建築系CG作品、雰囲気ある オフィスインテリアの作成

イランの 建築ビジュアライザー、CGアーティスト Mohsen Hashemi 氏 の作品「雰囲気ある オフィス インテリア」の制作ワークフローをチェックしてみましょう(3ds Max、Corona 等使用)


Mohsen Hashemi
フリーランス 建築ビジュアライザー|テヘラン、イラン

はじめに

この作品のアイデアは、ある生徒に与えた練習課題から生まれました。彼女は、モデリング、ライティング、シェーディングの練習に インテリアのビジュアライゼーションを行いました。そして、彼女が提出した課題のシーンを見たとき、このプロセスを再現して別のレベルに引き上げられると私は思いました。

01. インスピレーション

私の教えるコースでは、リファレンスを見つけて 隅々までモデリングするように指導しながら、最終イメージに仕上げていきます。才能ある生徒の Kazhal Javanmardi が作成した YoDezeen architecture のプロジェクトを目にしたとき、それが、あらゆるインテリアのレッスンとテクニックに最適なリファレンスになると気づきました。

Office 44(制作:YoDezeen architecture / Kazhal Javanmardi)

02. モデリング

シェーダをできるだけリアルにするため、詳細なモデルを用意することは重要です。私が常に注意しているのは、各オブジェクトに「適切な面取り」を施し、面取りの半径をできるだけ実際のモデルに近づけることです。特に、モデルのディテールには注意を払います。これにより、実際のスケールとプロポーションのリアルな環境を生み出せるのです。私は VIZPARK3dsky の 詳細なモデルを使いました。

モデリング

03. フレーミング

写真の基本ルールを用いることは、建築ビジュアライゼーションプロジェクトで常に役立ちます。このプロジェクトでは、私の他の作品と同様に各レンダーフレームで「黄金比」を使っています。最初から「黄金比の機能」「正しいフレーミング」を理解するのは難しいかもしれませんが、他のアーティストの作品とその努力を研究すると、徐々にわかってきます。私が今でも研究している1つのテーマは、それぞれの作品の中でより良い構図を見つけることです。

使用した黄金比

04. マテリアル

今回のように現実的な方法でオブジェクトを表示する場合、シェーディングを簡単に済ませることはありません。オブジェクトの数だけ表示方法があり、それらの見た目も異なります。場合によっては、オブジェクトごとに異なるシェーダを使用したり、シェーダをさまざまな方法で作成したりします。私のワークフローにはシェーダ作成の優先順位があります。天井・壁・床は、シーンの広大なスペースが含まれているため、このリストの上位にあります。重要なのは、それらが似ている、または 同じに見えないところを示すことです。私の場合、シェーダをできるだけシンプルにしつつ、さまざまな種類を作成します。

シンプルで多様性のあるシェーダ

05. 照明/ライティング

最もエキサイティングな部分です。私は、ライティングが大好きなので、このパートでは苦労しません。できる限り簡単で斬新になるように心がけています。1日の異なる時間帯の異なる雰囲気を作るため、Peter Guthrie のシンプルな HDRIマップと VIZPARKコレクションを使いました。それぞれの瞬間の見え方と放射角の投影が重要だったので、太陽の最良の角度を生成するのに多くの時間を費やしました。さらにスポットライトとして シンプルな Coronaライトを使い、特定の領域だけを照らしました。

これらは、このシーンに最も役立つ HDRIマップです

06. クローズアップ

このステップは、あなた自身のプロジェクトを補完するときに行いましょう。クローズアップでも、写真のルールがまた重要な役割を果たします。私たちはアーティストとして適切なイメージを作るため、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。最も重要な1つは、標準的な深度(depth)と、その深度をできるだけ強くするための強力な焦点(focal point)です。また、適切な絞り(aperture)と設定で、ボケ、ブルーム、グレアのような効果を作り出すこともできます。

標準の焦点距離(focal length)で、ボケ効果が発生します

07. ポストプロダクション

最後の重要なパートは、ポストプロダクションです。コントラストと色を変更するために、私は、数ステップだけ実行します。個人的なワークフローでは、ポストプロダクションの前に、モデリングと構図によってイメージがすでに機能しています。ご覧のとおり、いくつかのレンダーパスで「コントラスト」を高め、簡単なツールで「カラーバランス」「色相」を変更しました。独自のワークフローを持っているなら、このステップは楽しく進められるでしょう。もし、そうでなければ、苦労するかもしれません。

レイヤーで 色とコントラストを調整するだけの簡単な作業です

レンダーショット

 


翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp