フォトリアルなCG「アインシュタインの3Dポートレート」のメイキング

テクスチャ

ZBrush でディスプレイスメントマップを作成。UV座標を持つローポリとハイポリの2つのモデルをエクスポートし、Substance Painter にインポートしました。続けてマップのベイク機能でローポリのテクスチャにハイポリモデルから取得したディテールをベイクし、肌の基本テクスチャを作成しました。

今回のテクスチャリングでは、別人の写真を使用していません。老人の顔なので しわのあるテクスチャが必要でしたが、別人の顔のしわはアインシュタインのしわと一致しないので、部分的にプロシージャル(手続き的)に作成し、大部分は手塗りしています。共通の肌色の基本レイヤーを作成した後、プロシージャル ノイズテクスチャをいくつか作成。次に、ブレンドモードの色で顔の領域の色度を作成しました。大まかに言って、額は黄色がかり、頬と鼻は赤みがかり、ひげは青みがかっています。また、目と額に、しわ・ほくろ・しみを描きました。

テクスチャリング

Maya へエクスポート

Maya で追加作業する準備が整いました。私は、ローポリモデルをインポートして、ライティングから開始。レンダリングには Arnold を選択しました。 Arnold の新しいバージョンでは、スキンマテリアル(肌マテリアル)の機能が拡張され、Arnold スキンはさらにリアルになりました。

2つの基本的なエリアライトを使用。1つは背後に配置し、もう1つは左上に配置しています。さらに GI(グローバルイルミネーション)でも、HDRIマップの DomeLight を使用。ライティングに満足したら、スキンマテリアルの作成に進みます。

まず[AiStandardSurface]マテリアルにディスプレイスメントマップを配置し、モデルの Arnoldタブ でディスプレイスメントとサブディビジョンをオンにします。次に、マテリアルの基本パラメータを設定、テクスチャを配置してプロセスを完了します。肌のテクスチャに満足したら、その後は、髪に取り掛かりましょう(※最初から肌のシェーダに満足したわけではありません。実際にはマテリアルのパラメータ、テクスチャ、ユーティリティの組み合わせをいろいろと試しています)。

Maya へエクスポート

ヘア

さまざまな毛を作るために、Maya の[インタラクティブ グルーミング]を使用しました。 この新しいツールを 私はとても気に入りました(最高です)。アインシュタインの頭部モデルの大きなコピーを1つ作り、その上にヘアを配置。頭部のみ別のヘアにしました。

頭部のゆるい髪に個別のグルーミングを行い、口ひげ・眉毛・まつ毛にも個別のグルーミングを行いました。まず、頭髪にガイドを作成し、それを基にフォームを形成。その後、ブラシに切り替えて、ほとんどすべてのヘアを作成しました。もちろん、ノイズなどは同じ[モディファイア]を使用しています。よりランダムな髪に見えるように、[モディファイア]ですべての種類のテクスチャを使用しました。

ヘア(髪の毛)の作成

目の作成 と 仕上げ

目は2つのオブジェクトから作成しました。 透明マテリアルの外側の球は光沢専用で、光沢のない内側のマテリアルにはテクスチャがあります。白目の部分に血管を描き、虹彩のボリュームにはディスプレイスメントも使用しています。

今回、Photoshop ではほとんど何もしていません。背景を作成してコントラストを調整し、少し色を補正して署名を追加しただけです。この結果にはとても満足しています。皆さんに気に入っていただけたら嬉しいです。

最終イメージ


編集部からのヒント:フォトリアルな CGキャラクターの制作テクニックを学習するには、書籍『3Dアーティストのための人体解剖学』『MAYA キャラクタークリエーション』をおすすめします。

 


翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp