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他とは違う作品をつくるために。建築ビジュアライゼーション&制作のヒント

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建築ビジュアライゼーション チームリーダー Paul Hatton氏が、他とは違う作品をつくるための一般的なアドバイスを紹介します


Paul Hatton
フリーランス クリエイティブ スペシャリスト (3Dビジュアライゼーション&ビデオ) | イギリス


人を惹きつける建築ビジュアライゼーションの作り方は 一見難しい課題のように思えます。なぜでしょうか? 建築ビジュアライゼーションの世界は多様性に富み、世界中のアーティストは技術的な能力だけでなく、芸術的な能力の枠も押し広げています。世の中には本当に美しい作品があります。ここでは、今日の優秀なアーティストに共通する確実な要素を見ていきましょう(※本チュートリアルに掲載されている すべての作品イメージは Double Aye の提供であることを付け加えておきます。ビジュアライゼーション業界をけん引する その素晴らしい作品には、本チュートリアルで指摘する多くのポイントが示されています)。

01. 既製プロップの呪い

世の中には、多くの 3Dモデル(無料/有料)があります。ここ4~5年で既製のリソースが爆発的に増えました。その多くが無料で(商用利用できるものもあります)、使用頻度は大きく高まっています。ワークフローを高速化させるメリットがありますが、自作のシーンが他の多くのアーティストとものと同じに見えてしまうリスクも含んでいます! したがって、モデルはできるだけ 一から作成してください。多くの労力を要しますが、それだけの価値があることでしょう。

© Double Aye

02. 構図を研究する

レイアウトと構図は、デザインやその裏側にあるビジョンを伝える上で大きな役割を果たします。レイアウトには十分気を配ってください。あちこちに無作為に配置するのではなく、もっともらしく見せましょう。そして、そのものが特定の場所に配置されている理由を明確にして、シーンを装飾することに慣れる必要があります。

© Double Aye

03. 品質を損なうものはすべて取り除く

品質を損なうようなアイテムをシーンに入れないでください。たとえば、満足できるレベルに達していないモデルがあり、それが明白な場合、シーンの他のものが最高の品質でも、そのモデル(とテクスチャ)だけが浮いてしまうことでしょう。そのようなときは、モデルを改善するか、シーンから取り除いてください。シーンにあるすべてのものには一体感が必要です。テクスチャもうまく収まっているか確認しましょう。他の部分はうまくいっているのに、1つだけ素人っぽいテクスチャがあるほど残念なことはありません。

© Double Aye

04. 感情が伝わるカメラアングルを使う

よく「クリエイティブなカメラアングルを使いなさい」とアドバイスされますが、一体どういう意味でしょう? これを具体的に示し、効果的なカメラアングルを使うための最適な方法は、映画を見て研究することです。優秀な監督は、伝えたい感情をはっきりと表現するカメラアングルを使います。映画を 1~2本鑑賞し、そのカメラアングルから何を感じるかを書き留めてみましょう!

© Double Aye

05. ディテールに注意を払う

シーンを作り上げるとき、特に制作ワークフローにおける モデリングとテクスチャリングの段階では、ディテールに多くの注意を払いましょう。手を抜いたり、プロセスを急いで進めたりしないでください。Bertrand Benoit のようなアーティストは、シーンのモデリングやテクスチャリングに人一倍の手間をかけることで有名ですが、これは極めて効果的です。とはいえ、費やした分の時間の見返りがどこにあるのかをきちんと考える必要もあるでしょう。

© Double Aye

06. 自分らしさを表現する

おそらく、これ以上のアドバイスはないでしょう。とにかく、自分らしさを表現してください。人をまねするのではなく、自分の主張を持ちましょう。他人からインスピレーションを得てもよいですが、コピーはやめましょう! 他のアーティストの要素やスタイルをまねしたくなっても、できるだけ独自のやり方を通してください。これには勇気と大胆さが必要ですが、自分で作成したものによって独自性が生まれると 理解できるでしょう。自由でいてください!

© Double Aye

07. 人と違ったことをやってみる

先ほどの論点の続きです。何かを制作するときは、他と違ったものを作るようにしてください。多くの建築ビジュアライゼーションは似ていますが、ある程度は仕方のないことです。人と違った作品は新しく新鮮なので、私はこういったものを見るのが大好きです。インスピレーションが欲しいときは、建築ビジュアライゼーション以外の世界で、他のアート形式を観察するのがお勧めです。あなたの作品をひときわ目立たせるのに 一役買ってくれることでしょう。

© Double Aye

08. スタイルを築く

成長に従い、自分独自のスタイルを築いていきましょう。作品をすべて同じように見せる必要はありませんが、素晴らしいアーティストは誰でも 特定のスタイルを持っています。これにより、他の人から区別され、鑑賞者はひと目で、その制作者が分かるようになります。これには何年もの工夫や改良が必要かもしれませんが、目指す価値はあります。

© Double Aye

09. 個性を取り入れる

技術的には素晴らしいものの、個性や感情がまったく感じられないビジュアライゼーションが多過ぎます。それらの組み立て方は評価できますが、人を感動させたり、意図を考えさせたりすることはありません。人物や遊び心などで個性を取り入れると、ビジュアライゼーションがとても生き生きします。ときには ネガティブな感情を伝えたい場合もあるかもしれません。もし、それがあなたの目指しているムードであれば、ぜひ、いろいろと試してください。

© Double Aye

10. 最高の品質を目指す

言うまでもありませんが、できるだけ最高の品質を目指すことが大事です。ポートフォリオ(作品集)の一部として、ギャラリーに入れようとしている作品であるならば尚更です。世の中には高品質の作品が山ほどあるので、目立って受け入れられるように工夫してください。あなたの実力を最大限に発揮させるため、1つの作品に十分な時間をかけましょう。

© Double Aye

まとめ

以上、いくつかの検討事項を分かりやすく説明しました。そのほとんどは、つまるところ、一つひとつの作業を行う理由について考えることです。特定のカメラアングルの設定から オブジェクトの配置場所に至るまで、その裏に動機づけとなる理由があるとよいでしょう。これは、ビジュアライゼーションに説得力を持たせるのに役立ち、見た目を大幅に向上させます。しかし、このリストは決して完全ではありません。ここから先は あなた自身で考えてみてください。

 


翻訳:STUDIO LIZZ (Atsu)
編集:3dtotal.jp

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