用します。メインシェーダとして高速のSSS2シェーダを接続、最初の層となるシャープなスペキュラハイライトにV-Rayマテリアルを接続して開始しました。その後、メインスキンではないすべてのシェーダを上に重ねて配置。重ねたのは、全体的な汚しのバンプとスペキュラ、腕と肩の汚しの二次レイヤなどです。

次にフェイスペイントを設定(基本的には青のV-Rayシェーダで作成、マスクにはペイントする場所のアルファマップを使用)。また、フェイスペイントのバンプにもテクスチャを設定して、皮膚を少し隆起させました。最後に、V-Rayバンプシェーダに作成したブレンドマテリアルを配置、小さなディテール用の標準の法線(ノーマル)マップ以外に、キャビティ(凹み)に基づいたバンプを少し追加しています。

スキンシェーダの設定

金属には、単純に写真のテクスチャから作成したカラーマップと反射マップを使用します。ここには特定の傷マークと一緒に、鈍く反射したサーフェス(表面)部分があります。私は[Fresnel IOR]:8、[BRDFType]:GGXに設定して金属のような反射を作りました。ZBrush の法線マップで追加ディテールを作成するのとは別に、私はいつも、カラーマップでバンプを少し追加しています。このシェーダをブレンドマテリアルのベースレイヤに使用すれば、反射のない部分に細かい汚しのレイヤを追加できます(さまざまなハイライト値とバンプを使用)。

メタルシェーダの設定

最終レンダリングとコンポジット

レンダリングでは、まず3点照明を作成。次に目の部分に向けてフィルライト、髪の毛に向けてトップライトをそれぞれ追加します。微調整の後、Photoshop のコンポジットで全体的に下からのライティングを加えれば、狙い通りの結果になると分かりました。

ライティングの設定

今回の目標は、コンポジットで最終ルックを作成することです(NUKE や他のコンポジットソフトでアニメーション関連の操作は行いません)。地面のターンテーブルをレンダリングするときにも、このことを頭に入れておけば、キャラクターと同じルックを簡単に再現できるでしょう。レンダリングで使った基本的なパスは、ビューティ、拡散、反射、GI、SS、スペキュラ、ライティングです。今回は必要なパスをPhotoshopで読み込み、さまざまな描画モードを使って仕上げました。

16ビットレンダーで、色情報を最大限に利用する

この方法のおかげで素晴らしい結果につながり、ライトの調整や、遅いマシンでレンダリングをテストする手間も省けました。結局、Photoshopで大半のレンダリング画像を調整する方が、時間の節約につながります。

ここまで行なってきた全体概要の説明で、何か得られるものがあれば幸いです。皆さんの現在取り組んでいるプロジェクト、今後取り組むプロジェクトが上手くいくことを願っています!

完成イメージ

■編集部からのヒント

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翻訳:STUDIO LIZZ (Nao)
編集:3dtotal.jp